古びた日傘
信天翁

 わびしい 町はずれでも
    
  僅かばかりの音がする
野鳥の羽ばたきもきこえる
  
    太い音は佇んいる 
   細い声は蹲っている
     
   青い風は歩いている
   赤い光は泳いでいる
    
    日なたと日かげは
野末で浮かびあがっている

沈んでいるのは・・・・・
卒寿を過ぎた お独りさま
       ただひとり
 


自由詩 古びた日傘 Copyright 信天翁 2017-06-15 15:08:20
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