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口笛を吹いて、絨毯を呼ぶ
輝く絹と金糸で幾何学模様に織られた、翡翠色の絨毯
絨毯は主人である僕のもとにすぐさまやってくる
魔法の絨毯に乗り込むと僕は
月夜の花に埋もれて眠る
君の夢の ....
千夜一夜
回転しながら
浮き沈みするリビドー。
スルタンの青い宮殿の奥深く
幾重もの厚い石壁に隠され
永遠に閉じ込められた
千人の女たちが抱く
太陽の宝石
飽くなき欲動。
薄いヴ ....
まず、声を変える
あー、あー、
自分にとって、いちばん低い声を確かめる。
鏡に向かうと、
バリカンで髪の毛を短く刈り込む
思っていた以上にサッパリとする。
大仕事はこれからなのに
....
青灰色に輝く海岸沿いに
小さな赤い屋根の家が立つ
その家には
ブラウニーの妖精たちが棲んでいる
小さな妖精たちは
茶色のボロ着を身にまとい
いつからかその家に棲みついている
....
私のふたつの乳房は
アムリタの豊饒に満たされている
明けたばかりのこの夜
現世が終焉するその前に
私のアムリタをあなたに飲ませたい
真っ赤な舌をチロチロと動かす毒蛇のように
長い
この腕 ....
傾いた春の海、季節の春分点から誕生したばかりの
太陽を浴びる雨
真珠色に輝く鱗の人魚より、二足の人間に目覚めるための進化の探求
我が子の足跡を追いかけて
夢の境界から、氷の白地に這い出 ....
出勤まえにアイラインを引く
鏡の向こう側で
いつも私の代わりに私を演じてくれているもう一人の私と目が合う
季節外れのプールみたいな彼女の眼球の中央に
黒い硝子の宇宙、
私の魂の出先機 ....
君の直感を信じている
世界でいちばん鋭い君の直感が
僕のアンテナをひっぱり続けている
だから赤色のタワーは日ごと夜ごと
どんどん成長し空に向かって伸び続けている
....
僕の銀色の船は、雨の海を北上し、
目的地の虹の入り江にたどり着いたところだ
虹の入り江は、とても綺麗に湾曲している入り江だ。
ここは本当に美しい月の名所で
地球にいた頃から ....
あなたの頭蓋骨を、かき抱く
この胸に熱く
柔らかな髪に包まれた後頭骨に
私の上腕骨を回して
冷たい額の向こうの前頭骨に、頬骨を寄せる
あなたが考えていることが、私の心に伝わってくる
....
週末、定期的に届く招待状はまるで
光年先の異星からやって来る奇妙な使者のよう
青い光
目視を拒まれた、
太陽と月の錬金術
十六夜の月を鏡に、
くちびるには薄い紅 ....
天空の青はただ、孤独のいろ
神秘の源泉より切り出された青い石は
月の砂漠を揺られ、世界を支える山脈に沈む夕陽を眺め、
地中海を越え、さらに遠い国々に運ばれるためにある
....
白く獰猛な太陽は
月面の果てしない砂(レゴリス)に生命を吸いとられるように沈み
僕の銀色の船は水のない海(マーレ)を
宇宙の闇夜に揺られながらゆっくりと航行する。
僕は今、雨の ....
シスター、魔女たち
「黒い森を、見知らぬ男と女が逃げています。あれたちは、城下の者ではありません」
月光の影(シルエットだけ)
呪われし王の姿、針の雨嵐吹き荒れる棘丘に現す
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