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夜の中心に置かれた
玻璃の器の中で
微光を放っているのは
誰にも問われることのなかった
ひとつの答えである
僕らは終わりゆく夏の片隅に凭れている
空中に半透明の骨がいくつか漂っている
(時々うっすらと虹色を帯びて見えたりする)
何が朽ちたあとに残った骨なのか などと
僕らはもう考えることもな ....
窓の外には
透明な沙漠の夜があり
銀の虹が架かっている
深緑のテーブルクロスの上には
白い皿があり
その上には一篇の詩がある
その席は誰のために用意されたのか
いつしか銀 ....
楽屋には雨が降っている
彼は黒い傘をさして
鏡の前に坐っている
これまでに舞台では
幾千もの笑顔を見せてきた彼だが
今はそのどれとも違う笑みを浮かべている
愛する者と共にいるときに
見せ ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
そしてまた梨の花が咲いた
記憶の裏窓に
梨の花が咲いたのだ
少年の横貌を
咽喉の線を
正しく記述する春の香気
咲いたよ 微笑む
咲いたよ はにかむ
その指が ....
心臓の中で
春が笑っている
笑っている春の中で
一面のチューリップが笑っている
笑っているチューリップの中で
少年が笑っている
少年の無邪気さが
チューリップを{ルビ ....
左の翼は
羽の一枚一枚がすべて
小さな銀のナイフ
右の翼は
羽の一枚一枚がすべて
紅い薔薇の花びら
その飛行の軌跡は
歪みつづける
あるいはその飛行が
天を歪ませてい ....
丘の上 灰色のあかるさの中に
観覧車は立っている
色を失くしたその骨格を
冷たい空気にくっきりと透かして
ただしずかに廻っている
ゴンドラのひとつひとつに
乗っているのは
かつてそこ ....
ただのみきやさんの塔野夏子さんおすすめリスト
(69)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
He_said
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塔野夏子
自由詩
9*
12-10-9
晩_夏
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塔野夏子
自由詩
9*
12-8-25
Happy_Birthday
-
塔野夏子
自由詩
3*
12-8-5
六月の楽屋
-
塔野夏子
自由詩
6*
12-6-7
踊るひとのための連祷
-
塔野夏子
自由詩
23*
12-5-23
裏_窓
-
塔野夏子
自由詩
9*
12-5-11
春_鬱
-
塔野夏子
自由詩
9*
12-4-29
不自由な天使
-
塔野夏子
自由詩
7*
12-3-25
冬の観覧車
-
塔野夏子
自由詩
13*
11-12-9
1
2
3
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