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ほたる、を一つ
いかがです

わずかに手もとが明らむほどの
灯りを欲していませんか



ほそぼそと
消え入りそうな日々でしたらば

懸命に
頑固さを貫きとおす日々でしたら ....
高層窓には

飼い馴らされた
セレモニー



夜毎
あどけない肯定が
滑らかになる

背筋は
かたいまま



柔らかな囲いは
重たくなって

屋上 ....
きみが
見送りつづけたあのバスを
撮ることなんて
出来なかったけど

きみが
待ちつづけた
あのバス停とベンチとを
ぼくは撮ったよ

現像なんかしないけど
捨てたりもしな ....
その夕刻は
果てなく寂しい金色でした

誰か、
いや、何かに
からめとられたような拙さが
その時ばかりは輝いて
どんなに小さな約束ごとでも
あなたにやさしい髪飾りとなって
わたしは長 ....
逃げ道は作るものだからね

そんなことに
労力を費やしたくはないからね
逃げ道づくりはごめんだね

あたしゃ職人には
ならないよ



罪も作るものだね

そりゃあ ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る


わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある

なぜならわたしは
消えていくから


こ ....
月のしずかを詠むほどに

月を
寡黙に封じ込む


 聴きそびれていたかも知れない
 のに

 細い肩には雲をのせ
 風をたよりに
 風さえも
 去り


物云わ ....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で

私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で


果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
紅さし指で
この唇をなぞっておくれ

宵をにぎわす祭りの夜に
提灯ゆらり


光はたぶんに
正しいものだけ捕まえる
ほら
燃える可憐な蛾がひとつ

短命ながらも風情をもって ....
uminekoさんの千波 一也さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ほたる屋- 千波 一 ...自由詩614-8-29
つややかリップ- 千波 一 ...自由詩5*12-12-12
お片づけ- 千波 一 ...自由詩4*11-9-24
獅子座ものがたり- 千波 一 ...自由詩6*10-8-22
絶滅危惧種- 千波 一 ...自由詩4*09-7-16
蠍座カレンダー- 千波 一 ...自由詩8*08-11-10
月歌- 千波 一 ...自由詩28*07-1-12
家路- 千波 一 ...自由詩53*05-7-27
薄灯りはまもなく消える- 千波 一 ...自由詩25*05-7-23

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