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唐突のようではあるが私の中に歴然としてある、死体観及び廃墟観について述べたいと思う。死体観などと云う言葉はないけれど、詰まり「私にとって死体とは何か」を今ここに記したいのである。

死体は、死んで ....
大阪の下町。
見るからにヤクザといった風体の男二人が、道端をゆっくりとふらふら歩いております。



「兄貴・・・・。兄貴。」
「・・・・なんや、マサ。」
「・・・・・・・・・・兄貴。」 ....
 
  *黒猫と少年


  黒猫のいなくなった部屋で、少年は揺り椅子に腰かけてぼんやりしていた。
  がたん、と二番目の窓が音を立てて、
  黒猫が顔を出した。
 「どこに行っていたの ....
  *手紙


  古びた手紙の束を、抽斗の片隅に見つけた。
  色褪せた切手の上の消印から、
  少年は手紙を受け取った日のことをぼんやりと思い出す。
  その日は朝から雨が降っ ....
  
  *バレリーナ


  古びたオルゴールの蓋を開けると、バレリーナがくるくると踊りだす。
  それから、名前を思い出せない曲がゆっくりと流れ出した。
  黒猫は、もう随分前からくも ....
 
 *三番目

  三番目の窓を開けると、その先には夕暮れの森が広がっている。
  それから机の三番目の抽斗を開けると、
  昨日の夜に見かけることのなかった月が眠っていたりする。
   ....
  
  *鉱石ラジオ


  暇をもてあました少年が、ふと思いついて鉱石ラジオを作った。
  黒猫はそのかたわらで目を細めてその様子を見守っていたが、
  いくらたっても何も聴こえてこな ....
  *三日月


  三日月の晩に、少年がふっと部屋から出て行くことを黒猫は知っている。
  塔の螺旋階段に響く足音が、とん、とん、とん、と続いて、
  てっぺんの窓を開ける音が聞こえて ....
 
  *蝶


  黒猫の気だるい微笑みは、いともたやすく蝶を虜にする。
  その静かに差し出された手の上に、青い翅の蝶がとまる様子を、
  少年は頬杖をついたまま眺めていた。
 「可 ....
 *夜半過ぎに


  夜半過ぎになって、その悲しい報せはもたらされた。
  そっと肩を寄せてきた黒猫が、
 「それは悲しいことだわ」
  と、うわごとのように何度か繰り返した。
  少 ....
いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ ....
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