さびしいこころがひとつ
道におちていた
拾わなかった
ぼくももっていたから
さびしい命がひとつ
歌をうたっていた
いっしょにうたった
さびしいさかなが
店先に並んでいた
....
やる気のスイッチは結構すぐに見つかって
勉強も部活も人間関係もそれなりに頑張ってる
でも本気のスイッチは見つからない
だから僕はいつも空回りで中途半端で
何一つモノにできてやし ....
さようなら、
夏の日の空のした
遠く旅立つ君の後ろ姿に。
何度もさようならを
繰り返してきたけれど、
このさようならが最後なんだね。
いつか、また会える日があるなら
馬鹿みたいな一言を言 ....
お陽様に向かって
あれほど笑顔を
見せていた…
ひまわりが…
今は大地に向かい
頭を垂れている
まるで…
『今まで育てて
くれて、ありがとう』
と言っている
かのように ....
夏に実った果実は
その夏が暑ければ暑いほど
甘く、またみずみずしい
だからたくさんの輝く甲虫たちは
夏の果実に鉤爪を食い込ませて取り付く
夏の果実がとりわけ腐りやすいのはそういったわけで ....
?
百年の時が流れても
緑におおわれる事のない
荒れ果てた灰色の大地
小石まじりの砂が
地表に渦を巻いていく
叩きつける雨
照りつける太陽
数え切れない夜と昼が
淡々と ....
やるべきことはない
取り柄などいらない
守るべきものもない
目指す場所などない
彼岸はすぐそこにある
彼岸はここなのだから
いま僕たちが住んでいるこの場所こそ
かつて彼らが憧れて ....
暖かい春を終えて苦しい夏が来て、もう残暑になってしまって
あの町もこの街も西日のまぶしさなんて陰に隠れてしまって
ああお終いなんだなと悟るよ
穴が開いたみたいに寂しかったけど
ひんやりとした日 ....
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人に優しいから自分に優しくなれる / 逆もまた真なりだ
一生懸命生きて来て楽なことばかりじゃない
辛い時にしっかりと支えてくれるもの / ....
玉蜀黍
玉杯を挙げながら
君の衣剥ぎ取り
下弦の月に捧げる
濁っていたかもしれない
闇に光る眼差しも
火照った君の肌に淡く溶け出す
黍の甘さがそのまま
横たえた身体から呟 ....
俺?
俺はぼろぼろになってあの街から追放されたんだ
え、泣いてやしないよ
この泥があるからこそ蓮の花も咲くらしいから、大丈夫だよ
こころの問題じゃない
脳の問題だ
....
あっ
風の軋む音がします
※
母となれなかった女の子供が母となる
子を宿せば母になれる
そんな容易いものではなくて
幼子の抱く古びた操り人形のように
いつのまに ....
それは 透明な砂だった
すこし おおきな石は ふたつあわせて叩くと 火花が散った
そんな 透明な砂の上に
あなたの フィンがあった
瑠璃の穴を飛ぶ鳥のように
泳いだ証の あなた ....
本当の名前なんて
一度も書いてあったことがない名刺を
感じ良く差し出す空っぽな指先
本当に行きたい場所へ
一度も連れていってくれたことがない
少しくたびれた空っぽな向う脛
どん ....
わたしが死んだら
なるべく生き物がたくさんいるところへ
なるべくそのままの状態で
置いておいてください
土にかえったり
誰かの一部になったりして
わたしはわたしの
いのちを分解したい ....
きっと
鋭角にはねかえったであろう
熱を
うっかりと飲み込む
お腹に、沈んだ
あらゆる隙間から
姿を変え形を変え向かってくる
じかに目を合わせないように
うつむいたまぶたの
....
ことばの世界から遠ざかってしまったのは
見ようとしても見えなかったものが
見たくないのに見えてきてしまって
見えるものだけが正しいと思ってしまったからだった
気がついたときにはもう
粘着質な ....
シルバー
とてもながい時が過ぎた
とてもほんとうとは思えないくらいの
シルバー、
それでもまだそこにいてくれる?
シルバー
みんなが言う
あたしがすっかり変わったって
シルバー ....
院長夫婦に預けられてぼくは病院に住んでいた
病室がぼくの部屋だった
おっとりして真面目ないい子だとおばさんはよくぼくをほめてくれた
その夏、病院に大量の小虫が発生した
ちょうど ....
今日も街には
愛のうたがあふれ
恋人たちは
夜のホテルへ急ぐ
阿部さんの提唱した美しい国は
愛国の印刷物を過剰に生産し
鳩山さんの友愛も
この国を
みごとに迷走させ
隣のねー ....
あめはうそだよ
むこうはどうせ晴れている
公園にそなえつけた船でもこいで
地平線にぶざまなきせきを残す
なるほど
もやは信じてもいいのか
それはもう間を隠してくれるから
いきいきとしてし ....
最近、世界どう?
パッとしないヨネ
変わらずの毎日
というか
ダダ漏れの日々
終わったゲームを続けてるみたいな
反現実の海
酔いが覚めないまま歩き続けるのが日課
....
風俗街へ行ったならば
サリーの店へ行き
どんな種類の店なのか
見てきて欲しい
風俗街は楽しいところ
懐さえ温かければ
今はちょっぴり厳しいから
いくらぐらいか調べて欲しい
サリーという ....
真夜中のいたずら電話
死ぬほど嬉しかった
たった今 僕は
孤独から解放されたのだから
奪いたかったのは
肉体ではなかった
きみの内側にひそむ
薄暗く丸いものでもなかった
それは概念だった
女だった
ぼくが
命をかけて奪い ....
あらゆる存在は
たましいのものまねをしていたのだ
たましいは永遠だ
目に見えるものに
永遠のものまねをさせて
たましいの存在を教えるだなんて
まわりくどすぎやしないか
あなたをうしない ....
鯨は賢いから
殺してはいけないのだと
海の向こうでは騒ぎが続いている
賢くないわたしは
きっと殺されてしまうから
その前に沈んでしまおう
深く、深く
肺が潰れてしまうところまで
....
ピアノたんたかたん
ぼくはひけないしうたえない
楽譜もよめないまま
ここまできちゃったのです
のぼりつめたの?
おちぶれたの?
ここがどこだかわかってる?ふりをして
とおくをみつ ....
。キオスクの脇をくぐり抜け、SKSNに乗りこむんだ。
重い体を動かして、軽い心に近づける。
溶けてく景色は、ゆるやかに刻むリズムに歩調をあわせる。
溶けてく心は、西に向かって先に行く。
ス ....
宇宙の年齢から考えると
三日徹夜しようと
二日も続けられなくても
五十年没頭しようと
なにもしなくても時間をかけても
おなじことなのだ
おなじ一瞬のことなのだ
....
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