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花びらを握りしめた
手のひらをそっとほどく
花びらは蝶になり
夜明け前の赤い空へむかって
円を描きながら飛んでいく
*
指先から聴こえる
川の鼓動をたよりに
目を覚ました足で
鼓 ....
握りしめた手のひらがほどけるときがいつかやってきたら
私は何か大きな憎しみに似た罪を赦せるのだろうかそれと
もまた別の何かを求めて自己を握りしめる旅をはじめるの
だろうか。いつかは私一人にな ....
鏡に映ったあなたの胸のなかに、
黒い竜が宿る。
黒い竜はその心臓のなかで増殖し、
血液の海を泳いでいく。
あなたが誰かと手を繋ぐあるいは、
身体を交わす、
黒い竜は毛穴から汗に混じり、 ....
喉を鳴らす度に、
耳に響く痛みがある。
痛みには海がある。
耳の背中で、
波音が聴こえる。
鏡がある。
鏡には本当の姿は映らない。
いつもぼやけているこの顔には、
よろこびよりもか ....
葉になった記憶を、
私の歯が噛み砕いていく。
じゅわり液体になった思い出たちが、
苦い匂いを響かせて、
鼻孔に絡みつく。
思い出たちは雨になって、
見えない窓にふりそそぐ。
*
....
指先で、
するすると水面を辿っていく。
水面は指先の森だ。
いくつもの指が、
滑った痕がある。
指紋が重なって枝になる。
いくつもの記憶の羅列が連なり、
あたらしいいのちをつくる。
....
思念の淵で息をしている、
私の息づかい。
耳から流れ込む、
目の海の水を、
飲み込んでは吐き繰り返しながら。
呼吸が荒くなる。
海になった私の指から、
あふれてくる思いを、
窓硝子に叩 ....
叫びたい花の襞が、
指先を突き破る。
突き破られた、
指の皮膚から噴き出した、
花の汁が、
タールのように暗い、
色とりどりの世界を描いていく。
傷つけあうことで、
構築された暖か ....
誰にも見えない皮膚に、
がりり、刻印を刻む。
刻む音すらも、
拙いが深いカーブを描いて、
誰にも見えない私の皮膚を
構築していく。
まるで彫刻のように、
私の胸に、
痛々しくも艶やかな ....
あなたは、
私を時に追いかけながら、
しなやかに逃げていく。
あなたを追いながら、
私の目にうつりこむ景色は、
万華鏡のように美しく、
手ぶれた写真のように、
水面の揺れのように艶めいて ....
私が帰る家は、
ここではなくて冬にある。
冬の明け方近くに外に出ると、
街全体が私の家になる、
家には誰も乗っていない
ブランコがあり、
北風に吹かれて揺れている。
私は自販機で温かいコ ....
朝の胎動が谺する、
夜のなかで、
私はゆっくりお湯を飲む。
私のなかだけにしか、
あてはまらない鍵をゆっくりと
舌で転がしながら。
朝を待ちながら、
カプセルに入る。
光の囁きに目をあ ....
指先が触れる。
指先が動く。
私の一日がはじまる。
ことばを書くことは、
身体の一部のようなもの。
私がそっと、
何かの気配や、
匂いを感じただけで、
そこからもう、
物語がはじま ....
あなたが描いた絵を見た瞬間私は気がついた。
私は確かに、
あなたの側にいると。
緑や黄や、青や白で描かれた、
あなたの景色は、
私をいつかいた懐かしいあの場所に
連れていってくれる。
....
冷えた夜に冴えた月を眺めながら、
あなたを思い浮かべる。
私は窓の鏡のなかで、
薄皮を剥いでいく。
あなたの鼓動が私の身体に触れる。
私は刹那に哀しくなる。
歓喜に触れて哀しくなる。
....
あなたには、
打たれた記憶しかなかった。
言葉の手のひらで、
私の頬や背中や足を、
あなたは何度も打ってきた。 ....
切々になった階段が私を呼ぶ。
たった一粒の錠剤が
彼女の声と記憶を切り刻んでしまう。
切りぎざまれた彼女の声と記憶は、
ビニールテープになって、 ....
一本の消えた蝋燭を残して、
あの人は消えた。
残ったものは蝋燭と、
色褪せた指輪たち。
あの人は完全に脱け殻になった。
あの人は完全に写真や切手になった。
私は今を探して ....
ヒヤシンスさんのあおい満月さんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
彼岸花
-
あおい満 ...
自由詩
4
17-8-17
イデア
-
あおい満 ...
自由詩
3
17-8-14
黒い骨
-
あおい満 ...
自由詩
3
16-6-15
耳の背中
-
あおい満 ...
自由詩
2
16-5-22
窓の足
-
あおい満 ...
自由詩
5
16-5-18
指先の森
-
あおい満 ...
自由詩
5*
16-5-13
風景
-
あおい満 ...
自由詩
4
16-4-17
朝
-
あおい満 ...
自由詩
5
16-2-11
花
-
あおい満 ...
自由詩
12*
16-2-8
パッチワーク
-
あおい満 ...
自由詩
5
16-2-7
冬の家
-
あおい満 ...
自由詩
4*
16-2-6
警告
-
あおい満 ...
自由詩
9
16-1-24
物語
-
あおい満 ...
自由詩
8*
16-1-24
巡礼
-
あおい満 ...
自由詩
8
16-1-17
カンヴァス
-
あおい満 ...
自由詩
9*
16-1-14
場所
-
あおい満 ...
自由詩
11*
15-8-22
黄金虫
-
あおい満 ...
自由詩
8*
15-8-19
あの人
-
あおい満 ...
自由詩
4
15-8-14
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