何かなくして
何かでつながる
あたしたち
あなたのことが
すき
すきってなんだろ
説明できるひと
えらいけどなんかそのまに
何かが変わりそう
何かわからないのが
すき
....
目の前にある一杯のぐい呑みに溢れた
桜政宗の燗酒をぐいと飲み干す
その傍らには酒の肴の赤身のマグロと
今日一日の痼(しこ)り
プルンと小鉢に鎮座して、
それを箸先で舐め
全てを忘れる切 ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい
最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
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初夏の夜
二人公園で夜空を見上げていた
静かに揺れるブランコに二人
並んで座り
揺らしていた
暗い花壇では朱いコスモスが
強い ....
空色の
ポリバケツに
堆積する
首を
寝違えた詩人の
寝違えた詩
綺麗で
あくまで綺麗で
読む気がしないほど綺麗だっ ....
やさしくありたい
でもやさしさって何
あなたのやさしさは十年前の私には届かなかった
星の光のように
遠くからやっと届いたんだ
今そのぬくもりをゆっくり吸い込んだ
もう愛の押し付けは ....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る
用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる
怒りが
駆け出していった方向を
振り返る
自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
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光りと闇
陰と陽は対局でもあり
xyのよう ....
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう
恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう
降り注ぐ光のままに ....
ひかりを見ただけなのに
もう冬でも春でもなくて
春に近い夏に通うようだ
胸が弾かれたようになる
嫉妬や失望の時みたいに
胸が弾かれたようになる
ひかりを見た ....
雨が降る
苔のにおいが舞い上がる
蝉は まだ土の中
終わらない夏を待っている
空が褒める
山は照れる
山の火照りが空全体に広がっていく
朱鷺色レンズが激しく反射し
私は目を細めながら
喉の乾きに気付く
言い伝えでは明日は雨だ
暗く恐ろしい海に
僕の酸素が
消えていくのが見えた
目を光らせて
出口を探しても
見つからないんだ
いつまで此処にいればいい?
どれだけ此処にいればいい?
光はいつ見えるの ....
ゆうひかとおもったら
もうあさひだ
しずかなときが
ここにある
いきている
いまもどこかで
たいようの
ゆめをみてるひとが
瞼を開ける行為さえ億劫な日々
輝かない陽射しは夕暮れ
死にたくなる
全てがこの指の隙間から流れてゆく
あらゆる事柄が退屈で
私の心を埋めるのは絶望と空虚
私に生きている意味を
....
彼女が一生懸命話そうとしているのに
その話すべてを受け入れるほどの体力?元気?こころ?気持ち?がなかった
イラッとして自棄になり破壊したくなるのだった
破壊したらどうなるのか
借金まみれのまま ....
君の目を見て
嘘をついた
その日の夢の中で
君が泣いていて
君も嘘をついていたことを
知った
砂浜になぜか
まるのまま打ち上げられたりんご
いつからあるのか
りんごはなかば透き通っている
食べたらひどくだめそうなのに
僕はそれを舌にのせる
のを逐一 想像する ....
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*
あの日
とおく過ぎ去ったあの日
想い出はいまもあるのかな
あなたの胸に
*
あの日
苦しくなるくらいまで ....
待ちぼうけのカフェで
冷めかけた紅茶をもてあそぶ
スプーンのあてどなさ
間延びしたリビングで
戴き物のゼリーをふるわせる
スプーンの退屈
行きつけのファミレスで
カツとカレー ....
鍵をかけた瞬間に
信号が赤から青に変わり
君への道を進んで行こう
新幹線で2時間っていう
長い距離はあっという間で
「2時間ってすぐなんだ」って
再認識しようよ
「2時間で会 ....
夜空に答えを探すように彷徨い始めた今日
確かめられない視界に今を繋ぐような想い
現実を幻惑に変える月明かり
星達は嘆く 眠らせないように燃やしながら
一瞬の軌跡を感じて指でなぞる
瞳 ....
みんな幸せになれたら
みんな幸せであれたら
きみのまわりだけでも
幸せの定義もかわるくらい
もともとどんな定義だった
分からない?分からない?
みんな幸せに ....
吐き出した溜息が
泡のように昇っていけば
まだ心も晴れただろうに
軽やかに街を吹き抜ける風が
まことしやかな君の噂を
僕の耳元で囁いていく
騙し絵もどきの日常の水路を
予定通り流されながらも
まだ僕はなくした鍵を探している
散り終えた季節に
....
わからないから不安になるんだよね
好きなひとの心うちと
明日の空模様
開けてびっくりでは困るけど
あてにはならない春の天気予報を頼りに
ご機嫌いかがなんて訊ねてみる
わたしから ....
やっぱり静かな夜だけど
うんであげなかった言葉
ころりころり並べる
平凡すぎるとか
当たり前だとか
貼ったレッテルを息ふきかけてはがす
想いがあふれだし
この部屋をうめる
流れ ....
好きだったのは 結い髪のしなやかな流れ
好きだったのは 頬杖の中の虚ろな瞳
好きだったのは 絡み付く癖のある声
好きだったのは 間違いなく貴女だった
好きだったのは 間違いなく ....
君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな
*
おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ
私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んで ....
彼女のショートはとても似合って
桜が咲いて
春の訪れを知った
生まれて初めて
桜の美しさが解らない春があることも
あたしは狂っているから
この呪縛に捕われて
....
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