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私を洪水に追いやった姉がいて
いつも酷い頭痛に悩まされる
スプーンや菜箸をやおらと持ち上げる習慣のせいで
編纂した辞書は全部私の産声で埋め尽くされた
おかげで生きることは大変な仕事になった
 ....
郵便配達員のしていた服装を
頭のてっぺんからつま先までも
覚えている限り言葉にしながら

ねえもっと夢のある話をして、とせがむ
そのあと決まって
死ぬって甘いよね、とも言っていた

持 ....
貴方に参ったと言わせたいが
荒れ地に種も蒔きたい
二重の線で消したいが
全部薬だと知った

名前を与えてしまったら
その瞬間から傷口が広がる
紙の埃を吸い込んで
苦しいから文字は踊る
 ....
何故惹かれるのかわからないので、私は引き金に指を掛けています
何故私のものにしたいのかわからないので、さっきから扉を開けています
わかってしまうことからずっと逃げているのです
私は泥棒です
貴 ....
最後尾の席を狙ってまた記念日を失う
信管を増幅させたのは私
そうだ、私の顔だ
偽りのシエスタ
もう目覚めてしまったのか?

ポートフォリオの端の覚え書き
今日の風の重さを測る(譜割りを与 ....
奇妙な三角関係が続いている
愛されたい自分と愛したい自分
互いに譲らないし干渉もしない
向かい合ったままで、そして
もう一人が居ない
お茶はお代わりの分まで用意してある
傷付ける言葉ももち ....
少し雲を横にずらしたところ
まだ日に焼けてない空が現れた

日傘の出番を待っていた
帰ろうとしている場所が家ではない気がして
私は駅を探す
私を乗せてくれるホームは何番線だろう?
海面が ....
色の無い景色、風の無い景色が嫌いだった
息を潜めて雨宿りする軒下
一番自分に近い言葉が訪れるひと時
生まれた場所から離れ滴り落ちていく滴を見送り
その向こう側にぼんやりと移ろう情景が
私との ....
訪れたのは君に会うためじゃない
そもそも君は此処にはいない
谷の翌檜が風邪を引いたので
薬を届けに行くところだ

足のない風が五線譜をくすぐり
君はひと振りの枯れ枝
弦に乗せた指が踊り始 ....
希望は罪かも知れませんが
止められなかったのも事実
急ブレーキの跡が生々しいです
轢いてしまった感触だけがあって
亡骸は何処にもありません
私は空を見上げます

制限速度は誰のためにある ....
剥いた蜜柑の爪跡が地球の裏側に勃っている
朝と見間違うかのような崩落
焔は零れる砂となり
紐を抱くとも数式の最後尾に綴じられる

消えそうな会釈で靴を脱ぐ
前室は輪郭に満たず、水没した鏡に ....
ただのみきやさんの妻咲邦香さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
修正液- 妻咲邦香自由詩4*23-11-28
よくよそ見する子供は今日も- 妻咲邦香自由詩223-11-17
件名瘡- 妻咲邦香自由詩422-10-3
不可思議- 妻咲邦香自由詩222-9-26
シエスタ- 妻咲邦香自由詩121-4-8
ディプロマット- 妻咲邦香自由詩321-4-2
二枚貝- 妻咲邦香自由詩221-2-23
一筆- 妻咲邦香自由詩3*21-2-23
スナフキン- 妻咲邦香自由詩321-2-18
潮風- 妻咲邦香自由詩421-2-15
カーネーション- 妻咲邦香自由詩321-2-6

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