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  卵の殻に
  ネオンの光は
  必要ない
   ゾンビが枯れ枝を振っている
    世界は、
    雨降りの日の
    アスファルトのことです。
    女の
     ....
  あなたの腿に
  手を置く



  その
  柔らかさの奥に
  生きていることの
  鋭いさびしさがひしめいていて



  ぼくの心に
  さっと
  一 ....
  九月の市民球場を
  木枯らしがさらってゆく
  土埃を巻き込んで
  ピッチャーのいないマウンドと
  帰る者のないホームベース
  永遠のような
  0対0
  僕は欠け ....
  ゆうべ
  きみのまとう
  しろい布にふれました
  それはやさしく湿っていて
  かみさまの一部のようでした



  ゆうべ
  窓のそとでは
  たくさんの雪が ....
  脊髄に刺し染みるような
  氷雨の降る土曜日
  灰色のレインコートを着た老婆が
  僕の口に腕を突っ込み
  ずるずるずるずると
  一頭の小熊を引き摺り出した



 ....
  透明なせせらぎが遥か遠くで
  岩の間をくぐり抜けてゆくのが
  聴こえてきそうな三月の朝
  いたずらな顔をして君が
  せがむみたいに背伸びをしたから
  僕たちは口づけをか ....
  六月
  君は椅子に掛けて
  ジグソーパズルをやっていた
  薬缶が沸くのを待ちながら
  壁にもたれて
  僕がそれを見ていた
  六月
  外は雨で
  夕方の部屋に ....
  朝の町は
  赤く輝いている
  透明な蝶が群を成して
  燐粉を煌めかせ舞い飛ぶ
  駅へと続くなだらかな坂道
  冬空に灰色の息を吐き
  自販機でコーヒーを買う人

 ....
  三月の
  まだ、少し肌寒い日
  人々のざわめきが
  どこか他人事のように響く朝
  駅へと続く道を僕が
  いつも通りに歩いていると
  巨大なエスカレーターが
  青空に ....
  きみの腹を
  綺麗な
  正方形にくりぬいて
  そこを通して僕は
  桜吹雪が舞うのを眺める
  蒼い春にも
  暗い冬にも
  きみの正方形から
  桜吹雪が舞うのを ....
  6つ全ての面に
  60と書いてある
  拳大の立方体
  それにそっと手を触れると
  彼は吸い込まれてゆく
  ゆっくり
  60分かけて



  彼がすっかり吸 ....
  君からの
  たっての願いだった
  僕は右手で黒ボールペンを握り
  左手で君の口を開き
  頬の内側の
  赤く柔らかな肉の上に
  文字を刻んでゆく
  インクがつくは ....
  ついさっきの
  出来事のよう



  ばか、
  しね、
  どっかいけ、
  泥水のような言葉の
  あてのない応酬



  道端で
  ながい雨にぬれ ....
  縄文土器を
  保健室に忘れてしまい
  取りに戻った
  夏の日



  熱く
  熱く光は燃え
  廊下を歩く人たちも
  ブラスバンドの行進曲も
  そう仕向 ....
  ゆうがたという言葉が
  雨をよけて
  まもなく
  やってくるので
  部屋の掃除をしています
  あははとわらって
  はらっぱはしった
  あはは、
  あはは、
  ばかみたい。


  いひひとわらって
  きみにちゅうした
  いひひ、
  いひひ、
   ....
  ぽっかりと口をあけて
  君はねむっている
  愛さずにいられない
  その唇が
  ときに嘲ることもあるというのに



  睫毛をしんとさせて
  ねむっている
  ....
  川沿いを
  髪のながい
  女が一人
  頭骨によく似た
  薄赤い花を
  五つ
  のせて
  乳母車を押してゆく
  女がひとり


