駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロッ .... 「笑わなくていいよ」と
店長が言ったので
わたしは笑わなくなった
一本調子で値段を読み上げるだけ

夜のコンビニに、エロ本を買いに来る男を
警戒するようになった
バイト終了時間の待ち伏せ ....
洗濯を干しているときにパンツが見えないように心を尽くす

掃除をしながらついつい言葉について考えてしまい
「いやらしい」と思う

朝の散歩をするおじいちゃんににこやかに大きな声で挨拶をする
 ....
けだものの口からはいつも涎が垂れていて
その臭いは数百メートル先まで届くが
けだものは気づいていない
もちろん
涎が垂れていることに

けだものの体毛は針のように硬く
生えている ....
僕がオモチャの戦車で 戦争ごっこをしてた頃
遠く ベトナムの空で 涙も枯れていた

と歌う真島昌利が俺は好きだ
そしてこのフレーズが好きだ
なので俺はこう書き換えた

僕が分厚いベッドで ....
当たり前だけど
「性格がいい」なんてことや
「思いやりがある」なんてことは
二の次三の次

目の前にズラーっと並ぶ
モデルのお姉ちゃんたち
さあ始まるよ
審査審査オーディション

 ....
静かな夏休みが終わった


波の音や
山の木々の葉ずれの音
動物の鳴き声
テニスボールがぶつかる音
のんびりした鈍行の行く音
渓流のせせらぎ
それからなんだっけ
釣りをしているおじ ....
オーロラの海岸に不時着した
求めるものは
奇妙な星にしかないという
珍しいパンと温かいコーヒー

犬を連れて来て良かった
歩くという不便さも悪くない

もう少ししたらゴムを巻こう
ゴ ....
「なかみはなにでできているの?」
幼い子が私に聞く

着ぐるみに入っている私は
その問いに答える事は出来ない

おしゃべり厳禁とアルバイト規約にあったから

「あなたのなかみはなにでで ....
踏み込めばどこまでも沈む
そんなどろどろの泥沼
汚い水には蟲が湧き
ぬるりとした感触でわたしを包む

ここで根を張り
蛆虫も糞便も全部栄養に変えて吸収し
汚れた大地と腐れた水の上にぽっか ....
朝靄の中
頼りない影を引いて
配達夫は世界の悲報を配るのに忙しい
昨日のキスは二人しか知らないこと

ベットに傾けようとしたとき
「今夜はいや。」と云った君の
声の湿度は僕の鼓膜しか知ら ....
>カムチャツカの若者が
>きりんの夢を見ている時

カムチャッカはロシア極東の海軍と水産業で知られる地域である。
そのようなカムチャッカの若者がなぜ「きりん」の夢を見るのか。
当然ながら ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう


ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと


それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う

 ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指

満たさ ....
 占い師のバラードで混み始める市役所


 1/60億 分母そんなにいらない


 猫おっかけて風になったどうしよう


 「人間」だなんて、もっと軽々しい名詞でいい


 ....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい

わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
「俺って結構まじめなんだよ」
っていう男は多い
ほんとに多い
いったい何が言いたいのか
さっぱりわからない
心の中では
「へえー」と答えてるけど
別に言わない
繁華街のホテルを出た
 ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
よくある職場恋愛で
なんとなく付き合い始めた
きらいではなかったけど
好きかどうかは判らなかった
暇でさびしいから
そういう理由で男女はいくらでも
付き合えるから
慣れてくると
いつも ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
魚が手紙のようなものをくわえたまま
道の真ん中で力尽きているのを
少年は見つけました
水を泳ぐ魚にとって
ポストはあまりに遠かったのでしょう
少年は手紙のようなものを
代わりに投函しました ....
 地下鉄の風に胸の内なぶられて



 食物連鎖 取り残され 独り夕食



 どこも痛まずに爪が伸びてゆく



 今月も産まれない卵を産み落として



 部屋 ....
雨降りの校庭には
死んだ生徒の霊が出るから
連れて行かれないように
傘は深く差して
声を出してはいけない


理科室の前の廊下は
いつにも増して薄暗く
硝子棚の奥で
骨になった ....
今思えば
すべてのことは
半径二キロの輪の中で
起こっていた
その中は
やさしい
繭のなかのように
柔らかくて

はじめて刺繍糸を買いに行った日のこと
鮮やかに覚えてる
刺繍で風 ....
「水、持ってこいよ。」

シンちゃんが言ったから
公園の入り口にある水飲み場まで
バケツを片手にダッシュ
焼けた砂まみれの腕に
午後の陽射しは痛い

水飲み場につくと
犬を連れたおじ ....
時計が遅れたり
進んだりするのを気にする人は
何よりも時間の大切さを
知っている人です
けれど
時計には時計のペースがあることを
忘れないでほしい
など
ホームの水飲み場で
あな ....
 
 
 
 
ポンジュースが出るという噂と、狂おしいほどいつも通りの日々。例えば、そんな愛媛で風景している校庭が、東京の夕暮れの向こうにある。午後、水飲み場で、挨拶は永遠にすれ違っていく。す ....
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