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雨はもうやんでいるのだろうか
プリントアウトしたA4の資料をユキオは読みはじめていた
青灰いろの夕方はユキオが窓に目をやるたびに黒く染まっていった

自分の思考以外なにも聴こえなくなっていた
 ....
あたしたち、地球で死ねるから、しあわせだよ、

ヨシミがユキオの部屋に遊びに来ていた
2時間半かけてヨシミを迎えに行き2時間半かけてヨシミを連れて戻りユキオはヨシミの胸にたくさんの歯型をつけた
 ....
所長最後の日、社長がカタヤマとともに営業所にやって来た
社長はユキオの髪型を見て
おっ、こころを入れ替えてがんばってるんだなあ、
と言って顔をほころばせた
社長と所長とユキオで主要なお客様を回 ....
電車ではなく車で高松に向かった
ユキオは営業所の2階に暮らすことになり営業車を私用車として使うことが許可され実家に帰る際の高速代も会社が持ってくれるとのことだった

営業所の所長はカタヤマがはじ ....
お客様をもっと回れ、6時まで帰ってくるな、という会社の指示通り、ユキオは6時きっかりに帰社した
倉庫をぬけて2階のフロアへの階段をあがりながら、きょうはやけにタバコくせえな、その階段の雰囲気でその日 ....
春の水っぽい匂いがユキオにはなんだか他人事のようだった
グシャグシャにつぶされた空き缶が朝の風に音を立てた
ユキオはそれを視界に入れないようにして会社へと急いだ

いつもより会社の朝はそわそわ ....
きのうの満月を空に探すのを忘れていた

期末が三月なので売上のサキヨミとその検証、P/Lのシミュレーションなどでこんな時間になっていた
クルマから出ると春の夜の匂いがした
涼やかな水っぽい匂い ....
ぼくの偶然にきみがつながる

きみの必然にぼくがつながる

ねえ、だれか、教えてくれよ


行為の河ははんぶんに出来るの?

海ってほんとうに存在してるの?