  *


  ( ....
  鮮やかな桃の色をした
  あなたの大切な鞄が
  線路の上にある
  今は秋の朝
  未だ人のまばらな
  プラットホームから眺めるとそれは
  轢かれるのを待っているように見 ....
  あなたを
  埋めてしまわなくては
  なりません、突然の雨に
  暴風に、雷に
  あなたが苛まれないために
  土深く埋めてしまわなくてはなりません
  スコップに土をすくい、 ....
  髪のみじかい{ルビ女=ひと}よ
  するどい傷のような
  月の居る夜に
  はじめての女よ
  きみが歌うのなら
  ぼくは歌わない
  使い終えたはずの
  あの夏の歌は ....
  一秒もたてば
  抱きあったことなんか



  うそと同じ
  流行りの歌や
  この部屋を通り抜ける
  なまぬるい風と同じ
  出会ったことなんか



  ....
  十月の豊かな光が
  いつもの駅前
  喫煙所のボックス灰皿のあたりに
  私が待たせている
  ひとりの女の額のあたりに
  しっとりと落ち、
  浸食するように広がる
  ....
  集めるものは
  二つあればいいと思い
  待っていたのだが
  一つとしてこなかった



  神無月の午後
  去ってゆくものと
  去っていったものと
  去りつ ....
  けさ、風は
  すこしだけ冷たい
  すこしだけ
  生きているのが痛い



  けさ、僕は
  すこしだけ嬉しい
  すこしだけ
  きみのことを思い出せたから
 ....
  まむれくし。



  と、
  きみが発話し、
  鋏をいれたばかりの
  あたらしい、
  きみの
  栗色をした髪と
  まむれくし。
  と、
  震えた空 ....
  宇宙が
  じっとこちらを見つめる夜
  惹かれあいたがっている
  わたしよりもきっと
  歯磨き粉のほうがさびしい
  わたしはあなたを愛しています
  日は沈み夜が街をつつみます
  空を飛んでいた鳥たちは
  どこへ消えていったのでしょうか
  わたしはあなたを愛しています
  なぜならあなた ....
{引用=  木星から君が
  地球にむかって
  バッタの死骸を投げた頃
  僕の目のまえで
  自販機がコカ・コーラを吐きだした
  ヨーヨーの眼
  カエルの眼
  その長く ....
  一台のテレビがゴミ棄て場で
  ずっと雨に濡れている
  その画面の
  モノクロームの砂嵐の奥に
  きみの分厚い唇がうかびあがり

   散文で語ってください、
   散 ....
泡沫恋歌さんの草野春心さんおすすめリスト(121)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
卵の殻にネオンの光は必要ない- 草野春心自由詩211-12-25
- 草野春心自由詩9*11-12-23
野球場- 草野春心自由詩811-12-22
しずかなよるに- 草野春心自由詩9*11-12-20
氷雨の日、一頭の小熊を吐き出す- 草野春心自由詩511-12-15
縁側- 草野春心自由詩11*11-12-12
六月- 草野春心自由詩10*11-12-11
- 草野春心自由詩9*11-12-8
三月のエスカレーター- 草野春心自由詩6*11-11-7
正方形- 草野春心自由詩811-11-5
キューブ60- 草野春心自由詩611-11-4
聖域- 草野春心自由詩5*11-11-2
靴下- 草野春心自由詩3*11-11-1
縄文土器- 草野春心自由詩911-10-31
ゆうがた- 草野春心自由詩7*11-10-24
わらいうた- 草野春心自由詩3*11-10-22
寝顔- 草野春心自由詩6*11-10-18
花を連れて- 草野春心自由詩611-10-17
桃色の鞄- 草野春心自由詩7*11-10-16
埋める- 草野春心自由詩9*11-10-15
夏の歌- 草野春心自由詩311-10-14
一秒間- 草野春心自由詩6*11-10-13
蘇生- 草野春心自由詩8*11-10-10
冷蔵- 草野春心自由詩311-10-7
強く思うだけで- 草野春心自由詩4*11-10-4
まむれくし- 草野春心自由詩511-10-3
歯磨き- 草野春心自由詩511-10-3
Baby_I_Love_You- 草野春心自由詩5*11-10-2
運動へのコラージュ- 草野春心自由詩311-10-1
濡れたテレビ- 草野春心自由詩7*11-10-1

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