私の率いる言葉の群れは
             かなり暴力的らしい

             運良く怪我をさせずにすめば
             糖尿病にするら ....
切れるのではと、怯えるより

切れたら、繕えばいいと

わたしは、そのつもりだ
ね、ういろうさん
あんたちょっと歩くの速いよ
引っ張らないでくれる?

「お手をするかわり、おやつくださいな」

ね、ういろうさん
あんたちょっと拾い食いはやめなさい
あと、たまには吠 ....
ママがホントは嘘つきだって
僕に教えてくれたのはデイジー。
白いスカートが似合う女の子。

パパがホントは嘘つきだって
僕に教えてくれたはデイジー。
真っ赤な頬した女の子。

デイジー ....
どんな言葉を並べたら

どんなシグナルが脳に走るか

それを計算できたなら

それが最高の詩人なのだろう

それが最悪の独裁者なのだろう
頼るだけの愛は、脆い

だから

愛をいそがないで
わたしらしいわたしは

ほんとはね

わたしだけが知らなかったの
あの子が描いたはじまりの色は
指で押さえたキャンバスの少しずれたところにぽつんとあって
じいっとそれを見つめていた

描き出された自画像の背景に色をたしてゆく
淡いブルー、またはグリ ....
涙さえ君がくれているものだから生き抜いてみたいこの人生を


花は咲くのが仕事というのなら人はきっと生きるが仕事
努力が何よりも美しい 取扱説明書みたいな世の中で

凍えている季節はずれのカブトムシ
野菜ジュースのように
何もかも
からだにいいからと混ぜ合わせたら
きたないだろう?
君のように

水は美しい

人間の六〇パーセントは

だということの説明に
よく出てくる
 ....
夏を食べ過ぎた
メタボリックな入道雲が
冷たい雨をデタラメに降らし
秋風が吹く

置き忘れられた麦藁帽子
司祭たちが手に手をとって、締めてはゆるめて、鬼を追いつめていく。

死角があるなら、そこに違いをつくろう。言葉は、そんな風にもふる舞える。紅潮した陰茎や陰唇に、視線を伏せながらも関心を隠せないよう ....
バター色が並んでた

垂れ下がったぼんぼりの

次また十歩 遠ざかる

逃がさぬように目で追った

こおろぎの鳴く林道に

仄かに燈るわたあめを

父の背に揺られ啄ばんだ

 ....
かつて夏休みは夏休みだった
かつての少年がその五音を口にすれば
宇宙は彼の手の上に転がった
そんな魔法の呪文だったのだ

それが今はどうだ
夏休みはナツヤスミである
俺がそれを口にすれば ....
「せんせい、青がせまってくるよ」と
生徒が窓を指さした

びっくりして窓を見たけれど
せまってくるように見えたのは
くっきりと浮き立った白い雲で

その背景にひろがる青は
たしかに夏空 ....
蝉のお葬式 ひっそりと


参列者は私だけ
夏の夜の裂け目から
蝉の抜け殻は現れる
その内部には
恐ろしい秘密が詰まっている
それがこのもろい構造を支えているのだ
眼には真っ赤な悲しみを湛えて
どこまでも透明な孤独が
今夜天の川と ....
電線を流れる夕焼け



僕の身体には巡って来ない
風を起こす君

私の髪がなびく

駆け抜けるのは一瞬

奪い取ったのはもうずっと
カサブランカ
生まれてきたのだから咲きなさい
生み出されてきたのだから

生み出されずに
生まれてきた生命はいない
自分で自分を産むことで生まれる生命なんてない

カサブランカ
生ま ....
気持ちとは揺れて動いて変わるもの変わらぬものはただ君が好き 夕暮れ時に
死体が上がったと
町の漁師たちが言っていた

私はきっと
昼間のあの旅人が
死んだのだろうと
思った

きっと彼は海を見つめて
スケッチブックを開いて描 ....
コカ・コーラの瓶ボトルを
一日一本並べていく
コカ・コーラは好きじゃない
だから中身は飲まないまま
飾っていけてちょうどいい

たまには飲む日もあって
少し飲んだもの
半 ....
そんな愛もあるんだと

証明してやるさ、疾走してやるさ、

モーツァルトみたいに
あたし
火を噴く怪獣なの
ブワーって火を噴くから
みんな逃げる
大袈裟だよ
本気じゃないことわかるでしょう
誰にも危害加えていないし
この火はさみしさで出来ているのに
そうしてまた ....
服を二着
くるくる ほどき
糸に戻す
その指先



糸以外の
指以外の
何物にも ならぬ
その回転



その
細く
白い
無言




 ....
たんぼを適当に切り抜いて、開いた空間に建てたような小学校だった。敷地とたんぼは舗装道路でくぎられていたが、ブロック塀や植え込みで囲われてはいなかった。校舎はカステラのひと切れみたいに呆然とつったって .... いちまいの
空の向こうに
空がある


「まるで心のようだ」

とボクが言う


「もちろん」

とキミは笑う
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