黙ってただ生きる
ということができない

永久に
見つけてもらえないから
暗いさみしい器の底で
発語したがる
別なあたし

世界中でたった一人の
ひとに向かって
そのひとだけに
 ....
光が濁っている 
花粉のように
ここは
朝なのか
もうずっと前 
愛した
あの誰でもない……誰か 
夜の湿り 
かさねた翅 
月の淡い幕に覆われて 
昨夜のことか
精をささげ 
 ....
緩やかな流れに触れたいと想う
雑多なものをすべて洗い晒してしまう水のちからに

ただ流星の軌跡をおいかけて
その先の消滅を想う

ときに走りときに休みときに泣いて
やはり今がいいとおもっ ....
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた

「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽 ....

ビルの間を車で抜ける

慣れた街の裏通り

ちょっとエモーショナルなHOUSEを聴いて
心地よくて人生を忘れる

意識が消える瞬間はいつも素敵

うるさい自我が吹き飛んで
音 ....
通りすぎた時
触れ合った手に
金色の光が見えることがある

それが縁というもので

その光がはっきり見えるようになるのは
手が触れたずっと後の話である

縁があった人の思い出は

 ....
夜の中空に
五月の惑星がある
果実のようにある
そこからぽとりと垂れた雫のように
君が目のまえにあらわれた

などと
君のことを詩に書いてみても
五月の夜気はどこか水のようで
だから ....
喉を鳴らす度に、
耳に響く痛みがある。
痛みには海がある。
耳の背中で、
波音が聴こえる。

鏡がある。
鏡には本当の姿は映らない。
いつもぼやけているこの顔には、
よろこびよりもか ....
   さえずりは無制限に落下して
 漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
 火の羽衣に包み
牡丹 
  ゆるりと爆ぜ
     ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き

いつからだろう
 ....
どうも世の中は愛撫に肯定的ではない
君の乳暈的世界で僕は日夜トレーニングを怠らないが

硬骨魚は自分の砦と離島に棲むのが好きだ
でも女は快感を要求しボンネットが揺れるだけ

柔らかな肉の隙 ....
あなたは、咲こうとしている

――長い間
時に風雨に、身を{ルビ晒=さら}し
時に日向に、身を開き
地中へ…根を張り巡らせて
世界にたった一人の、あなた
という花を咲かせる為に

蕾 ....
な? これは絶望に値するだろう?
その時友人は言った
僕は何も答えられなかった
しかし先生は言った
「希望がなければ
 自分が希望になればいい」
なんという力強い言葉
気休めでも
同情 ....
絞り出される音叉の連動
魂の浅瀬から鏡に映り

響く残響奥底からの木霊
未知なる既知の郷愁に震え

空洞の底から噴き上げる熱
変わらぬ憧憬を未来から招来し

夜の砂漠を間欠的に舞い吹 ....
葉になった記憶を、
私の歯が噛み砕いていく。
じゅわり液体になった思い出たちが、
苦い匂いを響かせて、
鼻孔に絡みつく。
思い出たちは雨になって、
見えない窓にふりそそぐ。

*

 ....
ぽろり 
ぽろぽろ
涙が流れます
お母さん
ぼくは動脈と静脈を断ち切ってしまったはずなのに
涙がぽろりと流れてしまうのです

100%など誰に出来るのでしょうか
それを押し付ける人がい ....
無限に広がる宇宙の中で
夜空に落とした涙を見たい

例えば海に浮かんでいるボトル
或いは僕の得意なクロール

闇に溶けて解らなくなったのは
君と僕を乗せた砂のレール

今はもう動けな ....
ワイシャツの袖から小さな蜘蛛

どこかで難しい事を考えている

道行き庭々の花に見惚れながら

かけらばかり指先をかすめて往く

陽だまりの深宇宙に不快はない

言葉もないからちょ ....
吹き荒れていた強風が止み
静かに雨が
降る

激情は去り
懺悔するように


いまさら遅い


傷つけたものは
けして回復しやしない


けれど
過ぎ去ったものの後に
 ....
哀しみの三丁目で
僕は考えた
なぜ人はこうも苦しみ
憎み合うのだろうかと
しかし人は
愛し合い
慈しみ合うこともできる
先生は言った
「人の前に火を灯せば
 自分の前も明るくなる」
 ....
月曜日
連なるうろこ雲
蟻から見れば雲突く大男が
注がれたばかりの朝を濁す
休日に書き残したカタコト
浴び続けた音の粉末を
明け方の夢の切れ切れと一緒くた
焼却炉みたいに燻らせながら
 ....
指先で、
するすると水面を辿っていく。
水面は指先の森だ。
いくつもの指が、
滑った痕がある。
指紋が重なって枝になる。
いくつもの記憶の羅列が連なり、
あたらしいいのちをつくる。

