凛と張った送電線が朝の冷気に共鳴し
スクランブル交差点の信号が一斉に赤になる頃
私は私が私であったことを証明できる
数少ない証言者である。
温んだ泥からガマガエルが顔をだ ....
マリアは涙を流している
階級のなみだ
金属製の胸には革命の歯車が
コチコチと廻る
フリッツラングの見たニューヨークは
セピア色の未来
摩天楼には愚かな文明がのさばって
素朴な世界 ....
いつも否定論とか肯定論が錯綜する
それって当たりまえかも
でもねいつかはいっぽんにしたいの
ありさんとはちさんだってそれぞれにがんばってる
僕達はいつ
昆虫になれるん ....
強い力を持つものは
最初は敬われ
次に怖れられ
そして憎しみの餌食になる
2位じゃ駄目なんですかと言った馬鹿な議員がいた
最初から2位を目指して何かを為す人間なんていない
1位を目指しての2位なら納得もできるし次こそはと想う
だからどんな分野に於いてもプロフェッシ ....
あなたは眼の前で
ひとがひとに殺される所を視たことがありますか
ぼくは一度だけあります
そこはサイゴンの中央広場でした
それは公開処刑でした
若い女性で南軍からベトコンのスパイとして
....
いったいきみはどこにいったんだ
きみはぼくたちに愛想をつかしたのか
ぼくたちの背信に
なにも学ばない愚かなぼくたちに
なぜ消息を絶ったのか
なにも知らせずに消えたきみ
ぼくたち ....
居酒屋にはいると男は
コートを椅子の背にかけ
焼酎と焼いた秋刀魚を頼む
それからラークに火をつけて
深く吸い、
重く吐き出す
カウンターに載せられたテレ ....
首を切断された猫の骸が
もう何匹も発見されている
ニンゲンの仕業
ニンゲンから産まれて
ニンゲンとして生きている
ニンゲンの仕業
猫よ
ネコゴロシに捕まるな
ニンゲンのネコ ....
私は言葉を知らない
豊富な知識も 深い洞察力もない
柔らかな感性も持ってはいない
比喩や隠喩も使いこなせないし
哲学的なことはチンプンカン
コメント書いてもトンチンカン
こんな私に ....
ちょっとすりむけて
血がにじんでて
痛いだろうけど
絆創膏になって
ぺったんって
あなたの人生に
....
銀色の矢が空から墜ちて来るそんな夜
僕は系統樹のほとりに佇んで生命の音を聴いていた
風がちいさく闇を巻き込んで通り過ぎていった
ときはすでに多くを語らず寄り添っているような気がした
....
やさしくもなく平和でもない
あなたの周囲や眼にするもの
耳にするものがそうであるだけに過ぎない
僅かな痛みすら止めて貰えないひとびとが
何十億人もいることをあなたがただ知らないだけだ
比 ....
あ、だから、円環ないし螺旋と三角形の弁証法トリアーデなんだね。微分なんだな。
posted at 04:23:10
同じものはないのか、同じものはないとしか論理によっては捉えられないが、同一性を捉 ....
その日
私は独り鉄棒に腰掛けて
夕日を眺めていたいだけだった
鍵を掛けて体の奥に仕舞っていたはずの
シキュウという箱の中に
エイリアンの胎児が
突如侵入してきたみたいで
ただ不快で気 ....
あなたはいつも雨降りで
子猫みたいに濡れそぼち
そのくせ強く匂わせる
刃物を当てた乳房のように
ぼくの真顔の疑問符も
蒼く滲んでインクのよう
何時のころから遺書めいた
ことば遊び ....
バス停で他の街に逃げだそうと
元気のないジョウジは
襤褸雑巾のように
しわくちゃに俯いて
声を掛けても応えはしない。
大声で奴の名を呼ぶと
親指を立てて
「東京で一稼ぎしてくるぜ」
....
全てのものは
混沌としている
一秒だって止まることはない
絶え間なく
濁りつづけている
ぬかるみに
足をとられたとして
転んでひざをすりむいたとして
傷口がしくしくと傷んだと ....
ひとは知らずに響きをのこしてゆく
希望の響きばかりではないが
きみが生きた証だと信じている
それは言葉の流星群となって
僕の夜に降り注ぐのだ
そして花火のように弾けて燃えつき去っ ....
闇 孕むひとよ
陰 孕むひとよ
涙 孕むひとよ
死 孕むひとよ
愚 孕むひとよ
悪 孕むひとよ
憎 孕むひとよ
あなたたちはいつか敗北する
光 孕むひとに
陽 孕むひとに
....
累々とした屍を乗り越えて生還した父親達
遠く鴉が狙う死にかけた子供の抜け殻
栄養不良の子供たちの細い手を握りしめ
彼らは生きて行くことを決意した。
社会の再建、国家の再建を決意した。
国 ....
ひとつの問いが
私の上に落ちてくる
飛ぶ空を失くした
鳥のように
無数の鳥が
私をめがけて落ちてくる
羽のない
石つぶてのように
私が空へ投げ上げた石
虹色の放物線のむこうか ....
磨ぎ研究を澄ます この頭を傾けずに
切磋卓越魔物
比較ほど死んだものもなかろう ひひひ
真面目に面と向かうお面もリアルさ ひひひ
笑いの壷に油も混ざる そんな卓越魔物切断の清らかな ....
僕たちはなんのためにボブ ディランを
きいてきたのだろう
少なくともこのユダヤ人の歌は
娯楽ではない
でもトークブルースとしては
とても素敵だ
NHKで放映されたドノバンやジョ ....
神様のひとり
もっと愛してあげても
好いんじゃないかな
路地裏の朝顔が綺麗なのは
それに丹精を込めた人の息遣いや想いを
一緒に重ねてしまうから
そういった情緒を
たっぷり吸い込んだ花だから
アパートの洗濯物なんかにそれぞれの家族構成やら
....
四角い団地が建ち並ぶ
その中には四角いドアが並んでいて
ドアの向こうには四角い部屋が連なっているのだが
暮らしているのは どこか
丸みを帯びた人間だ
四角い暮らしに疲れてくると
人は ....
ああ、これは病気でござりましょうか
寒いばかりの夜な夜な、炊くアルミ鍋は
今日も明日も貧しい菜を煮るだけでして
月がでようが、隠れようが
見ているものひとりいないときたら
....
写真は送りあい顔は分かる
逢ったことはもちろんないし
写真以外の表情は知らないけれど
でも毎日二時間前後の電話で聴く声
その距離はほぼ800kmくらいあるだろう
お互いに同じ病いを持って ....
ここからは
通れませんよ
一ミリも
....
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