ほたる屋
千波 一也


ほたる、を一つ
いかがです

わずかに手もとが明らむほどの
灯りを欲していませんか



ほそぼそと
消え入りそうな日々でしたらば

懸命に
頑固さを貫きとおす日々でしたらば

ほたる、を一つ
いかがです



あなたのために
寄り添うひとはあなた、です

そんなあなた、を
生ましめたひとびとを思い返すため

ささやかな火を



ほたる、を一つ
いかがです

惑うに惑えぬ日々でしたらば

それを
素直にこぼせるように








自由詩 ほたる屋 Copyright 千波 一也 2014-08-29 15:03:58
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