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私は小学生の高学年頃
毎日日記をつけていた
それは思い出や覚え書きを残すためではなく
日記をつけ続けることに固執していたからである
そして書いていることは
何かの情景描写や感情表現では全くな ....
巨大な駅に降り
ぐるぐる同じところを何回もまわり
見上げれば
巨大なデパートが
たくさんそびえているわけだが
道路を渡りたくても信号機はなく
びゅんびゅん車が走っている

大きな歩道橋 ....
いつも私を見ているくらげは

どうしてそんなに嘘をついてばかりいるのかと

鈍く光る

私の中の嘘を全て吐き出してしまったら

なにが残るのだろうか

うすうす気づいてはいるのだけ ....
ぱらぱら降って
ころころ転がる
小さな白い粒々はあらあられ
掌すうっと冷たくて
口に傾け含んだら
なんだかお菓子のようで
甘くはないんだけれど
いつかの記憶がつまった氷菓子
淡くぼやけ ....
夜の通勤急行列車

ゆっくりだんだん蛇行しながら

「プシュー」と

最後に息を吐き出して一時停車

車掌さんのクネル声でどうやら信号待ち

皆も疲れて

「プシュー」と

 ....
まっくらな森の中で

凍りついた花を

少しずつ溶かす月の明かり

決して優しくもなく暖かくもないが

あなたのためならばと照らす

ハノサキユビサキ

ハナビラクチビル

 ....
ある寒い朝雑木林を歩いていると
桃色の温もりがありそうな耳が一つ落ちていた
自分の耳じゃなかろうかと
両手でそれぞれ触ると
ぽろりぽろりと落ちてしまった

