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{画像=110307010254.jpg}
{引用=アカハチ}
 ....
家は深く埋まるように石灰岩の石垣に囲まれている
来襲する猛烈な台風から屋敷を守るため頑丈な
けれどその石垣を越え いや崩しながら
夜な夜な犯しにやってくる 
波がある
生け贄を求める ....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる

岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
掲げた手首に引かれた風コンパスと炎の赤道は喉を掻き切り流れ出す椰子の黄色い核が浮き沈みする痕では半人半霊の拝む太陽の焦点も焦げている瞳孔と溶けるチョコレートの肌に押し寄せる波濤そして火傷するほど疾 .... ハーリーガニ が高らかに鳴り響けば
雨が上がったばかりの濡れた砂利道を
南風にまぎれてサトウキビの匂いをまとう
誰もが浜辺に集まって来る
普段は森の奥に潜んでいる精霊や屋敷神さえ
肩を組 ....
望月

謡うもの。
遥か彼方より天が下まで。降れて。
方位は陽の沈んだ場所より東であり
影から岬の先端まで。
いつか必ず絶えるからこその
願い。
月を枕にし給いて
気の踊り。
 ....
横顔にぴしぴしグマアミグヮー
濡れぼそりながら
私たち家族おまえの骨を探して歩くさぁ
野原道を彷徨うよ
さっきまでね、
青く尖った蘇鉄が生い茂る庭先にいた
玉虫は突き刺されて
空に ....
台湾人がやっている置物屋で買った
誕生石にまつわるブレスレットを腕に巻いていたら
霊能者にさんざん罵倒され
軒下に巣食っていた日除けの蜘蛛
ジリジリ逃げる
堕胎した子を洞穴まで連れて ....
              

真夜中に揺り起こされた
見知らぬ男が側にいた
男は声を潜めて、島を焼く、と短く言った
これから島を焼くのだという
どこへでも好きなところへ逃げろ、そう呟いて ....
         



経糸の波が島に打ち寄せ
砕けた珊瑚の欠片が筬の羽の隙間を通る  
浜は白く織り上げられ
降っては降りてくる日射に
転がる岩岩は奪われた影を慕っていたが
素足 ....
             



淡い夢をみる夜がある
夏休み庭に植えたブーゲンビリアに
いつの間にか背丈を追い越され
生い茂る葉がどれだけ季節を重ねても
記憶は夏しか残らなかった
 ....
彼女は彼を愛していたし、
彼もまた彼女を愛していた。
傍目から見れば完璧な二人だったけれど
どちらも鋭く光る牙を
その身に隠し持っていたから
二人の恋はいつも死闘になった。
顔を逢わせ ....
7日に蛭木の浜に下りていき
ヨガをする。
足の爪先から、踵まで、ゆくりと着地する。
干潮を合図に背中を反らせ、アーチを模る。
オヒルギとメヒルギが
音をひらいて絡み合い
嘆いて赤土を溶 ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した

けれど若者は
十三日の ....
女の面影や身体の柔らかさのことを
夜道を歩きながらぼんやりと思い出そうとしていた

半月に照らされた王都の白い石畳が
南島の短い冬に冷えていた

(あれは、まぼろしではなかったのか)

 ....
君はいつか僕に会えるだろう

人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから

僕も毎日、想っていた

父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を ....
あなたが送ってくれた手紙を読みながら
まだ一度も会ったことのない
あなたの笑顔をかんがえる

そういうときの私は
太陽に向かってノーテンキに咲いている
この島のハイビスカスなのです
弥勒の雨の降り初め
緑青の音階が透きとおった
川はもう
市街地に集合して海に戻りたがっている。
手のひらに(砂の塩)
29℃の残り香が開け放たれた窓を過ぎ、
鉄の雨が降った
クリーム色を ....
くらやみのひかれた丘の上で
私は黙想している
近くに大きな河がある
冷たい風の向こうがわ
乳のように深くて豊かな河が
夜に寄り添うように
よこたわっている

河は今、水かさを増している ....
鉄道都市にある高層ビルディングのてっぺんにて
皇帝ペンギンが一羽
光ったり消えたりしている。
(蛍みたいだ)
西方から見るといくぶん寂しげな東の巨人のなかで
光る皇帝ペンギンは真夜中の迷える ....
友人のパペットは詩人です。
有能な助手である腹話術師は、実はシャーマンです。
もちろん彼は左利き。
そして真白いシーツの手術台にいつも乗せられて
セルロイドの顎をカタカタ鳴らして話しているのが ....
(月を黒い種に、太陽を色彩の影のない輝きの雨にして)

