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魔女になる
わたしに
閉じ込めたい
たったひとつ
ふれた
あの眼の奥
同じ
死のにおい
きれいな蝶
ひらひら
この指に
殺された
あたなが丁寧に
あたしの髪を解く
そのあとで
手足が繋がる
肌を研くヤスリ
あなたの体は血液が滲む
あたしにはそれがない
人形のまま傍にいる
完成するまで
飼育はつづく
語り尽くせないけれど
日々の糧と健康で
働けることに感謝
こうしているだけで
心責してしまう
お湯を沸かして
お茶にしよう
忘れたりしない
わたしのひたいを
ぬらす、ひかり
なまえをよんで
かしこいねこは
ここでねむる
なまえをおぼえた
つまさきが
やがてとどくまで
わたしのてのひらを
ぬらす、ひかり
鮮やかなる君の記憶、
記憶のなかにある君の
断片、片側の私
私だけが
日々を疲労し
年老いてゆく
電話、指文字
誕生日おめでとう、
好きだよ、
おやすみなさい
うつろをしている
ひきぎわにひとつ
あなたをみたい
とじためくら
かたちをなくした
あなたのこえが
無機質な電子音に
さえぎられて
わたしのなみだごえ
色の無い部屋に響く
きみのはちみついろを
ゆびとくちびるで
しりたかった
あじわうなんてこと
あのひのぼくたちに
できなかったんだ
よるはさびしい
うまれつきだけれど
もうならないでんわ
さよなら
う ....
宵の湖のように
月は私を置き去りにします
波紋をなくして
冷たくなったころ
私を再生しましょう
この肌が赤みを帯びて
名前を紡ぐくちびる
震える睫毛の滴よ
私はあなたを呼びます
たっ ....
目を閉じたまま
息を吐く、
空には
あの日映した星屑
こんなふうにしか
きみにあやまれず
こんなことすら
ひとめをさけて
指先に、星屑
冬のはじまり