 ....
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように

買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち

包装紙の隙間から覗いて

微笑ん ....
あんな思い出もあったね
こんな思い出もあったね
中には君を苦しめる思い出も。
荒ぶる記憶は君の心の中を目茶苦茶にし
破壊し尽くした
大丈夫
僕が君を100年守ってあげる
思い出したら僕の ....
わずか数滴
血を受けたグラスのように
鈍く燃える吊り照明の下
やり過ごす唇に 骰子ひとつ

  十一時五十三分発特別急行

待たすより急かすより
テーブルに降りた静謐を挟んで
流れ  ....
孤独はいまも継続中だ
それが常態となってしまえば
たいした痛みも感じないものだ

ときおり非日常にきみがやってくる
それは僅かな恩寵でもあり
かすかな煩悶でもある

きみは花をアレンジ ....
感じるままに生きてやる

言葉も追いつかない

あとあと

説明だらけの人生を

感じるままに生きてやる


説明しなきゃ分かってもらえないような生き方がいい

おれの人生お ....
見慣れない鳥を見た
あとからそれがカササギだと知った
あたまの良い鳥だという
どうりであたまが大きかった
白と黒 翼の青
尾羽はすーっと長い
見栄えのする鳥だ
カササギは落ち着いていて
 ....
あるとき哀しみがやってきて
壁紙を引き剥がし読みかけの
テーブルの上の本を引き裂いてゆく

暗幕で覆われた部屋には夜しかない
そう曠野はいまこのこころに映る風景なのだ

それでも半額のシ ....
陽ざしが注いで
私の庭にも
優しい色の花が咲く

柔らかい雲が
少し動くと
空に向かって
胸を開いていた
白木蓮も
風に 花びらを
はらはら散らす
ヒヤシンスさんのおすすめリスト(2301)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
発色- Lucy自由詩15*16-5-30
ヘビトンボ- ただのみ ...自由詩5*16-5-28
君へ- 梅昆布茶自由詩1416-5-28
不法投棄地帯- ただのみ ...自由詩13*16-5-25
トリップ- ガト自由詩3*16-5-25
- ガト自由詩7*16-5-25
五月の惑星- 塔野夏子自由詩3*16-5-23
耳の背中- あおい満 ...自由詩316-5-22
夢と現の境で瑞々しく花首垂れる者あり- ただのみ ...自由詩10*16-5-21
うつくしいもの- Lucy自由詩15*16-5-21
愛撫へのエチュード- 梅昆布茶自由詩716-5-20
もう一度、蕾から- 服部 剛自由詩516-5-19
希望- 渡辺亘自由詩316-5-19
奥まる意識のその底で- ひだかた ...自由詩716-5-18
窓の足- あおい満 ...自由詩516-5-18
涙の理由- レタス自由詩516-5-18
月と僕と君のアルペジオ- ミナト ...自由詩216-5-18
蜘蛛連れて- ただのみ ...自由詩5*16-5-18
夜の雨- Lucy自由詩11*16-5-17
哀しみの三丁目- 渡辺亘自由詩216-5-16
トゥリャ・トゥリャ- ただのみ ...自由詩7*16-5-14
指先の森- あおい満 ...自由詩5*16-5-13
街角- Lucy自由詩17*16-5-12
無題- 渡辺亘自由詩216-5-12
待つふたり- ただのみ ...自由詩6*16-5-11
孤独の断章〜アレンジメント- 梅昆布茶自由詩1416-5-10
説明だらけの人生を- 吉岡ペペ ...自由詩816-5-9
カササギ- ただのみ ...自由詩8*16-5-8
窓から見える曠野- 梅昆布茶自由詩1416-5-7
五月- Lucy自由詩14*16-5-7

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