あれれこれはいかんぞとすばやく手 ....
それはほんの三十分たらず

目が覚めると

私は誰なのか

四角い部屋はどこに位置しているのか

細胞が弾けたような

生まれ変わったような

今まで必死に詰め込んできたものが ....
フフフンノフン〜
ジャバジャバダバダ〜
ムチャ〜チャシソレ〜

ポケットの中から何やらハミングが聴こえてくる

携帯電話が通話中になっており

お爺さんらしき人がそれはたぶんお風呂に違 ....
それはかつて多くの人々を魅了していたに違いない

それがいまやすっかりおんぼろのおんぼろり

はじっこは剥がれ落ち

赤茶けた錆びが一面に飛び火して

壊れかけた壁の残骸の一部のようで ....
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る

奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明 ....
無農薬だからと皮まで食べれるよと

レモンをひと齧り

皮は甘く果肉は突き抜けるような酸っぱさだ

こめかみの奥に木漏れ日がちらつく

でもやめられず懲りずに齧り続けていくと

急 ....
ふと気づく

同じ人に同じ話題を話している自分にぞっとする

それも初めての如く話しているそぶり

相手はなんだか苦笑い

空転のソラがコロガル

カラコロコロカラ

カラコロ ....
人の抜け殻を集める男は

人が集まる観光地や駅の周辺をうろうろして

うっかり落としてしまった抜け殻や

ふと自分の人生に疑問を感じ脱いで畳んで置いてある抜け殻や

もうこのままでは生 ....
古い映画館にひとりいる

流れている映画は古いモノクロ映画

なんて光と影が鮮やかな映画なんだろうか

生き生きとした豊かな情景

肉厚な人物たち

遠い国の心の{ルビ襞=ひだ}が ....
もやいがほどけて

岸からゆっくり離れ惰性ですすむスワンボート

寂れた観光地の人工湖は静かでのっぺりしている

スワンボートは誰も乗っていないんだったら

おひまをいただき

ペ ....
里山野原に

にょきにょき生える

極彩色のグミの木は

食べたらだめだよグミの実を

あもあもあまがみ

くちゃくちゃぺっぺっと

吐き出せば

もこもこ増えて繭になる
 ....
これは嘘の雨

かろやかなハリボテのよう

びゅうびゅうびゅうびゅう

大袈裟な風

ナナメヨコマエから

パサパサ顔を撫でる

コソバイぞ

向こうの空は晴れていて

 ....
いつもこんな具合に過ぎていく年の瀬

露天に並ぶ裸電球は飴色をしていて

なんだか同じような毎日と風景が

経た年月とともに霞んでいく

空き地でいそいそと

木のはぜる音と燃える ....
高い空から

ゆっくりゆられ

ゆっくりゆられ

落ちてきた

ひとひらのゆきのかけらは

頬をひやりと撫でて

消えていく

耳奥のずっとまだ奥の

しぃーんとした
 ....
こんなにも豆電球が

ちかちか輝いているだけなのに

なぜこんなにも嬉しい気分なのだろう

そんなに嬉しい記憶なんかはないはずなのに

皆の気持ちがところどころで

ハレーションを ....
枯れ葉が落ちて
空に向かって木々の枝が
生命の脈絡を
とくとくと
打ちながら伸びている

空はとても澄んでいて
いつもより遠く遠くから
眺めている気分だ

裸の枝は
墨汁画のよう ....
ここあ どこあ 
うまいここあ

カチカチ鳴らして
余韻を楽しむ

そこあ どこあ
ももいろのここあ

ドアを開ければ
底冷えピエール鼻が鳴る

ここあ どこあ 
そこあ こ ....
起きて 動いて 眠る
起きて 動いて ただ眠る
はっと目が醒めれば 
朝なのか 私は誰なのか たじろぐ

ただ淡々と過ごす日々は
だんだん世界が甘く柔らかくなっていき
マショマロのようだ ....
小学生の頃
校舎と体育館の建物の間に
ピロティと呼ばれる場所があった

そこは特に何かをする場所ではなく
コンクリートの打ちっぱなしの壁があるだけで
ボール当てやドッチボールをするには
 ....
こっちだよ あっちだよ そっちだよ

くるくるもみじがおちていく

てのひらうえに

ちいさなてのひら

あかちゃけた くろちゃけた きちゃけた

かれはがゆくみちうめていく

 ....
いい天気でのどかだなぁと
公園で甘じょっぱい惣菜パンを食べていると

いたずらな風が吹いてどこからか
おもちゃのゴルフボールが
抜け殻の魂のように
放っておいてもそのうち消えてしまいそうな ....
遠くの空に沈む夕日に照らされて
街を囲む山々は黒いマントをひるがえし
夜の闇を呼び寄せている
マントの波打つ上を
いくつもの小さな鉄塔が
わいわい
ぴょんぴょん跳ねて
夕暮れの美しい波を ....
真夜中自転車を走らせ
小さな橋の上から
欄干に身体を預けのけ反る

晴れた夜空のてっぺんに
仄かに橙月がぶらさがる

雲ひとつなく銀河の河から流れる
ホシボシの瞬きは淀みなく美しい
 ....
雲がゆっくり流れて
いつもより大きな満月が
空に浮かんでいる

淡い光で染まる心は
柔らかく膨らんでいき
空に浮かんでいる

こころなしか風があたたかいのは
生きているものがすべて起 ....
faikさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(234)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日記を捨てる- 灰泥軽茶自由詩10*12-2-12
右も左もわからずに- 灰泥軽茶自由詩7*12-2-11
そんなくらげ- 灰泥軽茶自由詩8*12-2-10
あらあられ- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-8
夜の通勤急行列車- 灰泥軽茶自由詩8*12-2-4
月のミゾレ- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-1
みぎみみ- 灰泥軽茶自由詩5*12-1-30
イネムリ- 灰泥軽茶自由詩7*12-1-24
ハミング爺さん- 灰泥軽茶自由詩8*12-1-20
看板娘- 灰泥軽茶自由詩7*12-1-17
草原色のクレヨン- 灰泥軽茶自由詩8*12-1-16
レモン畑- 灰泥軽茶自由詩2*12-1-12
あまじょっぱい- 灰泥軽茶自由詩5+*12-1-10
抜け殻- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-10
モノクロ映画- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-9
スワンボート- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-6
グミの木- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-5
とおりあめ- 灰泥軽茶自由詩4*12-1-4
年の瀬- 灰泥軽茶自由詩811-12-31
ゆきがふる- 灰泥軽茶自由詩8*11-12-29
ハレーションスパンコール- 灰泥軽茶自由詩411-12-25
冬の輪郭- 灰泥軽茶自由詩8*11-12-24
ここあここあ- 灰泥軽茶自由詩1*11-12-21
マショマロ- 灰泥軽茶自由詩411-12-21
ピロティ- 灰泥軽茶自由詩6+*11-12-18
ふゆのもり- 灰泥軽茶自由詩4*11-12-16
おもちゃのゴルフボール- 灰泥軽茶自由詩8*11-12-16
山の展望台から- 灰泥軽茶自由詩111-12-16
零時皆既月食- 灰泥軽茶自由詩4*11-12-11
満月- 灰泥軽茶自由詩311-12-10

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