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梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る

新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏

種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
背中が守られている
抱擁でなく
囁きでなく
いつも見えない後ろが
守られて温かい
そんな気がしている

口元が護られている
くちづけでなく
言い付けでなく
冷たい言葉が洩れない ....
不意に訪れる眩暈のなかで
わたしの奥から
声 でも うた でもない 音 がする

無意識に産み落とした空のタマゴは
曇りの日に次々と孵化し
電子の情報に
右脳と神経を肥大させては
 ....
風が雨を含んで
空色は薄墨模様


少し、
あと少しと待っていたら
わたし
咲きそびれたらしい


今から夏を追いかけて
間に合わぬなら


誰に囁くこともなく
この秋雨に
紅を濃くして
きっぱりと ....
時計はもう帰る時間

もう少しと言ってよいのか

帰ろうと言った方がよいのか


曖昧な夕暮れに

曖昧なフタリが戸惑う


飛行機雲がくっきりと

空色を二つに割って

藍が半分
有邑空玖さんの銀猫さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ホウセンカ- 銀猫自由詩26*07-7-28
初夏の背中- 銀猫自由詩19*07-5-23
カラ- 銀猫自由詩11*05-11-15
夏を惜しまず- 銀猫携帯写真+ ...12*05-9-4
飛行機雲- 銀猫携帯写真+ ...13*05-8-21

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