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一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする
君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ
私の肺の穴あなから
ミツバ ....
婆様は星を食う
深く皺の刻んだ麒麟のような手を伸ばして
星をとって食う
婆様たちは星を食う
己に尽きかけた希望を
語ろうと
枕のない寝所を少しでも暖めようと
星たちは小さな虫 ....
たくさんのことをやり残した女が
靴も履かずに街へ飛び出してゆく
わずかに握りしめた自分の価値をなげうって
はだしの心がぼろぼろになるまで
一心不乱に走るのをやめない
ほんの少しの不幸に酔 ....