ほんのりと甘い、果物の匂いがした
乾いた風が吹く緑の丘の上から
眼下に広がる果樹園を見下ろす
頭上の雲から誰かに見張られていて
けれ ....
君がオールを漕ぐ
水色の湖にガラス底のボート。
ゆらゆらと
水面に浮かぶ午後の光が
君を映す柔らかな鏡になる。

水中にはいくつも
小さな白い花
手を伸ばして拾いあげる
頬と頬を寄せ ....
人魚が落とした真珠のピアス
水の都の旅人を
沈む陽が遠く海を染めるまで
静かな寂しさに導いてくれる

遠い日の面影だけ映して
消えた貴女を追いかける
黒く塗られた渡し船は
揺れる水面の ....
心はいつも溢れる洪水の岸にあるけれど
この身は独りモロッコの砂丘にある。

鳥が落とした棒切れを拾い上げ
星形の砂漠に
蜘蛛と猿の地上絵を描く。

砂紋を横切るように
てんてんと残 ....
太陽の下で、町には向日葵が咲き乱れていた。

待望の赤ん坊は、女の子だった。
腕のなかに眠る小さな娘をみて
母親は待ち望んだ願いがついに叶えられたことを知った。

夫は、妻である母親を顧み ....
ラッパ鳥のダンス
応える相手のない
悲しい求愛のダンス

ふさがれたふたつの耳孔の奥では
季節のほとんどが熱帯の雨に閉ざされている

光る螺旋を降る
大気は息苦しく湿ったままで
密林 ....
僕は今、月のパルス・エピデミアルム、病の沼に来ている

病の沼なんて、とても不吉な感じの地名だけど。

ここは月ではずいぶん南の地方になる

僕の銀色の船はこの病の沼の北西部、
 ....
気がつくと、俺は漂流していた
大洋のど真ん中に、俺ひとりだった
広い海は恐ろしいほど青く、そして黒かった

小さな板切れに横たわっていた
頼りなく波間に揺られながら
自分が置かれている状況 ....
高梁サトルさんの楽恵さんおすすめリスト(44)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
合作「冬虫夏草」- 楽恵自由詩17+*11-3-7
暁闇- 楽恵自由詩610-12-24
井泉- 楽恵自由詩13*10-10-15
星の航海術(スター・ナヴィゲーション)- 楽恵自由詩910-10-14
爬龍船- 楽恵自由詩8*10-10-12
月と不死- 楽恵自由詩6*10-10-12
洗骨- 楽恵自由詩6*10-9-13
洞穴墓- 楽恵自由詩9*10-9-7
焼島__- 楽恵自由詩8*10-9-7
布晒- 楽恵自由詩17*10-7-16
常夏常世_- 楽恵自由詩8*10-7-16
マングースとハブ- 楽恵自由詩14*10-6-26
マングローブ・ヨガ- 楽恵自由詩9*10-6-26
蝶の廃棄- 楽恵自由詩19*10-5-14
神日和の十三夜- 楽恵自由詩17*10-4-24
手枕- 楽恵自由詩1210-4-18
君の隣に海がある- 楽恵携帯写真+ ...14*10-4-12
スマイル・ハイビスカス- 楽恵携帯写真+ ...7*10-4-11
うりずん- 楽恵自由詩10*10-4-8
メソポタミアの遺丘- 楽恵自由詩15*10-3-17
ペンギンの光- 楽恵自由詩1410-3-13
腹話術師の唇- 楽恵自由詩910-3-11
果樹園- 楽恵自由詩1710-3-9
ガラス底のボート- 楽恵自由詩1410-3-7
ゴンドラ乗りのセレナーデ- 楽恵自由詩1310-3-4
チェビ砂丘- 楽恵自由詩1010-3-3
Mother,_Wife,_Sister,_Daughter- 楽恵自由詩8*10-3-2
セルバの雨- 楽恵自由詩810-3-2
月面航海記(病の沼)- 楽恵自由詩610-2-28
アホウドリの島- 楽恵自由詩810-2-27

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