すべてのおすすめ
ひとの悲しみを見つめていると
いつのまにか哀しみを見つめていた
その哀しみに耐え切れなくなって
ひとの悲しみにぼくは同苦しはじめる
哀しみを見つめているよりか
あなたの悲 ....
東京にくると
かつて7年住んだとこだからか
いまだに成長してる都市だからか
なんだか照れくさい
いまもいつもそうだ
でも夜になると
ぼくは金魚になって
水槽の色彩に泳ぎだすようだ
友人 ....
そとは雨降り
東京での一日目の仕事が終わった
家賃の高そうな高層ビルの一階で
友人の迎えをぽつねんと待っている
6時にもなっていないのに
新大阪駅は会社員でごったがえしていた
ひとごみの ....
ヨンマタかけていた頃も
当然バレンタインなんかがやってくる
玉石入り混じるそいつを
かくし持っているのも怪しまれるから
安全なチョコは
リビングに無造作においておく
....
星が散らばっている
日中の空虚な明るさが
夜空の星々に統治されている
瓦礫いがい見当たらなかった
それでも人間たちの立てる煙りが
そこかしこからすうっと上がっている
....
ちいさな孤独に
ぼくのこえ、届いていますか
木琴ほどのため息に
ぼくのおおげさ、届いていますか
喜怒哀楽のない宇宙に
きみが見えなくなる魔法、ありますか
ふゆの ....
ケイタイがきゅうに圏外になった
宇宙でなにかが起こっているのだ
いや、宇宙ではいつもなにかが起こっている
おっぱいの写メくれとお願いされている女や
職場のトイレでの自慰を写メで送りつける女や
....
うわきしました浮気しました
だからなんどもわかれましただから何度も別れました
なんども何度も
うわきしました浮気しました
げいのうじんでもあるまいし芸能人でもあるまいし
こいなどしなくても恋 ....
制御をうしなって
ピンクの火しぶきをあげながら
つまらないミサイルが
地を這うようにかけていった
ひとはなにを受け入れ
なにを憎めばよいのか
感情はじぶんのなか ....
頬を耳をそようつのは
春の匂いのする
つめたく湿っけた風だった
ここの空から
あそこの空まで
なんの喜怒哀楽もないようだった
遠い灰色のビル
蛍光灯があか ....
好きなひとに甘えられるとかわいいと思う
ふつうのひとに甘えられると
どうしたらいいのか分からなくなると思う
秋の空ではなかった
つめたい風に春が匂った
頬を耳をそよう ....
中二のとき家出をした
ぼくはすこし複雑な環境にいた
遠い親戚が経営している病院の
ぼくは病室をあてがわれて住んでいた
妹にはその隣があてがわれていた
病院の四階が院長夫婦 ....
春の雨が降る
アスファルトが匂いたつ
雨があがる
すこし唐突に星が散っている
湿気が鼻にかさなっている
風が目のまえを撫でては消える
きのう
エロい夜だっ ....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って
あたりがもうすみれ色になっていた
春にちかい風が吹いた
LEDほどのつめたさが鼻を撫でた
きょうの天気がなんであったのか
わからなくな ....
地球と太陽の
その絶妙な位置関係は
引き合うチカラで出来ている
俺とおまえのそれが
この宇宙の法則のうちにないのは
いったいなぜだろう
俺たちに働いているチカラ ....
夕方はカラスが泣く
夜は犬が泣く
家ではきみが幸せで
家族とスキー旅行の計画をたて
休みには妹とブランチの約束をする
カラスも犬も昔から
ひとりごとなど言わない ....
おうちに帰るまでが遠足だから、って
遠足ってなんだろう
人生とは遠足のようなものだ、
と決めつけてしまうのはダメかな
おうちに帰るとなにが終わるんだろう
遠足か、
....
きみを抱きたい
でもそれはデリケートな問題らしくて
うまくいってない
きみは降水確率0パーセントの晴れの日か
降水確率100パーセントの雨の日にしか出掛けないの
いま ....
月がいやにはんぶんで
藍のそらのそこが白かった
それはやけにぎらついていて
たったひとつの天体のごとだった
放りだされたにんげんは
この世にふたりといなかった
アナルセックスいがい
か ....
あしたからさくら咲くころまで
毎週ゴルフ場にゆくことになってる
ぜんぶ山んなかのコースだから
毎週自然に会いにゆくようなものだ
これから二ヶ月の山の自然の移ろい
季節とは ....
死者の目に
いちにちのうち
なんどかなってしまう
傍観している
肉をもたない霊となって
肉をもたないだけではない
傍観するいがい
なんの術もなくしてしまって
....
朝からスタンバってる
観光地のもの売りたちを
死者の目で見つめていた
こころがつくる霊性もあるだろう
こころがつくる肉というものもあるだろう
そういうものは
昼や夕 ....
こんな日にはかぜも湿気てて
死んでるのに
生きてるみたいなお昼まえだ
さとった訳でもないのに
さいきん
胸にくるようなことがなくなった
こんな日にはふゆもほどけて
日だまりの影を送りた ....
にがつのあさが春にむかう
大連でもはるぴんでも青島でも
死の世界はかんねんてきな世界か
はるたちあがるあすは立春
節分がふゆとはるにき節を分ける
これをしもまた
....
風が春だった
ロカ岬にたったような風の匂いがした
曇り空にはひかりと影の階段があった
幻視にちがいなかった
ショパンの別れの曲が聴こえてきた
幻聴にちがいなかった
....
岬の塔に幽閉されていた
風の声を聴き
海の虚無を見つめ
雲やひかりの階段に
来世への憧れを昇らせていた
塔の内にある肉体が
世界を傍観していた
世界は私と ....
あどけない湿度
風ほどけてそぞろに
空では光や影がであっている
来世への階段を幻視する
遠い空に
春に
屹立せよ風
自殺に憧れるその鼻を
岬のむこう ....
夕日はぼくの月だから
きのう月がうつくしくて
夕日のこと考えてしまってた
月がさんさんと照っていて
それは夕日みたいで
きのう夜はとても満月だった
夕日のこと想って ....
目に見えないあなたを
ぼくはなんどもコピーした
そして
年端もゆかない精神に
ぼくはなんども貼りつけていた
あなたの苦しみや痛みを
ぼくはじぶんのものとしたかった
....
なぜ負けなきゃいけないの
そんなことのほうが
そっちの方がむつかしいことなんて
だって
あたりきのお話しじゃないか
富士や蛙やヤマカガシ
負けることがただしいん ....
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