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幾度かの春を迎えてみたもののリセットした振りまだ知らん振り
あの晴れた日の出来事が第一話なら明日の朝は何話目かしら
手を引かれ新たなホームへたどり着くそれすら何度も忘れぬように
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冷えきった繋いだ手と手を温泉で去年の炎暑を取り戻そうとす
耳元で優しく君が囁いたあの夏のさよならを海で泳がす
夢うつつ瞬時に散りゆく白昼夢、儚く消える思い出花火
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瞼裏、無数に散らばる星のくず此処にも体内宇宙が在った
行きますと勇んで飛び立つ君の性ロケット一台操縦者の君
破かれた宇宙の入り口塞ぐ君リモコン押せ ....
金魚の尻尾を
一匹ずつ
親指と人差し指とで
摘まんで
西の空へかざして
流れる空に赤を重ね見た
どうでもいいような思い出が
西の空へ吸い込まれ行く金魚の
開いたり閉じたり
開いた ....
たろうが好き
たろうが好き
好き
好き
一番好き
何よりも好き
好き
たろうの癖も
たろうの嘘も
すべてを知って
いるつもり
つもり
つもり
つもり
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放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる
揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群
奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う
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