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眠れない 夜
目を閉じれば
変えようの無い過去の記憶が
襲い掛かってくるから恐ろしい
心臓の 奥の そのまた裏側で
どくどくと どくどくと
動悸がして 肺が縮む
....
硝子のフォークで
ケーキを切り分け
翡翠の皿に
苺が落ちる
水晶のグラスには
冷たい紅茶
瑪瑙のマドラーで
ミルクを混ぜる
レースカーテンのワンピースで ....
昔々ある一人の若者が国中を旅して回っていたところ、金のすももを鈴なりにつけた樹を見つけた。
若者はその美しさに夢中になり、たったひとつだけその金のすももをもいでしまった。
それを見つけたの ....
嫌われたくないなら
好きにならなければいいね
貶されたくないなら
頑張らなければいいね
裏切られたくないなら
信じなければいいね
掌の上の宝物
全部捨ててしまえば
失わずに ....
貴方に抱かれたい日は
甘い色の下着を身に纏うの
少しだけ香水をつけて
薄く彩った顔で笑うの
堪らなく愛しいから
理性なんて丸めて棄てて
無骨な指を絡めて ほら
もう 覚悟は出来て ....
薄い月明かりと静寂の夜
シーツの海に 揺らぐ
僕だけが知ってる 露われる姿態を
美しい と抱き締めてあげる
呼吸の心配は要らない
僕の酸素をあげる
脚なんて絡みとるか ....
僕は人間が嫌いだ。
生きている人間が嫌いだ。
欲に塗れ
私利私欲で同種を傷つけ
言葉を軽視し
自己を一番重要視し
生を厭う一方で死を嘆き
獣や自然の命を喰らって
己らの幸福を積み上 ....
息が詰まるほど死にたくなる。
死にたい死にたい死にたい
そんな呟きが酸素の海を漂い、見ず知らずの人間の酸素として息づく
可笑しなところ、ここは、この世界は本当に可笑しなところ
....
あれは、夢か現か幻か。
風が強いあの日。
いつもと同じように帰るぼくのイアフォン越しに、
低く掠れた、重低音。
大人の男の声で何かを啜り、飲み込む音を聞いた。
何事かと周りを ....
[彼]はわたしに
それはそれは甘いキスをするのです。
{引用=眠りひめ。}
熱い身体を覆い尽くして
まるで溶けてしまいそうになる。
逃げられない。
....