こんなぼくできみを ....
市の幼稚園、小学校、中学校のこどもたちの絵が集められて

市の美術館に息子たちの絵も飾られている

息子たちにせかされて美術館に出掛けた

じぶんの成果を恥ずかしげもなくひとに披露したくな ....
たとえば小学生のころ

家族遠足でともだちの妹に

オウム小屋の金網に指をいれて見せたのは

ぼくだった

それをまねた彼女は指を失った

たとえば三年まえ

離婚も考えていな ....
女の肉が男に汚されていた

肉の汚れを女が悦ぶたび

女のたましいはより美しさを増した

肉が涙をながす

涙の尖りがひかる

男は女の苦悶を見つめた

このカラクリは迷宮だ
 ....
人工的な空間に

とりのこされるような

ある春のいちにち

人工的な、というのは

花曇りの空もようと

コンクリートの

水を含んだ香りのことなんだが

ある春のいちに ....
墨いろの街道

放たれた欲望は

雨上がりの夜にさえ

涙ながして飛んでゆく

飛んでゆく


好きだけじゃ

足りないみたいだ

このせつなさを

春の切実と名づけ ....
あいつはたぶん
あたしのイキ顔をコレクションしている
でもいい
あいつのためなら
あたしいくらでもエロくなりたい

乳首とクリトリスがとがって痺れて
シーツやあいつの声がふれるたび
あ ....
春に近い

夏に通うころ

なまめく

てらりと

ひかる東京

銭湯をさがして

フーガで

はしる細い直線

民家

町工場

小学校

線路

なまめく

人工のひかり

人工のひかりばかりだ
 ....
あのころあたし失恋したら

生き方までかえなきゃ気がすまなかった

だから名古屋で派遣してやった


カレの親友が好きだった

カレも親友も研究なかまだった

カレに結婚してって ....
雨がつよく太く降ったら

いつのまにか晴れていた

空にはつよくて太い風が

ごうごうごう吹いていた

風土がカミングアウトし

ぼくはここにいるんだよ

たましいは同時のなか ....
社会人になりたてのころ

なぜかノートにはしりがきした言葉

会敵点に飛べ

なにが敵であったのか

具体的なことは思い出せない

具体的なことなんてなかったからこそ

そこへ ....
どこへかと向かっている

未来も生産性もない場所へ

こころやたましいを向かわせながら

家へと向かっている


社会制度とは効率と確率を追ったものだ

そこへと向かっているのだ

生殖器ではとどめを ....
今夜は約束があるからと家をでて

春の夕闇の風をきる

自転車をたいせつに停め

茶のジャンパーのポッケに両手を入れ

小料理屋にはいらんとする六十がらみの男

そんな男においらは ....
入賞で喜んだり

銅で喜んだり

勝負も結果も

一位いがい意味はないというのに

服装がどうだとか

品行がどうだとか

じぶんで選んだ政党を

すぐに応援しなくなったり ....
ストレートなんか

この世にあるんかな

比較的、

ストレートなだけとちがうんかな

比較的ストレートに

いかんことのほうが増えてきたわ


感情をコントロールせな

 ....
荒川静香が金メダルをとったのは

四年まえになるのか

もっとまえのような気がする

CDTVで2003年の、とかあるけれど

あのころのあの季節

なにしててなにを思ってこの世にいたのか

思い出せ ....
体温ほどのとろ火で

もうずっと煮つめ合っている

女はなんどめかの

ケイレンでお腹を震わせていた

男のさきっぽには

涙のような汁がうすくたれている

午後五時半

冬の夕暮れ


いっしょに、 ....
街には朱色の

とげがひとつ刺さり

血には白い

ラインが通っている

じっとしている

ビルディングから

神のふりして見つめている


人を思う顔

食べ物と一 ....
ぼくの大好きなひとはシゴトガデキナイ

ぼくはそれをなんとかしたい

起きている時間の

大半を働いているわけだから

ぼくはそれをなんとかしたかった


せめてふつうに

 ....
遠い海のむこうに

大陸があるということの方が

なにか現実的ではない

たとえ話なのではないだろうか

大陸というとらえかた自体

イメージそのものなのではないだろうか


 ....
花を買う悲しみ

ガーデンハウスにたち寄ると

いつも悲しみにおそわれるのだ

花、

ひとつの記号だ

花を渡す、花を育てる、

花を貰う、花を頼まれる、

花を買う、

ぼくらが花を行為とするとき ....
八重洲口ではなくて丸ノ内側から出た

ああ、なんだか思い出す

丸ノ内のオフィス街を

ぼくらは昔フェラノ内と呼んだ

丸ノ内のOLと付き合うと

平日ランチのあと

ぼくらはその界隈でフェラさせてい ....
風そよぐ

ふとくほどける

表面を

ふっとばして


あらゆる形容詞のなかで

あなただけ残る

ほら、風がわらっている


風そよぐ

ふとくほどける

 ....
窓枠さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(69)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蛇つかいとの交信- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-8
蛇たちの休息- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-7
蛇つかい来たる- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-4
蛇つかいうごく- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
蛇つかいのはじまり- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
蛇つかいたちの行進- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-3
三月の夜- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-3
偶然のにぶんのいち- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-1
不意に- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...10*10-2-28
TSUNAMI- 吉岡ペペ ...自由詩610-2-28
春の迷宮- 吉岡ペペ ...自由詩310-2-28
ある春のいちにち- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-27
春の切実- 吉岡ペペ ...自由詩1910-2-27
じぶんのからだのはずなのに- 吉岡ペペ ...自由詩310-2-26
なまめく- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-2-25
名古屋で派遣- 吉岡ペペ ...自由詩610-2-24
風が雲もよび空もよぶ- 吉岡ペペ ...自由詩410-2-23
会敵点へ飛べ- 吉岡ペペ ...自由詩210-2-23
夕方を車で走るということ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...7*10-2-23
春の夕闇- 吉岡ペペ ...自由詩610-2-22
一位いがい意味はない- 吉岡ペペ ...自由詩410-2-22
ストレート- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-22
痛みを探していた- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...1*10-2-21
仮題心中- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...410-2-21
東京- 吉岡ペペ ...自由詩610-2-21
シゴトガデキナイ- 吉岡ペペ ...自由詩610-2-20
遠い海のむこうに- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-20
花を買う悲しみ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...710-2-20
フェラノ内- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-2-18
風がわらっている- 吉岡ペペ ...自由詩710-2-18

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