すべてのおすすめ
遠いおとこころの音と聞き違えふと振り返れば下りの電車
陸橋を登らずまわる踏切のむこうにみえるあしたの尻尾
高崎から都心をむすぶ銀の矢の止まらぬちいさな駅にたたずみ
湖にうつる一日なが ....
今畜生と思いながらも正すひげにゃ
生い立ちを考えずともいまだって野良だにゃあ
魚なんて人間が決めた好物だわさ
本当の猫のゆめをみたいよる
ブロック塀も少なくなって歩きづらいにゃ ....
僕らのみている世界が正立像だなんて
根拠のない迷信なのかもしれない
大地は空で重々しく草も生えているし
空は大地で星が涼やかに流れている
僕達は倒立した空の道を車で走り回り
42.1 ....
いつまでたっても電信柱のようにたっています
恋は百万遍すどうりしてほかの誰かをむすんでます
それでもけっこう嬉しかったりするのですが
もうちょっといい脇役にもなりたかったりして
ギ ....
読んだふりして投げ出した恨みも捨てにブックオフ
いまさら人生の意味なんてと言いながら尾崎豊を聴いている
じゃんけんに勝ったら寝るよと言った娘のおそだしのズルを言えなかった夜
恋人にな ....
まるでぱっとしない南のそらの彫刻室座
でもそれは深宇宙への小窓でもあるらしい
かつてない鮮明さの神の領域が
彫刻家の仄暗い室内に展開されてゆく
ひかりと闇の融合が
可視光の色調の変化 ....
とりどりの花散らしゆく街にきみの息づくしるし捜す
トロピカルドレス熱く纏う真夏のひとみと星とヴァンパイアー
ロードムービーからもれるつめたいバーモントの月ちょっと欠け
絶望的に収縮す ....
僕の冷蔵庫ではつぎつぎとものが腐ってゆく
賞味期限は半月前は当たり前野菜は黴としなびで
使い切れないぞ独身奇族
そこで整理もかねて古い野菜をかたっぱしから検閲し
余命少ないあるいはアンチエ ....
ポエケットではなくエアポケット
チケットのない旅を君と
母が亡くなって最期は点滴でも間に合わない
栄養失調のまま昏睡状態で逝った
体格のいい人で骨壷に入りきらずに
納骨の係りの方に
....
めまぐるしく変わるのろーてーしょん
さっきギターかかえてロックンロールやってた
双子のH兄弟は
O嬢と合流してみずみずしいあたらしい恋ものがたり
あたしは遊園地の遠心分離機でぐるぐるの目眩 ....
路地裏の子供たちに混じって
じぶんをせいいっぱい主張するそら君
機関車トーマスが仲間らしい
いつもよだれや涙がいっぱいのそらには
お菓子やいちごやそんないれものもあるんだろうね
そう ....
うちの孤高の戦士はいまベランダでひなたぼっこ
あえて妄想中とは言いますまい
ときどきかれの誇り高きぶた猫の本能が
のねずみやのうさぎの後姿をおもいだすのかもしれない
それとも昔の彼女の寝姿か
....
小磯良平描くところの令嬢である
タイトルは「冬の夜」
昭和29年週間朝日
新春増刊号の表紙であるが
ちなみに当時の値段で一冊70円
先日古本屋で50円だった
花森安治や長谷川町 ....
60年代末のベトナムのジャングルで
月を見上げながらたばこをふかす高校でたての若い兵士
シンプルでストレートでノリのいい曲の背景に
時代の絶望をぶらさげてラジオから流れていたCCR
....
腐ったってがらがらへびなんだよ
抜け殻だなんていわせない
赤外線探知装置のついた最新鋭の進化論さ
きみの白い指のぬくもりなんていらない
金子みすずのお月様なんて絵本の
せかいのデザー ....
この世でいちばん無用なものはなにかというとじぶんなのだが
それでは書き手がいなくなってしまうので
とりあえず駄文を綴れるうちは生かしておこう
いつも思うのだがじぶんを生存的に維持するだけなら ....
夕べ僕はかわいい嫁さんをつかまえるために落とし穴をほっていたが
落ちていたのは中年の酔っ払いだったのでそのまま埋めてしまった
週刊誌の運勢をみたらあまりに悲惨なので世の中を憎んでいた
退屈で ....
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ではなくて
ごめんなさい
せめて日英共同開発のあんぱん機関車トーマス号で
春野を親子で車窓の旅のどかなひととき
まさかこの写真じゃ
お ....
月面に地球がのぼるのを見たことがあるかい
虹彩異色症の奥菜惠ちゃん デビッドボウイ
片目が金目でもう片方が銀目の猫
ちょっとだけちがうものが無数に存在するが
有限個ならば統計学 ....
増毛剤カタログふえても髪増えず
亜麻色の髪の乙女に足踏まれ
夜が来る妻の叱咤の恐ろしさ
おじ散歩犬と一緒に立ち小便
借金のかたに妻をいらないか?
足摺岬とこずれの母思い出 ....
トラックのエレメントとオイル交換をしてもらう
33万キロも大地をかけぬけた偉大なポンコツだ
いきつけのスタンドの早川さんとちょいしもねたジョークで
あいさつして笑いあう
こんな日常もいいか ....
ベイビーこんな雨の日は
ひきずるようなブルースをきくんだ
だから
ともだちになってよ
それとも懐かしい曲で
こころを満たすかい
ベイビー3弦がきれたよ
へやのすみには
弾かない ....
今日もあせをかいて老母と
子供たちと彼女のあしたのかてを用意する
支払いが間に合わないことなんてたいしたことじゃないさ
金星はゆうゆうと太陽面を通過して
菊地直子もつかまった
消費税も上 ....
のみかけのコーヒーにまた水足して待つ午後の日差し
16分音符じゃ足りないと時間まで切り刻むピアノ白い指
白鍵と黒鍵は隣り合わせの不幸だねって笑うきみ
ドアをあけてから遠い時間をあ ....
給料日またもや上がる摩擦係数
柿の種噛みつぶすのは癪の種
イエスノー枕最近イエスも忘れかけ
山の神箱根駅伝速いかもね
ダイエットしてどうするのと言いそびれ
幸せにする ....
コトバは音声と意味を結びつけるしくみの総体である
コトバの本質は意味を伝達する道具
それはぼくの頭の中の愛という概念を体の生理的機能にしたがい
aiという2音素の物理的波動に変換してきみの鼓 ....
病院のベッドに三日間泊まった
聖なる牢獄に三日間も居たんだぜ
すごいことさ
可愛い看護師さんは小首を傾げて言った
何処に居たってあなたの生きる不安は同じでしょ
そう彼女はとても魅力的でセ ....
僕のなかには日常とは違った時間が流れている
それを詩の時間とでも名付けようか
遠いところからやってきた亡くした妹の様に
僕の本当の名前をささやいてくれるもの
日常がすべて散文的だとは限らな ....
空は突き抜ける様に青かったし俺のバイクは相変わらず
走り出すまではやけに重かった
時々はビニールレザーのシートの上に安っぽい天使が
休んで煙草をふかしていたりするのだけれど
それでも自由を愛を ....
僕は病んでる自分を疎ましく思ったり
でもいとおしくもある
診察券にはだいぶ慣れてきたし
人間て病んでて当たり前なのかも知れない
検査着に着替えて腹部CTをとる
さ ....
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