すべてのおすすめ
明日のわたしはわらっていますか?
明日のわたしはかなしんでいますか?
明日のわたしはなにをみつめていますか?
明日のわたしが生きているのなら
生きていることに
ありがとうをいうでしょう
....
ところであなたの結末は
空に聳える塔の上
さらに伸ばした指の先
白い雲の浮かぶ場所
光の中で交差する
きらりと光る紛い物
ところで自分の結末は
八五番の緑色
赤い豚の急降下
離島 ....
ピアノの音
芝生の上
アリが歩く
ネコの声
まぶしい
太陽
麦の穂
犬と遊ぶ少年
そよ風と
木々のざわめき
午後の紅茶
ティーカップ
うちの孤高の戦士はいまベランダでひなたぼっこ
あえて妄想中とは言いますまい
ときどきかれの誇り高きぶた猫の本能が
のねずみやのうさぎの後姿をおもいだすのかもしれない
それとも昔の彼女の寝姿か
....
彼女は古いホテルに住んでいる
訪ねて来る人はいない
アールグレイの紅茶をこよなく愛し
その香りと味に心震わせている
そんな彼女のところに珍しく人が訪ねてきた
それはまるで ....
かぜのやさしい日
ガラス窓を開示して 勧めました
レースのカーテンに
腹式呼吸を
ひかりの淡い日
裏木戸 ....
子どもの頃
夏になると
庭に母がとうもろこしを植えた
毎日水やりをするのは
弟と私の仕事だった
「これ、なんていうとうもろこしか知ってる?」
「とうもろこしに名前なんてあるの、おねえち ....
ひとを愛せばきっと
人間らしくなれるの
置いてけぼりよ
わたしは世界を知らない
初めて飲んだコーヒーはまずかった
おねえさんになりたくて
苦い淵に立ってはみても
....
雲は刻一刻と姿を変えて
風が吹いている
僕は押し流され
吹き溜まり
澱んでいる
風に乗れる者は僅か
多くの者は無念を抱き
腐敗してゆく
何も変わらない
何も変えられない
....
弱さを強さで
コーティングした
直立二足歩行の木偶の坊
愚かさを優しさで
マスキングした
なんとなく文化的な唐変木
心という
自滅回路の中で
思い上がっては落ち込んで
....
虹色の魚は真夏の雲をかき分け
夕立の予感に誘われ泳いでいく
僕の立つ地面を突き抜けた先の人は
空に垂らした釣り糸でそれを捕まえる
境界線など本当にあるのだろうか
隣町の君はすぐそこで笑っ ....
歩道の縁石に
繭のように座り込んで
きみは
つぎの言葉を待っていた
つぎの言葉など
もう
ないというのに
プラチナブロンドの
髪に
ピースマ ....
反応のないこと
哀しいこと
寂しいこと
それは エゴ
反応の ないこと
元気な 証拠
便りは なくても
頼りに してる
返信が 来たこと
嬉しいこと
元気が ....
トマトみたいなランプが光り
道脇にヒマワリが咲いている
その葉のうえではカマキリが
カマを振り上げ威嚇している
山はもう嫌味なくらいしげみ
おばあちゃんの睡蓮鉢のなか
澄んだ水は空の色 ....
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね
線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き
のばした先に
ぬれた鉄柵
あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
裸足で歩こう
もともと
裸足で生まれてきたのに
飾ることを覚えたから
うまく歩けなくなったんだ
裸足で歩こう
危険だというけど
今 以上に危険なんてない
確かめればいい
傷つ ....
いつになくぱっちり目覚め
むくりと起きた僕は
妻にお風呂セットの袋を渡され
車のキーを廻し、アクセルを踏む。
青信号の交差点で、すれ違う護送車。
(青年達の母親は、今頃どうして ....
最初から、少年も
少女もいなかった
ただ、名前すらない、
願いのようのものが二つ、
風の中で
寄り添っているだけだった
大人ってばかだね
大人ってばかだね
そんなことを
....
ふしあわせを
全部抱え込んだようなふり
してさ
きみは息をしているみたいな
ことをいう
ひくつになって
誰かのせいにして
世の中のせいにして
いきていくのはしんどいね
....
圧縮されたファイル
記憶という
過ぎ去った時間
遠くで花火の音
安全地帯からは
それをみることは叶わない
蒸れた熱が
蜃気楼のように、ゆらぎ
ここではない何処かへ連れていく
....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ
満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で
夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
森の中にはたいてい
熊さんはいないけど
ほとんどの確率で自分がいます
出会ってしまいます
山はきらい
田舎はきらい
なのに
木にはひかれる
みどりにひきこまれる
川から
離 ....
雷鳴のち雨
支えきれなくなった
重みに
洗濯物はらりと落ちた
足元
輝く糸屑が大きな雲の形を縁取って絡まっていた
冷んやり
靴は履いてなかった
真実を知りたくて
でも私はいつも間 ....
わたし
わたしたち、という言葉のためだけに
ひとが生かされているとしても驚きはしない
わたしとあなた、だったり
わたしとどこかのだれか、だったり
全国民よ同胞よ私たちはー、の私たちだった ....
冷たい峰を横切りながら
清冽な印象を残し融解する
旅人は柔毛濡らす
輪郭は呼応しない内容
それはたとえば月、芒(すすき)
緑青の浮いたピアノ線
酔いどれ男たちの真心と
空洞の地球儀の ....
ぼくの才能は
ただ
ひとつ
きみを
ずっと
ほんとうに
好き
と
言えることだ
鉛筆を研いでる間に書きたい事を忘れてしまう
(何もしなかった日)
愛の形は
心の形
綺麗でも
不恰好でも
たくさんでも
ちょっとでも
愛はきっと
手作りのチョコレート
口に入れたときの
甘さは幸せ
ほろ苦さは痛 ....
想い出は夏の汗とともに気化してゆく
ひやされて秋の透明なひかりになる
わたしはひとまず泣いていた
少年の郷愁が空を翔けてゆく
存在の影にだけ風が吹いている
空虚なくら ....
眩い 暗い 世界で
僕はひとりぼっち
山鳩は朝を告げるのをやめ
向日葵は俯いている
何を信じればいいのか
自分すら曖昧だというのに
逃げだしてきた丘には
花に集う ....
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