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旧盆が近づいている というのに
遠吠えがしている というのに
墓地の風と光り が 漂ってはこない
( いまや ....
いぃぢゃないですか
想いが 震えてゆく なんて
いぃぢゃないですか
青いゆめが 無くなる なんて
いぃぢゃないですか
とわの眠りに 近ずくなんて
いぃぢゃないですか
我が身の ....
裏庭に面した
ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
レィスのカァテンが
待ちわびたように
それは見事な波を創って
(そして
....
いま・・・
卒寿となった おひとりさまは
腕組みをしながら
そっと 胸のうちでたばねる
早苗月の裏庭にひろがる
新緑のそよぎでもって
半生でもて ....
穏やかな風と光が
丘のひだにあふれて
卒寿の猫背を包みこむとき
おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる
はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
冷笑しないでください
卒寿(おいぼれ)ともなると
ゆめとのぞみは萌えにくいのです
青い年
とちがって・・・・
謳歌はうまく唄えないのです
赤い「根明」(ねあか)の齢(よわい)
と ....
夏 熱苦しかった 公園の立木は
秋 身軽くなって
梢をより軽やかに おどらせている
そして 庭木の葉先も
背伸びし終えて ほほえんでいる
野の鳥たちにむかって
招待状を提示するかのように ....
卒寿となった いま
おらはすなおに 向きあえなくなった
たとえば 漫才にも
絶えず輪転をつづける
中学大学時代での走馬灯が
....
都市計画税で造られた
住宅街の一角を占める広場は
きのうもきょうも
浮雲の空っぽいかげを映して
ブランコに 滑り台と ジャングル ....
伸びざかりの庭木にも負けず
ぺんぺん草も群叢となって
素っ裸の夏をオードしている
セミのスケルツォに応えて
なのに 老 ....
「時」に噛みつかれなくなったら
「空」がにらみ始め
「風」を敬遠しだしたら
「光」がこんどは戸惑い始める
八十路のおらにむかって
黒衣の ....
寂びれきった家並みに囲まれながら
ぽかんと口をあけている 原っぱから
一角を揺すらんばかりに
こどもの喚声がこだまする
それは──
閻魔大 ....
窓のすだれがブランコを始めている
フロアーの隅で綿埃が踊り終えている
もうご存知でしょう
風も歌ったり呟いたりすることを
紋白蝶がサーカスを始めている
裸木がみどりのおめかしを終えている ....
祖母が大事にしていたサボテン
それが枯れて軒下に放置されると
ひ孫がデッサンの対象にしてしまった
(若し温室に並んでいたら
祖母は民話の対象にしていたかも知れない)
....
ほんぐもりではない
うすぐもりでもない
うすばれともいえない
どくとくのつゆぞらである
でも 紫外線はいちばん恵まれるという
四季を通じて
いつのまにか ゆびがすべって
....
五月というのに
北極の気圧がすねているのか
それとも 威張っているのか
虚空にはなぜか
原発で汚染された寒気が
黄い苔の舌をペロリとだしている
ひょっとして コスモと ....
「時」のしもべは
カラオケが得意だ
それは
そう病の遠吠えか
うつ病の嬌声か
「空」のあるじは
ハミング ....
どうしてママは
「痛」みを「陣」獲ったりしたの
どうしてパパは
「痛」みに「苦」しんでいるの
年長組の坊やの素朴な問いは続く
「どうして・・ねぇ ....