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Fの
セーターの裾から
一本の毛糸が出ていたので
引っ張ってみた
スルスルと
それは
面白いように引き出せる
どんどん出てくる
止まらない
糸の編み目が崩壊する時の
微かな ....
夢想家のわたしは
月に見惚れて
昼間の太陽に
手を翳し目を瞑る
いろんな型の
夢に囚われて
現実の厳しさに
夢が砕けてしまった
禍々しい月日が
粉々に砕いていった
わたしの ....
夜更け
寒空
ふいに切り立つ飛行機の音は
機械音ではなく
上空に沸く数百の命で成り立つ音なのだと
キレイダナ
綺麗なものを
僕の眼も見る
このマチガイを、この
すべての僕等の間違いを
ほんとうの物にする
ホントウに綺麗なものが
僕の眼の裡に映る、もう
間違いもかまわぬ
....
満ちては引く波
光陰矢のごとし
なにもいらない
ただあなただけ
花がまた一つ
落ちてゆく
月光に照らされて
雫が落ちる
天から恵みの雨
全てを1から
やり直す
心の中は嵐 ....
うず巻くきもち重くなり
短く髪を切りました
あなたに背を向け隠しても
うなじがおもい語ります
....
{ルビ宙=そら}に向かって 翳した{ルビ掌=て}
ちっちゃな指の隙間から
見える夜空
月と星 天上を照らす
蒼白く磨ぎ澄まされた星々は
夜の静間に息づいて
光年の{ルビ刻=とき}を数え ....
年が改まり 今日から新年なんだ
モソモソと布団から這いずり出して 袢纏を引っ掛け
いつものように 新聞をポストに取りに行ったら
電話帳みたいな ぶっとい紙が捻じ込まれていた
こんなもん、 ....
窓の外で雪が舞っている
窓ガラスについた雪の結晶は
やがて溶けて
雫となって流れ落ちる
涙のように
こんな雪の日だった
あなたとふたり雪の中を歩いたね
吐く息も白く
....
足が痛む時
私は足の存在を感じる
手が痛む時
私は手の存在をみつめる
心臓が痛む時
私は心臓の在処を想う
痛む時は
普段忘れているものたちを
思い出させる
誰かからの電気信号なのかも ....
おはよう。アインシュタイン。
貴方が恐れていた通りの終わりが今、やってくるよ。
良い朝さ。きっと良い日になるよ。
僕等は神の体内に巣食ったウイルスだったのかも知れない。
自然を使う事を覚え ....
花は咲かず
風は吹かず
空は暗やみ
ぼくはひとり
いやひとりではなく
ぼくの夢を行き来し
ぼくを奔弄するシャドウたちの
愛すべき
憎たらしい口づけ
ぼくの前に道はなく
....
神様が人に淋しいなんて感情を与えたのは何のため?
あの月の欠けてしまった半分は、どこにいってしまったんだろうね
伝わらない想いがいくらでもそこにあるんじゃないかって思えるよ ....
感覚とは、
どこまでが可能であるのか
すぐ先の現実は掴めたとしても
その先には確信がない
わたしは今、 ....
楽園はすぐそこにある
汗水たらして
働き
魂は離れてゆく
悪魔は来たりて
勝利の笑みをこぼす
涙によって
体は冷え、凍える
死は来たりて
敗北の人生
サクセスストーリーは
....
いつものように
朝6時
トイレに駆け込む私に
投げつけられた言葉には
きつい響きがありました
あれは17年前
深く愛し合っていた私たち
動き始めた家庭という名の汽車に
二人飛び乗った
....
失った
後悔を
追いかける
俺は無常
無くなった
腹減った
飯を食う
俺は無常
虫が湧く
無視をする
虫になる
俺は無常
情熱に
蓋をする
莫迦になる
俺は無 ....
ああ
私が人ではない存在に祈っているのだとしたら
それは泣きたい気持ちだからでしょうか
それとも辛いと感じているからでしょうか
でも
私はきっと涙を流すことはない
....
きみのペースに生きている
ゆるまったり急いたりして
かたちを自在に変えながら
音楽を奏でるいきもの
春の空をゆびで容易くひろげて
降りてきたきみなのでしょう
川辺の花に鼻をよせ
草にむし ....
郵便受けに
ときどきは
うれしくないこともない便りが届いている
待っていたものではないけれど
一番欲しい手紙は
決して来ない
相手はもう
亡くなって随分と久しい
もしもらえたな ....
ノッテいるかい?
ロックンロール好きかい?
頭を動かし
キチガイになる
リズムに乗り
全てを忘れる。
頭が空になる。
水を浴びる。
踊る道化師
見る阿呆
ストレス発散
充 ....
制限された区域の上を
光と闇が交互に通る
言霊は幽体の如く壁を通過し
僕は幽霊の如く人を通過する
世界は満面の笑みを湛え
物音はそここで鳴っている
子どものころに左手を切った
人差し指と親指の間から掌の中央にむけて
傷口から桃色の肉が見える
手を動かすと痛い
消毒するために
ヨードチンキを垂らす
滲みて痛くて
畳の上を海苔巻きに ....
部屋を一歩踏み出したときから孤独は纏わりついてくる
貧相な湾と丘陵に挟まれて
身動きが取れなくなったこの街に漂う霧のように
湿っぽい感情はいつまでも俺の皮膚から離れない
東京行の駅のホ ....
色んな事で
頭が胸がいっぱい
誰かに聞いてほしいけど
誰かに聞いてほしいのに
誰にも言えなくて
まるで湖の底で
蝶を探しているような
ビルの屋上から
釣り糸をたらして ....
私たちの救いとは何か?
共感か、賛辞か、批判か、自己満足か?
私たちは何を求めているというのか?
世間の目か、玄人の目か、仲間の目か、自己満足か?
私たちのゴールは何処にあるのか?
....
今夜の雨は
いつもより遠い
気がしたのです
たぶん
わたしが降って
いたのでしょう
だれにも
干渉されまいと
狭いわたしが
いたのでしょう
他人はそれを
ときどき ....
天井にケータイを投げ付けたら
ぶつかるすんでのところで
天井に小さな穴があいちゃって
ケータイすいこまれちゃって
起こった事の理解が出来ず
とりあえず検索しようにも
ケータイすいこ ....
この世の中には
不愉快な言葉で溢れかえっている
目を瞑っても
耳を塞いでも
棘のある言葉が
皮膚を突き破って
神経にグサグサ刺さってくる
ああ どうすればいい
目と耳が欝に ....
命は螺旋
星は輪を描いて
私は
ゆっくりと分裂の限界に近付いてゆく
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