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透明な空に
透明な取っ手
空を開けると草原があった
草原を開けると発電所があった
発電所を開けると僕があった
僕を開けると藍色があった
藍色 ....
実りすぎたのだろう
夕暮れ
ぼたぼたと光は落下し
夏の川に
鈍く奏でられる
水は鳴り
子等も響く
夏の川は
ひとつなぎの譜面とな ....
1.社会
職場に社会があり
学校に社会がある
家庭に
託児所に
公園に社会がある
{引用= 夕餉の時間
うつろなサイレンとともに
社会の ....
喋ると
ひとつ減ってしまう
幸せなものは謙虚に黙っている
空の青さも
木々の深みも
動かすと
その分だけこぼれてゆく
私のなかの蝉は
....
そらには大きな口がある
風でくちづけしてくるくせに
無口なところがいとおしい
そらには大きな腕もある
胸いっぱいに星を抱き
ついでに燕をつまめるく ....
はっきりしろ
雲をみているのか
{ルビ理由=わけ}をみているのか
おい
はっきりしろ
おれをみているのか
肋骨をはぎ
{ルビ呼吸=いき}をみて ....
日曜日、
くさかんむりの広がる野原で
ピクニックをする
あなたは適当なところに
持ってきたもんがまえを敷いて
ここに座りましょうという
おべんとうよ、と
....
夏が来て
巨きな足で僕を
やさしく踏みつぶしていった
蟻より小さく
原子よりもっと小さく
僕は
ただの言葉になった
それから南風に運ばれ
....
長く
太い縄があるといい
南中を見計らい
太陽に繋いでくれ
なるたけ
丈夫な縄がいい
僕を
あの光に吊るしてくれ
....
空色の
ポリバケツに
堆積する
首を
寝違えた詩人の
寝違えた詩
綺麗で
あくまで綺麗で
読む気がしないほど綺麗だっ ....
まんまるい
月の照る夜に
凍てた川を跨ぎ
去ってしまった者へ
まんまるい
陽の照る朝に
そこらじゅうの鏡に
閉ざされた思いへ
....
たばこのけむり
あいまいのなか
そっと
てをふるもの
ひかり
ふりつもるゆき
とうめいなゆき
ぼくを
ふちどるもの
ひかり ....
春光に
匂う
息をつめ
畦道をゆく
(ただのいきもの
(ただのいきもの。ここでは。
匂う
緑、
汗、
夢が
....
うつむけば、
いびつな砂利道。
ぼくは陽を背負う
ぼくは染みてゆく影
見あげれば、
ゆらめく電線。
ぼくは見つめる
ぼくは透明なひとみ ....
在ったもの、
在ったこと。
窓のむこう、
ふかく呼吸している、
世界へと笑うこと。それが
ただひとつの望みだった、
きみと会って。
....
休みたいので
コンビニの店員に
すいません
枕とベッド売ってませんか
って聞いたら
申し訳ありませんが品切れです
だと
ふんわりしたいので ....
もしもし、
春になって
やさしい色の花で
世界は染まっていったよ
せつないときには泣いてもいいかい
もしもし、
なんとなく今朝
中川家の漫才を ....
あなたが大きくなったなら
楽器のできない私のかわりに
ギターをきかせてちょうだいな
聴きたい歌なら沢山あるけど
あなたの好きな歌でいいよ
あなたと ....
人の怒り
兎の悲しみ
牛の痛み
マンモスの憂い
ゾウリムシの儚み
蠍の板ばさみ
イソギンチャクの絶望
カワウソの焦燥
蝮の煩悩
ウォンバッ ....
まともな頭でも
まともじゃないことはできる
えらい人でも
えらくないことをしている
みかけにだまされないように。
きたないものを
むしゃむし ....
二人で
ふとんをしこう
最後のニュースが
かなしい話を終えたなら
丁寧に
ふとんをしこう
僕らを責めたてる
光たちにつかれたなら
....
この星は太陽にとっての駅なのだろうか
疑わず
次の便を待っている
何かの手違いで
一日ほど遅延しても文句は言えまい
夜風と目が合った
....
やがて腑分けされてゆく
光と
それ以外と
座っているのか
立っているのか不確かになり
俯くが
皆目わからない
また一つ
....
日が沈むと駅は
生きるものの
蒸れた匂いで一杯になる
人々はそぞろ歩き
鴉が飛んでゆく
何もかもが
草臥れてしまったようで
それでいて
....
朝が降り
からからと
ブリキのバケツを揺らすと
ふいに
言葉がかなしくなって
ぼくはきみの舌に
しずかに鋏をいれた
泣かな ....
きみの
女性器のまえに屈んで
カリリと酸の肉を噛んだ。
淫れ髪から香るは春、
その物語をそっと吸うと
ぼくらの時間はふいに、
反復横跳をはじ ....
かさ重なった
野良犬のむくろに抱かれ、
牛乳を飲んだ。
嘘をつく唇は
ふる震えてる、
蛋白質。
汗が乾いたあとの
つめたさ ....
部屋で
死ぬ
小さな
しろい雨のあと
音、
壁を打ち
忘れ
透明に腐ってゆく
君が
待っていた
空椅子に ....
パラダイス イズ インサイジュー
パラダイス イズ インサイジュー
さあ、マイムマイム、舞え。
心持たぬ人の群れ
王国にいま集え
ビト ....
水から
あふれた水
長い
道をつたって
きみは
こぼれてきた
みずから
あふれたみず
朝は
みじかくていい
....
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