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雨に流された街は、
洗礼を受け
軽妙なステップを踏む猫が
聞き覚えのある昔の歌を
口ずさんでいる
秋はもう病んでしまっていたのです
倒れたショウカセンは、
( どんな英語の綴り ....
臨海線を越えれば
また一つ忘却の朝が 時計仕掛けのようにやってくる
未だ
ためらいのない無残なライトの明かりを車たちは放ち、
散水車の水のはねる音に
まどろみを破られた
わ ....
独立記念日の夜
祝いの祭
星明りの夜空に光の花が舞い散る
願いを集め 放ち
大輪の夢を咲かせる
けたたましい空の鼓動となって
瞬時に消え去る はかなさに
―― 祖国という明日をもとめ ....
あの遠くに見えるのが、
ダウンタウンのビルの群れ
ガラスの建物達が、光りを吸っている
白い家並みが黙っている木々の中
赤煉瓦の屋根は、みなが城と呼ぶ屋敷
尖塔を空に向け
放ち、教会のよ ....
気づきませんでした
知らぬ間に
時を なくしていたのです
one hour ahead
そんなときはきまって
静かに 自分を抱きしめる
そうあることが、あたりまえなら
失うことな ....
光りがこぼれ
海鳴りが、さわがしい
海峡は、もう春の白波をたたえていました
モザイクのような潮の流れに
遠く、
アシカたちの群れる灯台の島は、にぎやかさを増して、
その鳴き声を潮風にの ....
心をいためたり
落胆したり
この時に 生まれてきてしまったのなら
理由があるとしても
違った世を生きることができたら
やってくる未来へ
生まれ変わる
億年の先にする
林檎の香り ....
{ルビ辛夷=コブシ}の白い花が
ほころんでいました
図書館の前の小さな広場に
冬の終わりを 告げるように
けしてそれは、桜のように
春の訪れのあでやかさなどでなく、
可憐な細い花弁 ....
うぶごえをあげた春が、もう
街にすがたをみせる
通りの角から
にぎやか過ぎるその声音が、
あたしを助けにきてくれる
手をひくように
階段をのぼったら
勇気をほんのすこしばかり だして ....