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奥に仕舞い込んでいた未使用の
少し焼けてきた葉書の束
ふと 手に取り
書き始めた文字は
青臭くて齧るとまだ苦い
幾つもの文字を吊るしては
甘くなれと
この一つの息で長く吹き込んだ ....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
青い瞳の中に
沈みかかる方舟
手を振れば
手を振り返す
遥か彼方から
震えた体を
異人の言葉が抱きしめてくる
温め合う心と心
黒い瞳の中から
ありったけのサンキューを
....
振り返ることすら忘れて
あっという間に
時を重ねてきた
不安も愚痴も気にならない
それくらい忙しいって
いいこと?
うん そうかもしれないね
お節介屋さんが たまらずに
{ルビ ....
君の目と太陽が重なりあう時
キツイ日差しを和らげる雲は
すぐそこまで駆けつける
君が一人で地を{ルビ這=は}う時
視界を遮る{ルビ朝靄=あさもや}は
一目散に寝床に帰る
君の手が{ ....
眠りの舟は行き先を天に託す
私は知らぬ間に
川のほとりに
抜け殻を置いて
サラサラと流れる小川を
一人 小舟を漕ぎ始めた
春風に押されて
もの欲しげに
小舟を見下ろす
タンポ ....
遙かぶりだった信濃路
そこはペダルが都会よりも
緩やかに漕げる
遠慮してくれる
夏の日差しが
あなたの気配りよりも優しかった
裏庭の沼に急ぐ鴨の親子は
人間との僅かながらの境界 ....
十二月某日
この地はまだ吐いた息が白くならない
気温はこの時期にしては穏やかである
相反して 福岡の繁華街は喧噪としている
次から次へと
多系統の行き先を掲げた市バスが滑り込み
....
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に{ルビ迸=ほとばし}る
僕は気になる この香りが
逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた
揺れまいと
木の葉が{ルビ頑=か ....
透き通ったグラスに
白く砕けた貝殻を入れる
カラカラと乾いた音が
私の耳を潤す
グラスに耳を当てれば
澄んだ音色が
脳天から足の爪先まで
私の体を支配する
あなたは恥ず ....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば
いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
可能性は宇宙よりも無限
膨張していく宇宙よりも遙か
遙か背中を追って
{ルビ僕等=ぼくら}は{ルビ久遠=くおん}と疾走していく
広大な海原に踊る大星雲
幻でもない想い人たちが
明星より ....
現住所に越して早4年
アシナガバチと共存して早4年
越して一ヶ月目に
換気扇から進入してきた時には
家中大騒ぎだったけど
今では お互いに干渉しない!ってことで
良い距離 ....
茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
ギャラが安いと三文役者が
太陽の尻に銃口を突きつける
ビクつく太陽がしゃがむ
突然の暗転に 頭真っ白の女優が
台詞をスッカリ忘れ
毛染が欲しいと舞台から逃げ出す
ドサクサに紛れて逃 ....
向日葵越しの夏影
此処だけが安らぎの場
強烈な眼差しから
人見知りの私を守ってくれる
大きな体のボディーガード
ライオンの{ルビ鬣=たてがみ}が揺れるたび
あいつが怯える
キ ....
その右の掌 その左の掌 {ルビ杯=さかずき}に似せて
差し伸べてみれば
その酒 その味わい 幸せの恵み
汲めば 掌の溝 幸せが埋まる
あの幸せ{ルビ購=あがな}えば その努力と引換え
喜 ....
団子を肴に酒を呑むなんて
これが{ルビ所謂=いわゆる} 粋なのでしょう
乙ですねとも言うのでしょうか
ここは何でもある{ルビ雨風食堂=あめかぜしょくどう}
脂ぎった店主のオッチャンが
「 ....
一 二さんのsubaru★さんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
残暑見舞い
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subaru★
自由詩
25*
12-8-31
メダカ
-
subaru★
自由詩
18*
12-4-24
サンキュー_ベリーベリーマッチ
-
subaru★
自由詩
18*
12-4-17
回顧
-
subaru★
自由詩
13*
12-4-1
君の知らない所で
-
subaru★
自由詩
15*
12-3-25
午睡
-
subaru★
自由詩
27*
12-1-17
ゆるやかだった夏
-
subaru★
自由詩
15*
11-12-25
「ね」はあげたくない
-
subaru★
自由詩
14*
11-12-5
あすなろ
-
subaru★
自由詩
22*
11-10-31
虚像
-
subaru★
自由詩
18*
11-10-14
いつもの・・・
-
subaru★
自由詩
11*
11-10-11
可能性
-
subaru★
自由詩
15*
11-10-1
秋めいて
-
subaru★
自由詩
15*
11-9-26
はざま
-
subaru★
自由詩
22*
11-9-13
夏芝居
-
subaru★
自由詩
8*
11-8-26
夏影
-
subaru★
自由詩
4*
11-8-26
両手一杯の幸せ
-
subaru★
自由詩
7*
11-6-19
狐と狸
-
subaru★
自由詩
5*
11-5-29
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