俺は夜道
コンビニからの帰り道
考えごとをしながら歩き
歩きながら考えごとをし
メモを取ろうとふと立ち止まり
ああ手帳は
置いてきたのだったとふと
星のない空を見上げ
生気のない壁を眺 ....
花でありたい。
蝶でありたい。
蜘蛛でありたい。
鳥でありたい。
蝸牛でありたい。
魚でありたい。
貝でありたい。
硝子でありたい。
大樹でありたい ....
絶望を希釈せずに
濃縮還元のまま
飲み干そう
幸福を怖がらずに
摘みたてのまま
舌にころがそう
つまり、こころをひらくということ
あなたと
ほんとうに
つ ....
きょう
夕やけを見ていたら 空が
あかい舌をだした
飛行機にのって
船にのって
汽車にのって
ここまで来たんだよ と彼女はいった
空と海と陸地と
そんなにいろんな乗り物 ....
傘をさした 太陽
ボクの前を 月
真夜中の 道化師
降らすは 色のない雨
流した涙の分だけ
あなたの浮力になればいいのに
空を 静かに
泳ぐ さかなたち
息 ....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
判定窓がニヤリと陰性を示したので
私は軽やかに手を振り
妊娠検査薬をゴミ箱に投げ入れた
奇形の子を孕むつもりはないけれど
薬漬けの身体で抱かれることに
何のためらいもないんだ
不意 ....
極めて小さいムカデが肘置きに隠れていて
散歩よろしく腕の白いところを這い回ってすぐに引っ込む
探しても見つからない陰に隠れてしまっていなくなる
何十本かの足のざわめきが 今か今か ....
つくし等は、地面に並び
風に身をしならせ
世界をすっぽり包む
まあるい空を、仰いでいる。
( 独りだけがこちらを向いて
僕に何かを、云っている )
風の行方をからだ ....
ちぎれちぎれの茜雲のもと
飛びかうトンボの色が
世の中の色を更に朱に染める
桜並木、葉に紅がまざり
隣に流れる大河は
やわらかな日差しを受け
こがね色に輝きながら
音もなく流れる
....
ゆらゆら
日食なんて当たり前のこと全く興味湧かなかった。どうでもいい。
それより毎晩見えるかもしれない星を見ようよ。月を見ようよ。
花の色がぼやけてきた。視力っていつまで持つのかな。 ....
鍵盤楽器の歯を、トン、と、押した一音で、
色とりどりの、
濡れたパステルが溶け出し、
身体の中に流れ出す。
だから、
私は、
死ぬまで生き続けられる。
夏の空 ....
悲しいと思うから
悲しいだけだ
誰かが遠くでそう囁いた
鼻の奥がツーンとして
目の周りがやけどしたみたいに
熱かった
…
何も知らなかった頃のあたしは
プールで ....
秋 という季節は
卑怯だ。
どうしてこんなにも
感性を揺さぶってくるのか。
つきぬけるような金木犀の香りが
カーディガンの隙間を縫う風が
さめざめと降る雨が
その後の ....
この線から出たらダメ
頑張ってよ
って背中をたたく私の右手
何度もうなずき
力なく笑うあなた
一生一緒だけど
この線からは出たらダメ
今は一番お互いをよく知る ....
{引用=「しらねえよ」
「条件はコンドームだけだこれでどうだ」
不倫で良いから抱いてよ、とは言いませんけど、
無料で若い奴とできるんだ、何も都合の悪い事はないでしょう
こち ....
見通しのいい場所で
感じないのは何故だろう
グッバイガール
細い月はハイヒール
運命はやはり
あると思うんだ
遠く遥かなものに
励まされてきた
君は近くのものに
励まされ ....
たすけて、たすけて、ほとけさま
ほとけはやさしい
しんじつの知恵を悟ったもの
ほとけ。
ほとけさま、
わたしはものたりない
のかもしれません
ほとけさま、わたしは、
あいしています ほ ....
細かく、咀嚼されながら
私に必要とされた食べ物は
地下に、ある そして
時に巡っては 流されていくように
塊となって、けれど見た
骨だったのかもしれない、君には
私になっていない石畳に ....
1
この話は
映像も感情も引き出しはしなくて
もしそうなってしまったなら
この話はなかったことにする
2
あなたは
私達と呼ばれることを拒むので
私達ではない
私は
....
いろんな
ガシガシに組みあわさった
知恵のわが
眼のまえにあるけど
なげだすわけじゃなくて
くぐると
自分を打ちつけないで
すむよ
そそろ、そろろ
水分のとんでしなびた
レ ....
わたしとあなたで
せかいを延ばそう
ーーーーーーーーーーーーーーーー(ノバシボウでも構わない)
熱めのおふろ に
つかるとき ちょっと
ドキドキする
そんなかんじ
守ってるいつも ....
そよ かぜ
いらいら ゆらゆら
かぜ
かな しみ
よごれて いたんで
あめ
―あめ
一本松でみたよな
景色を
ここでもなぜか見える気がするよ
一本松でみたような ....
碧いカーテンの中に入って
僕を探して
とクスクス泳ぐ
すいみん
すいみん
君に許した部分が冷たくなる日が
ふと考える
非日常の中の非通知が鳴るみたいに
すいみん
くび ....
ドアを開けた
蚊が飛んできた
トートバッグで叩き落とした
カーペットの上で
蚊
踊っている
くるくる くるくる
楽しそう
ああ
もう飛べぬのだな
まっすぐに
俺の顔面めがけて ....
バケツを持って浜辺に向かい
バケツでそっと盗み出す
目の前に広がる海を
バケツでそっと盗み出す
頭上に浮かんだ夕焼けも
バケツでそっと盗み出す
帰り道の一面の青麦も
バケツでそっと盗み出 ....
ベストオブにんじん色に選ばれた
「おめでとうございます!!!
あなたは、ベストオブにんじん色に選ばれました!!!」
という電話がかかってきたから間違いはない
学校へ行くと友達が
....
この歳になると、リアルに、大抵のことがどーでもよくなる。
いや、たとえば自分内の、円グラフの中の大部分が、
「どーでもよい」
に塗りつぶされるぶん
却って「どーでもよい」の外側にある
「どー ....
恋はだめだ もうだめだ わかっちゃいない もうだめだ
ともかく恋などもうだめだ 恋してみたくなるものか
恋はだめだ もうだめだ 光っちゃいない もうだめだ
恋などきっと もうだめだ 許して ....
飛んでけ 想い
春がくるよ
生暖かい風を君は気持ち悪いと言ったけど
飛んでけ
あたしは好きだよ。
....
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