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斜体
滑空する
地平は沈黙したままの
全くの木蓮
光/グライド
焼けだされる
きれいな、
春を
{ルビ廻輪=くるま}の中で幸せだった
花の匂いがしていた
四方八方が ....
遠い昔
父さんはマネキン
母さんはトルソ
小さかった僕は
マリコ、と
そう呼んでいた
一体のボディがあった
スタンドに立てられた彼女は
母親のくたびれたドレスを着せられて
部屋の ....
嵐のいった後はいつも
いろんなものが電線に引っかかっていて
奇妙な陰だとか
擦り切れた音だとか
さっきまで巻かれていた自由なもの
全部
西日を受けてしなだれている
多分みんなが
風 ....
夏の初めの宴会は
私の手の届かないところで始まる
少し水を含んだ粘膜が柔らかく糸を引き始めて
まだ湧いたばかりの入道の行方を
飛ぶ鳥だけが追いかける事が出来る
遅咲きの妹は去年の春に熟れ ....