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ママが呪文を
唱えると
家庭は崩壊
する
3年前のクリスマスの午後
大きなマスクと髭をゆらし
その人は
目尻に波をつくって 私にこういった
おでんはないかね
ありませんが寒いのですか
いや 大根のオレンジ色がなつかしくなっ ....
オレンジ色の光が
揺らいだり翳ったりするのを
目を開けることもなく
ただ感じていた
あなたは
薄い壁越しに私を愛撫する
そのたびに光は翳り
わたしは波に揺られながら
あなたの手 ....
通勤電車でまいにち通りすぎる
田んぼの景色
あぜ道のとちゅうにちょこんとすわって
毎日欠かさずに
電車を見おくる親子の犬がいて
気になって気になって
もよりの駅で降りてみた
当てずっぽう ....
らせん階段をかけのぼり
幻影をつかむ
ジャンプしたら
地上がせまる
一転して、楽園の入り口
静寂を好む脆弱な聖者は
聖書を手に清純な青春をおくる
宙返りした中腰の天使は
....
花びらは散る
散る花びらは積もる
積もる花びら
だれもせかさない
静かな街から
積もることさえ知らない街
散ったとしても
積もる時さえ降らない街
むすんでひらけば
花びらさえ
ここ ....
かわいらしく盛り付けられた
ハンバーグのお肉の正体を
知らないほど子供ではなかったし
ベイビー
花は美しいから散るんだよ
という漫画の台詞を
くりかえし読んでいた
ヤマト ....
気が遠くなるほど
恋をしてしまったとき
いや
言い換えよう
特定の
誰かに
欲情してしまったとき
わざと
自分を
隠す
何処にも
いないかのように
いないところから
....
「羽の無い天使」
高架下に羽の無い天使が立っていた。
そこで住んでいる風だった。
羽の無い天使
と目が合うと
―わたしは人間です―
とわざわざ言った
のがチャンチ ....
はらぺこなぼく達は
いつも何かを食べている
それはご飯粒に限らない
時にメディアから流れ出る
時に2軒隣のスピーカー
はらぺこなぼく達は
道端の石を拾い
それを 空に飛ば ....
うん、あなたがね
果てしなくつづくかのような
この空の向こうに
宇宙が 存在している
それだけは 紛れもない
空と宇宙の境界線まで
サンダルを蹴り上げて
明日の天気を占う
落っこちてく ....
美しい女人の影に隠れ
そっと白い腹を見せる
黒ウサギ
その白い腹は
仰向けにならないと
見えない
黒ウサギも美容には
気を使ってる
化粧水は
高級品を使い
たっぷりつける
....
つむじがふたつある頭を
持ち運びながらぼくは午後を生きはじめる
彼女が泣いていたよ
きみの顔がおもいだせないぼく
きみが縄に手をかけたとき
世界は曇りすぎていたかい
ねえ彼女も彼女とき ....
僕らはいつから座っていたのだろう
小高い丘の公園の白い階段には
砂が混じっていて
何かしゃべってるときでさえ
いつも居心地の悪い摩擦を感じていた
時間が透けて見え ....
夜を一粒切り取って
そらの畑にまきました
僕はじょうろで月光を集め
水の代わりにしてやりました
夜はすくすく育ちます
薄闇の芽が出て蔓が伸び
月光を喜んで吸い取りま ....
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
夜が呼んでいるような気がしたので
誰かが待っているような気がしたので
自転車のかごにウイスキーボトル入れて
僕はさんぽに出たのです
どこか遠いところで
凪いだ海のおなかの中
呼び交わす ....
興味なさ気に
あいづちをうっているけど
僕は じつのところ
キミが
公園の桜のつぼみが
今、どのくらいの大きさで
今、どのくらい開いているかってことを
事細かに 教えてくれるのを ....
のたうちまわる場合
白い布団でなければならない
リンゴは
他人のかじったものを 横に
父の選んだブラインドに
埃が乗っていることは 好ましい
昨日 信号を歩いて
背筋がのびていたのは ....
それは
たとえば
売られていく
ときの
球根の感情に
似て
ぬるい
コーンスープを
飲む
今日の予定
守らなきゃ
ダメ?
いつまでも
終らない
日付
そし ....
きゃらめる 7
ことば
1
とてもさむいあさはやく
よぶこえでめがさめた
もうふにくるまったまま
ずるずる
ゆかをは ....
陽の光がこの世界に顔を出したとき、
僕は思わず、目を覆った。
太陽は嘘をついた。
太陽は嘘をついた。
僕は太陽につばをはいた。
僕は太陽に嫌われた。
....
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