黒い空に向かって
黒い影になったマンションが伸びる
まだらな光の 中にあるものは
愛だろうか
透けて見える熱をもった空気に
何かを感じ取ろうと目をこらす
しらじらしい光を発してコンビニ ....
探しているものは案外そばにあって
あちこちひっくり返したりしてるその手の
袖口に引っかかっていたりする
最後にきみを見たのはいつだったか
霧がかかったみたいにぼんやりとしているけれど
....
世界の王を殺す旅に出よう。
彼の玉座は誰も知らぬ。
蝿の大隊を導いて
馬鹿の王を殺す旅に出るのだ。
旅の支度を整えよう。
全ての者に別れは済ませたか。
捨てて行く物は決まったか。
....
一瞬の中に永遠があった
女の顔に夕闇があった
わたし
たちは
あえぎ、つぐむ。
怒りの中に悲しみ
嘘の中に真
光の中に闇があった
灰の中に黄金があった
王の中に奴隷がいた ....
{引用=
ぼくの酸素マスクの隠し場所をあんたたちは知らないという日常です
真白な晴空の淵にしがみついている愛着がはやく流れされていけと願う毎日です
アスファルトの裂け目にくるまれている苔の
その淡 ....
流れ星を見た
知らせなきゃっ
<あっ>
テストでいい点とった
誉めてもらおうっ
<あっ>
ふんわりワンピースを衝動買い
気に入るかなっ
&l ....
あんな 最近気づいてんけどな
あたしの胸んとこにな
ちっちゃいお姫さんが住みついてるねん
こないだ
心臓がぴーってやぶけた夜があってんけど
そんときにな
破れ目のむこう ....
金魚はきっと世界を弾丸に替える目を持っているでしょう。
静止しているか光速の平行移動で過ぎ去る世界しか、彼にはわからない。
一心に水を蹴るのは、少しでも世界を動かすため。
動く世界を渇望している ....
未熟な叫び声が
空高くとびあがった
水溜まりから見る景色を
覗いて見たら
小学生の兄弟が仲良さそうに
お揃いの長靴を足並みそろえて
スキップしながら川沿いの道をある ....
寄りかかるように抱擁する
くびすじに鼻をうずめる
匂いがする
人なのか、花なのか
どこに生えればいい
ここに生えてほしいとは、言えない
空白が待ち構える
根を張ったら、そこで何もかも ....
どこかへ行きたい
誰にも会わずに
誰かに会えた気になれる
そういう場所へ
あの娘の気配がまとわりついて
落ち着く場所を失った
電話にもでない
メールの返信もしない
誰にも会いたくない
....
甘い 甘い
甘いお菓子が食べたい。
砂糖だらけの
体に悪そうなお菓子が
ものすごく欲しいんだ。
『自分のこと
もっと大事にしな』って
貴方はそう言うけどさ。
....
貴方がド♪なら
私はミ♪
私がファ♪なら
貴方はラララ♪
素敵な和音
楽しく重ねて
美しいハーモニーを
貴方がド(怒)なら
私はシラ(知らんぷり)
私がファ(不安)なら
貴方は ....
空がとても高かったので
煙草吸いはつい
ぷかりと一服くゆらせてしまった
やわい風に紫煙はゆったりと漂い
久し振りの刺激に脳が軽く目眩う
いたぞあそこだ!
至福の時を切り裂いて声が響いた ....
見たくないという私の叫びが
みたくないよぅ
と小さく響き
カーン
カーン
となにかの外れる音がした
それは世界のずれる音
背負った苦しみはきっともう
なくなっている ....
ニャー。こんにちは。ひなたぼっこ。ぬくぬく。きもちいいね。う
ん。
あれだね、
ねこはまぶたをとじたろう
さらのミルクがこぼれて、ゆかをこくして、いつだって白の記憶がさきに寝る
かたむい ....
くそったれ 嗚咽と掻っ込む飯の味
あかねしたたる夕焼けこやけ
一尺五寸の袖ひるがえし
もみじのみちの落ち葉ふむ
振りからこぼれる緋色の襦袢
肩にながるるその髪の
さんごの櫛のその細工
川辺でうつむきあらう血の
い ....
夜は射す
光で濁った眼に
誰も知らない言葉
ずっと昔から
決まって
、いた
こと
おまえは誰
....
チョコ男爵は
3Kで
のっぽで、高学歴
高収入
ココア姫は
3Bで
美人、美食家で
ボインです。
カカオ王子は
3Aで、英語ぺらぺら
成績オールA
いつもA顔
ミル ....
子供たちを寝かしつけて
朦朧とした頭を抱えて
ただジュースを飲みたいがために
サンダルを突っかけて外に出る
雨上がりの真夜中
起き抜けの身体はまだ夢の中
視界は頼りなげで
僕 ....
進行の遅い病気みたいに
じわじわと夕暮れは迫りくる
真っ赤な空に鳴り響く危険信号
私がどんなにもがいても
「たいよう」は水平線の向こう側に
沈むでしょう
そう決まっているのなら
....
夕暮れが、食らっている
鬼ごっこをする、子供たちの皮膚や、瞳や、臓器を
おいしい、といいながら、食らっている
静かに、厳かに、侵食する その赤い赤い発光体は
未発達なぐちょぐちょを固めてい ....
駐車場のわきに
見知らぬ実のなる木があって
くるりとくれよんで描いたみたいな
小さなきいろい丸いのが
道にいっぱい落ちていた
わたしはつっかけサンダルの
ぴんくのつま先でそれを ....
その摩訶不思議な調べは、
けして妖魔を封じる術の音などではない
草木も眠る丑三の刻にひびく――
あえて眠らぬ者たちへと告げる、
慈・悲・喜・捨の警笛だ
幽かに香水の匂う背広を纏って
俺 ....
静かな湖を見ていると
不意に
あなたを突き落としたくなりました
アナタガ
チュキダカラ!
人形と メールをし合う 人形と
絵画と 踊り明かす 絵画と
入ってる 入ってないと 気のはなし
嘘世界 ま ....
海の仕事に憧れる、
俺は初恋を望みます。
女子高生の、
紺のハイソックスの
それで隠しきれなかった
スカートの下
を
不思議な気持ちで
目線を上げて ....
あなたの遠ざかるうしろ姿
を見つめたまま立ちつくす僕
が遠ざかる曇り空の下
の駅前が遠ざかる
あなたの遠ざかるうしろ姿
を見つめたまま
立ちつくす僕
をう ....
石材屋の看板が光る
とぎ汁を固めたような色だ
熱帯魚みたいにきれいで
とても暗い
郵便受が口を閉ざす
瑞々しく歪んだ切り口
手のひらを右に傾けたら
パンクの修理に屈む男の背が
....
1 2 3 4 5 6