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青い雨と蛍光灯の光が見える
朝めざめてまだ空いている車中で
ぼくのまだ冷たい鼻を中心に
きょうも世界を考えはじめている
命を使いきることを課していたら
不倫なことはしたくなくなる
どう ....
葬式いろの装飾の
さくらのぼんぼり
きみがなまめいた
生理にせがまれて
おれペニス口紅の
スティックになる
つまらない命いろ
葬式いろの装飾の
さくらの ....
花冷えの雨はやむことがなかった
低い山にガスを這わせて
四分咲きの桜花を辱めて
花冷えの音がやむことはなかった
電車が運んでくれるそのさきに
灰の街が自意識に苛まれて ....
風のなかを歩いている
雑踏とおなじくらい孤独だった
見えないところで会話を重ねた
愛は合法的な欲望だ
許された者たちの欲望だ
性の痛みや快楽とおなじくらい
傍観者が ....
かんかん照りの星空に
ふたりの哀しみ
狂いなく配置されている
ぼくらは模型の街にいるようだ
ふゆの夜が
星粒を散らしている
見上げるたび
眩暈してふらつい ....
髪かわかしたら?
髪かわかしたらメールしますね、って
きみの髪が一万光年の長さだったら
ぼくはもう宇宙にはいないかも知れない
きみに同苦したい
こころからそう思う
一万光年の髪を乾かしてからだね
きみがぼくに手紙をくれるのは
プラネタリウムで待っています
ぼくはきみを待っています
三次会のあと
はなれがたくて
鉄路にふたりツレションをした
メリークリスマス、
メリークリスマス、ミスターローレンス、
アラスカの凍る林で
奇跡たちが
ガシガシと音を立ててい ....
手に入らなかったことは
いつまでも甘美な哀しみでいる
今のじぶんが震えている
手に入ったことなんて
いったいあったのかとも思う
電車に夜がしみている
なかに誰が乗っているのだろう
ア ....
希望は与えられている
悲しみは与えられている
ショパンを練習している
テンポの変わるところが
音がほどけてしまってながれない
おなじところで音もわれる
灰色の街で
....
ふゆの哀しみ
何処につづいている
君の乳房に口づける
石英の香りだ
その暗がりは
ひんやりと音もなく
蛍光灯のあかりだけ
つづいている
すきなだけた ....
贋物の舟をだして
ほんものの海をゆく
実際は泳いでいたのだが
贋物の舟にのってることにした
海をゆくディティールは
泳ぐ者のそれだった
海は偶然にみちていた
....
駐車場をながめていた
どこからか猫のなき声が
マーフィを探すように
二人で目を動かしていた
俺は今どこにいるのか
愛人のマンションにいる
そんなこと聞いてない
....