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{引用=prologue「サティの波紋」
橘の香りする
枕もと
地球が訪ねきて
細いゆびを
こちらに突きだす
ティーテーブルで
フランネルの布がわらっている
(ちがう
( ....
{引用=線を引く
すると
くわわり
へる
ディメンションが{ルビ幻視=みえ}る
星
ハ
駱駝にしょわれ
千里
息の中には
妖精も
居る
妖精の過去も
有る
おき ....
UFOが太陽系にやってきた
へんな容姿のやつらが乗っていた
あたまにお尻があるやつ
水銀の風呂でしか生きれないやつ
目が肘にあるやつ
計算機みたいに正確なやつ
バリエーション豊かだ
第3 ....
きみがわらう
わらうことを好きになれる
きみがなく
なくことを見つけたとおもう
きみがおこる
それはまるで宝石みたいだ
これから先
どんな気持ちが飛び込んで来るのだい?
....
「男の最期」
「砕けたガラスと現実はよく似ている…」、破片に映る空を動く雲がそう言った気がした。地に斃れた男の最期の思考はそのようなものだった。それは、まばゆくも暗くも無かった。ただ意識が遠のき ....
白紙があるだけで
大半は満足だ
詩人らが挙って
製紙工場へ見学に行ったいう話を
ついぞ聞かないのは
退行現象か
『詩論』で有名なホラティウスだって
パピルス製造工場を
覗いてみたこと ....
かくこと
かかないことの傷口として
飛躍し過ぎの言葉
人工衛星
時々
ジャングルジムへ墜落
おんがく
巻貝
自己愛の十六分音符
意味は無意味
咽びのタイミングで
スリ ....
詩を書く時、自分の場合どんなふうかを少し書こうと思います。時々、こういう変な気まぐれをおこします。
まず
銀河、という言葉がすきだから銀河ということばをよく詩につかいます。
魚とか青色と ....
{引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく
魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい
水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
日々色付く里
地の守り神である
オオイチョウの頭が染まる
昨日はおとといよりも
今日は昨日よりも
確実に変化してきている葉の色
樹の寿命は長い
何世代もの人間をみおろし
年 ....
「いくつかメモ」
誤解を恐れず端的に言うとバランスが欲しい。換言すれば、あれもこれも欲しい。低い水位で流れるのでいい。こういうことを言うのはバランスを欠く要素だからと、すぐに排除することに飛びつ ....
何かを他の何かでいいかえるしか
何かを括る方途が無いので
世界はこのような仕方で
むかしから戯れております
あたらしいものはあるのですか
ないのですか
どちらでもよいじゃありませんか
....
言ってはいけないことはないけれど
言えないことはある
言えないことなんて無いというのは暴論です
われわれに与えられた自由は
無限の宇宙の中でこのように制限されていて
しかし制限というのも言葉 ....
そうあるように
あるものが
あるだけなのに
なにかの切り屑のせいで首までが埋まってしまっている
上昇が原理ならよかったのに
鱗のはがれたものだけが天へゆけるのならよかったのに
人の望み ....
山あいのさみしい川べりの
物置小屋の青いトタン屋根の上に
紅葉したもみじが
五六枚かかっていた
大町の山間部の秋は
ダム湖の水面に近い方から色付く
楓が黄色く
イロハモミジはわずかに ....
何年かぶりに新聞を読んだ。明治6年創刊の『信濃毎日新聞』一面の左下、敬老の日を報せる日本国国旗の隣に、お題に寄せて写真を投稿できる(こと映え)という名物 ....
満ちた月に
理屈はいらないように
満足した人に
口はいらない
だからかな
あんまり
満足してしまうと
心許なくなるのは
三日月のシャープさ
とても贅沢だね
うまくいえな ....
この棺桶はきゅうくつで
けれども
そらは紺碧透明
(小鳥のに、さんを棄てている)
こんじきの比喩や
空明のかぜの詩
それを〔私〕はみたけれど
(もちろんそれはそれでと ....
不幸の防護服をきるのは簡単だけど
幸せなカーディガンをはおるのはむずかしい
夏でもなく冬でもなく春でさえない
秋には特に
ソラマメだかマラルメだか
デュマだかデマだか
足りないのは砂時計のすな
キーボードのうえの虫をぷちっとつぶす
するってえと曼荼羅
隠せ嘘なんて!
そうそう
核戦争なんてとうに終わ ....
たとえばちょっとした時、他人の車に乗らなきゃいけなくなって乗り込んだ途端、ああ人の匂いだなと思うことがある。その人の、ひいては生活者の匂いだな、と。消臭剤では隠し切れない微妙な生活臭及び体臭、あのそこ ....
どんな事にも意味があるというのは
どうも
どんな事にもまるで意味がないみたいで
欲しいものはいつまで経っても
全部お預けなままで
そんな地球の優しさで
そんな地球の優しさは
それを優しさ ....
-薄皮一枚-
ということばをむやみにしてはなりません
ついついそういうことになりますから
よくよく気をつけねばなりません
これは倫理がくです
そして日曜日は釣りをします
釣られたようで ....
今日、先年の水害で何もかもが水浸しとなった地区に行ってきた。路肩に植えらていた筈のマリーゴールドは尽く引き抜かれ、その代わりに黒い農業用マルチがのっぺりと施されていた。
ちょうど一年 ....
{引用={ルビ韜晦=とうかい}でちらさないで
よく読み
分かろうとしますから
その訥々な心にあてがわれる
麦のような言葉で
{ルビ叩=はた}いて下さい}
一つも難しいことはない。 ....
書きたいことが山程あるのか
書きたいことなど全く無いのか
どっちなのかが分からない
どっちだっていいんだと思う
今こうして生きている自分を
少なくとも受け止めて
死 ....
ごめんというがいうだけの曼珠沙華
液体のよう{ルビ月日=げつじつ}無碍ながらも初秋
薔薇の顔は神の刻限にはや棄てた
空をみてそらに対峙できずに
きづいたら何も無く泥だまり。 ....
{引用=ひとりでにできあがったものが
またひとりでに壊れていく}
このフレーズが書きたかっただけでその後のことを考えず詩として投稿してしまうというその気分を表す言葉の幾つかが、今、頭にはあ ....
忘れたことの{ルビ仲=なか}に
あるんだよね
詩は
自動記述というのが流行ったのが百年前なら
意識が流行ったのはいつのことやら
なんなら
アウストラロピテクスの頭蓋骨を
電子レンジに ....
あの手この手を駆使し
時間にしてほぼ二時間
ぼくは自分がいかにこれまで我慢してきたかを伝える
君は自分もあなたと同じだけ我慢してきたとさらりという
ぼくはこれでもかというくらいほとんど全身全霊 ....
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