目があってコトリと胸の音がして儚い恋の散る散る満ちる
スプーンの凹みがきんと冷えていて/くっついちゃった舌とバニラと
水銀の湧き上がる速度いつもより遅いの、ぜんぜん熱なんてない
「純正のクーベルチュール」を用います。失敗しては、買いに ....
「あなた」
あなたは歩み
わたしに残されたものは
ただの影法師
「ひみつ」
そっと、唱えてみた
遠い昔の
あなたとわたしだけの呪文
「ひとりぼっち」
時が ....
『あのね、お魚さんがかわいそうだから、たべれない』
・・・・はぁ?
なに言ちゃってんの?
仲間と切り離されて、卵も産めないまま
勝手に釣り上げられて、市場でてきとーな値段で売られて ....
ここは
誰もいない森
人間は
入れない森
人間に
荒らされたくない
静かな森なの
ここには
何年
生きても
大人に
ならない人がいる
そう
ここは
楽園なのだ
....
きらきらと
お星様が
光っている
ねぇ
知ってる
流星に
お願いすると
必ず
願いが
かなうんだって
きょうは
何を
お願いしようか
流星に
私は
お願いをし ....
白い指が花びらをちぎる
好き 嫌い 好き 嫌い
痛いのは
細く尖った指と
あなたの眼差し
好き 嫌い 好き 嫌い
怖いのは
冷たく濡れた指と
あなたの思 ....
鳴き雪がきゅっきゅとうたう銀の道、負けじと春の歌くちずさむ。
{引用=「同じ日は二度とこないね。」かさねあうくちびるに降る星状六花}
おとなの恋は
ちょっぴりこどもの恋がうらやましい
なんていうのは、ないしょの話
おもいで
10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって
コンクリートだらけの街並みはいつも ....
沈みゆく 夕日の中の 僕と君 二人のほっぺは ほらりんご色
ひとすじ、の 細道を辿る
わたしの集大成が惜しくも
失恋をしてしまったようで
ドミノ式に崩れ去っていく
ほのずっぱい雨
これは天気予報のいじわる
わたしの真っ赤な靴 ....
今日は
とても
暑い
夜風に
吹かれて
風鈴が鳴る
「チリーン、チリーン」
家の窓につけている
風鈴は
風に
あおられて
くるくる
回っていた
夏も終わろうとして ....
静かの海に来る前に、晴れの海に寄ったんだ
月の海、そうこの大きな穴ぼこ、クレーターは月の内部から湧き出してきた溶岩で覆われている
僕の銀色の船についている小さな窓からのぞいていると
ちょうど灰色 ....
まるで何事もなかったように
日常の分だけとおり過ぎていく
愛情は誰も手にすることができない
静かな凪の海
私をおきざりにしたまま
潮も今は遠く引いている
深海の青のような音楽
三日月が ....
{引用=
薄い陽ときみの寝息にかぶさって さみしいからと手首を噛む朝
ふすふすと眠る横顔、あごのライン、ああもう睫毛が溶けちゃう、溶けちゃう
ふたりして夜行性になった一月 ....
観覧車にのって 赤い空を見つめながら
貴方が『すきだ』といってくれただけで
なぜだか無性に 泣きたくなった
ああ このまま地上につかなければ
ずっとずっと 幸せなのに
庭に咲く
一輪の
紅い花
見ていると
笑っているようだ
人の
優しい
笑顔のようだ
誇らしく
きれいに
咲いている
紅い花を
誰かの
部屋の片隅に
そっと
....
なにより色の付きやすいあなたが
僕より先に 人ごみの中に入って行く
すべては僕の仕業で
そしてあなたのせいにした
あなたは 拒絶することを知らない
それは 罪だ
....
俺には
たくさん
傷跡がある
喧嘩に
明け暮れていた
あの頃は辛かった
辛いとは
わかっていながら
素直に言うことすら
出来なかった
自分で
自分を
あとで
考え ....
悲しみを食べきれなくて
お腹いっぱいで
ほら、涙がひとすじ
わたしらしいわたしは
ほんとはね
わたしだけが知らなかったの
わたしのあなたは
あなたではないかもしれないけれど、
けれど、いい
夢をみました
そう、夢を
あなたにいえない夢を
わたしとの境界線
それを引けないあなたは
自分をプロットできない
エシャレットを植えたのだが
ワケギと見分けがつかなくなった
どうでも
日本の食卓にあがるエシャレットは
ラッキョウに土寄せをして
軟白栽培し若採りしたものらしい
タマネギもペコロス ....
ひとつの言葉は、百のことを伝え
百の言葉は、ひとつのことも伝えない
そんな わたしの言葉
大人なのに
人を
殴ったり
蹴ったりする
人たちがいる
自分が
されたら
どんな
気持ちになるのだろうと
考えることを
否定している
こんな
人たちは
自分の
思い ....
束の間に夢待ちわびて秋の暮
濡れるほど赤く恥らう紅葉かな
落ちるとも飛ぶとも知れず秋の蝶
迷い子の印なるべし残り柿
1 2 3 4 5 6 7