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真昼の空、俄に暗くなり
青い青い地球　巨大に浮かんでいる

凝視しながらわたしは
驚きの余り震えている

存在していることのただ異様

青い青い地球　ぽっかり浮かんでいる



　.... 神は死んだ
もうとっくに
世界は空っぽ
空っぽのまま
秋は進んで
やがて冬が
寒い冬がやって来る

世界が私が在ることの
謎は謎のまま浮き上がり
時は静かに過ぎ去って
でろんとあ　.... 広大なエレベーターホールはのっぺりと
俺はアミューズメントの５Fへ向かう
堕ちていく最上階から
剥き出しの不安を抱え

徘徊する人人人
無表情が近接しざわめき立ち

伝わらない
伝わ　.... ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている 西陽が優しく煌めいて
揺れる影は伸びたり縮んだり
光の庭では子供が跳び跳ね
何かに向かって手を伸ばす
初秋の高い青空に
思いっ切り手を伸ばす

西陽が優しく傾いて
揺れる影は一條の線
　.... 縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで　.... 今日も空は青かった
にこりともせずただ青く
無限の沈黙のうちに
それは在った

今日も私は無力だった
宇宙の虚無に耐えかねて
あなたにあることないこと
喋っていた

今日も黄昏は優　.... 空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる　
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように　.... 変わらず
愛娘と手を繋いで歩いた
川沿いの遊歩道はあり
(愛娘だけ不在となり)
果てなく伸び行く
この年の瀬、
変わらず
私は独り生きて　居て
白い部屋で
晦日を迎える
変わらず
　.... 青、
樹間に揺れ
白い巨鳥、
羽ばたいて
僕は行く
天に呑まれ

光の矢、光の矢！

蒼穹は割れ
漆黒の宇宙が唸っている 遠くの森のザワメキが
木霊するよな透空に
白雲一つ漂って

微睡みの午後に呑まれいく

遠い遠い感覚が
辺りを静かに支配して
わたしはぼんやり日溜まりで
胡座をかいて座っている

　.... 優しいだけの空の青、
広がっている　輝雲は流れ

俺は何処へ行くのだろう？
入退院を繰り返し
燃える紅の冬薔薇に
季節はまた一巡し

優しいだけの空の青、
広がっている　応えはなく
　.... 向かいの家の屋根瓦が
黄金色に照り輝き
高い高い秋晴れに
遊ぶ子供達の声も軽やかだ

一方私は布団のなか
鉛の憂鬱を抱えながら
それでもこの美しい秋日、
天高くから降って来る
青い青　.... 病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵のように残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ

病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の　.... 静かだ
途方もなく
静かだ
一度脱出してしまったからには
後戻りはきかない
ただ僕は境界に立ち
純白の静けさに包まれている

全てが純白に沈んでいく
肉の痛みも魂の痛みも
全て、全　.... 小刻みに震えながら重い足取りで進む俺
どこまでもリアルに灰色に広がる地平が
奇妙な高揚感を誘う
不意に吹き抜ける強風に
踊り出す手足はてんでばらばら
関節の軋む音　辺りに響き
俺は自分が薄　.... 雨降りの夜は哀しいな

悲しい記憶ばかり蘇り
こんなに暗い深夜をすっかり透き通らせ
ミシリとまたミシリと
疼き開いていく胸の響き

心を無数の雨滴が滑り落ち

雨降りの夜は哀しいな
　.... 此処が何処だろうが
誰が誰だろうが
私は私だ
宇宙を横切り
宇宙大に広がり
あらゆる処に点在する
在る処の私だ

人はもはや帰属先への執着を捨てていくだろう
人は自らを異邦人として見　.... 道端で色褪せていく
この盛夏に色褪せていく紫陽花よ
アゲハ蝶がその繊細な触角を動かし
咲き誇った花から花へと優雅に飛び廻る時
あの青々と濡れ光っていたおまえは
早くも凋落の一途を辿っている
　.... 明日は長男の誕生日だ
生きていれば十一歳だ
たぶん生きていると思うが
確かなことは言えない

離婚した妻が家族ごと夜逃げしたのは四年半程前のことだった

離婚するに当たって当時高二だった　.... 曇り空を見ていた
コンビニのベンチで
缶コーヒーを飲みながら

部屋に篭っていると
自らの身体の痛みに
意識が集中してしまうから

近所のコンビニのベンチで
ずっと空を見て座っていた　.... 土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出して
それぞれに違う味覚
食い喰らい喰らい食い
瞑黙ひたすらに
味わい味わい　.... 細かい雨が降り続くなか
最寄り駅前のロータリーに着くと
くるくる廻るビニール傘
黄色い小さな長靴履いた
三歳くらいの女の子が
くりくりまぁるい目をキョロキョロさせ立ち止まっていて
通りかけ　....

山人さんのひだかたけしさんおすすめリスト（113）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
在ること	- ひだかた ...	自由詩	6	20-11-5
空っぽ	- ひだかた ...	自由詩	5	20-10-19
アイスクリーム	- ひだかた ...	自由詩	5	20-10-17
出来事	- ひだかた ...	自由詩	2	20-9-27
光の庭	- ひだかた ...	自由詩	2	20-9-22
童夢	- ひだかた ...	自由詩	13*	20-8-4
今日もまた(改訂)	- ひだかた ...	自由詩	7	20-5-24
空と盲目	- ひだかた ...	自由詩	9	20-4-25
変わらず	- ひだかた ...	自由詩	3+	19-12-29
蒼穹	- ひだかた ...	自由詩	6	19-12-28
透空	- ひだかた ...	自由詩	2	19-12-15
空の青	- ひだかた ...	自由詩	7	19-12-4
この秋日に	- ひだかた ...	自由詩	10	19-11-5
病院の午睡時	- ひだかた ...	自由詩	12*	19-7-10
純白の発信	- ひだかた ...	自由詩	4	17-11-2
現夢〇荒野	- ひだかた ...	自由詩	6	17-10-18
雨降りの夜	- ひだかた ...	自由詩	4	17-9-28
此処という場所〇私という人	- ひだかた ...	自由詩	6*	17-9-14
朝の光景	- ひだかた ...	自由詩	6*	17-7-13
告白〇魂の穴	- ひだかた ...	散文(批評 ...	8	17-5-31
今日の午後	- ひだかた ...	自由詩	10*	17-5-14
底の記憶	- ひだかた ...	自由詩	19*	16-12-19
駅前の雨(改訂)	- ひだかた ...	自由詩	3*	16-6-7

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