駐車場をながめていた

どこからか猫のなき声が

マーフィを探すように

二人で目を動かしていた

俺は今どこにいるのか

愛人のマンションにいる

そんなこと聞いてない

 ....
ゆふれいは
いると思う?
きいた 君がふいに
消えてしまいそうで
抱き寄せた

僕はいきている?
きいた 君は笑って
僕の胸に顔を埋める

こんな風にずっと僕らは

ゆふれいは ....
真夜中。

ふと眼を覚ます瞬間がある。
見慣れた天井が、
突然偽者めいて僕を吸い込もうとする。
暗闇と静寂の中、
その木目を宙で擬えて、
負けないように息をする。
冷たい空気に、
肺 ....
常連扱いに戸惑うも 茹で上げて
試供されたからには品評しないわけにもゆかない

まだ幟のくすんでいないラーメン屋の
一皿候補としての酒のおつまみ

淡泊な色合いだから
盛りつけの器は黒め ....
古いきりんのゆめをみる夜
鏡の中のわたしと目があう

このおんなのこと
なんにもしらない

フィクションと
ノンフィクションが混じりあい
胸のうちには回遊する人魚




魂の計画なんてものがもしある ....
{引用=
いち



深海のエントランスがここにある(キスは壊れた鍵音がする)


ニセモノをニセモノとして愛しなさい 商店街は長すぎるけど


足元を見ながらいきてくしかなく ....
{引用=夜の階段を下りて
一階はとっくに海に沈んでいったので
その、密やかな貝を避けながら
水の中につま先をいれる

どこまでも透明な
水晶を重ねて束ねて作った
深海は 魚を飲み込む
 ....
私は抱きしめることが出来る
けれど抱きしめられることは出来ないので
ふわふわの背中に顔を埋めて泣いた

涙を吸った毛並みは重くなって冷たくなって
それが悲しくて私は泣いた
ひつじはだんまり ....
きれいごとをいってはだめ
その場しのぎに嘘をついてはだめ
あなたが迷うその振幅は
増幅されて私に伝わるから

靴を履いてあがってはだめ
靴を脱ぎっぱなしにしてはだめ
体はきれいにしておか ....
ふと口からもれた声は
どんな言葉のはじまりでもなく
そのまま枕にどさりと落ちた

わからないのは
今日のことと明日のことだ
そのあいだに佇めない弱さで
布団にたおれこむ
それさえひとり ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
テーブルの上に置かれたマカロンは
食べるのがもったいなくて
子供の頃大切にしていて使えなかった色鉛筆のよう
ピンク、みずいろ、きいろ、きみどり
思い出せる色はぜんぶ淡い

金魚すくい
浴 ....
{引用=
(ポエトリーリーディング:http://www.myspace.com/slymelogue)


こどもをつくろうぼくらはなんて
そんなに強くはなれません
愛する痛みをおしえ ....
吐く息が、
薄く、
うすくなっていって、
きみはぼくが死ぬのだと、
気づいたらしい、
ようやく、
ようやくまぶたを閉じれるようになった、
その頃、
きみのナイフが、
太陽を剥いた ....
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