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おや
朝の電車に 赤いランドセルふたり
姉妹かな,
ホームに残った母親に 手を振っている
柔らかな両手が動く
声にならない 唇の動きと一緒に
よどんだ空気を切りながら
僕 ....
カスミさん
会うたびに「はじめまして」と言いますね
記憶を保てないあなたは
世俗の煩わしさに悩むこともないのでしょう
私とは違う 栗色の瞳は
何を追っているのでしょうか
カ ....
ギュッとどこかに押し込んだ
ぬるい昔の恋を
こっそり取り出したみたら
まだ賞味期限前
少し苦いけれど
少し酸っぱいけれど
それでも
あの頃の二人が好き
暑さに揺れる街の上 ....
雨がね
連れてくるのは
少し暗いブラウンの街
濡れた街。
若さの絶頂を過ぎた女は
傘をさすのにも
疲れてて
灰色のブラウスの
濡れた肩、濡れた胸。
髪の薄くな ....