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最期の夜、廃墟は夜空に繋がっている
かつては森であった荒野を貫く
高架の瓦礫の向こうへ
私は痩せた狼のように背筋を伸ばし
吼える
石が落ちてくるように
やがて踞る朝が
....
夕暮れのとあるひとときに
猥雑な風ふと浄化され
街ゆけば影は晴朗に澄みわたり
君の頬に紅の西陽染まりゆく
かつて君は語った
玲瓏な風佇む宵のこと
清澄な空薄く張りつめて
....
ある朝、私(わたくし)は
暗く濡れたアスファルトの坂道を
一人ゆっくりとのぼっていました
両側にはブロック塀
その向こうには常盤木の枝密やかに揺れて
飛び立つ朝の姿が
澄 ....
5月の朝
空に光は形を成し
僕は空を歩く
足跡は新緑の木々に
萌え初めた木の葉に
閉ざされた瞼のような、そのそよぎに
色を変え、心を留め
未来を孕まず
輝く朝の
今を握りしめ ....