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最後の猫が死んだ
冬の夜に
耐え切れなかったのだ
冬の孤独に
私は春の真似事をして紙吹雪でとむらう
おまえにみせてやりたかったよ
桜が舞う空を
せめてこの世の美しい絵空事を
....
冬の夜
わたしのうでは母に貸すものと決まっていた
ほどかれたセーターの毛糸の輪を
うでに通してかかげていると
母はそのはしをくるくると巻き取って
毛糸玉を作る
単純な作業は退屈で よく居眠 ....
春に生まれた掌が
今 燃えている
血管に赤い血をめぐらせて
秋の沸点はとても低い
燃え尽きたあと
何もつかめないまま
地に落ちる たったひとつの
例外もなく
執着もなく
燃え ....
わたしのなかに泣き女が棲んでいる
彼女はただ静寂なかなしみだけの世界にいる
声も持たずに泣いている
泣くという行為が彼女の全てであるように
花よ、咲くなと泣いている
花が、咲いたと泣いている ....
引越しの朝は
言い換えれば
旅立ちの朝
窓を開ければ梨畑が広がる小さな部屋であった
季節が巡れば白い花が再び咲くことだろう
春の雪のように
ほんの仮住まいといえ
思い返せば数年の愛着 ....
イナエさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(215)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
絵空事
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そらの珊 ...
自由詩
17
12-11-23
ふゆのうで
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
12-11-16
楓
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
12-11-9
泣き女
-
そらの珊 ...
自由詩
16
12-11-6
つばめよ、つばめ
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
12-11-2
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