夏の

匂い

蚊取り線香の匂い

湿っぽい冷房の匂い

熱くなりすぎた樹脂の匂い

アスファルトに大粒の雨

三回以上したあとの女の匂い

虫たちの

みどりの影
 ....
 光がきみから離れていった夜のはなしをしよう。


「それは煙が濃くなり壁となった夜、
                彼女が川にやってきたあの日のこと。
         (――あ ....
此処までがわたしで
彼処からをあなたとすると
あなたは夢をみるだけ夢から離れると云うことになります
行進する群れの中から
あなたひとりだけが選ばれたと云うことなのでしょう
上へと還る ....
 昼間に鳴いた狼は間違っているのだろうか? ぼくは考えた。 昼間に鳴いた狼は遠吠えなのだろうか? もし遠吠えなら、何故昼間なのだろうか? ぼくは、狼が夜に遠吠えをするものだと思っている。夜、仲間を呼ぶ .... 夢がまた落ちてゆきました
いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます


君には誰も読んだことのない本を読んでほしい
うまれる星の話
海に咲いた永遠の話を
世界中の誰も ....
真っ白な空白を
何かしらで埋めていくのは
それはそれで楽しいが
少し勿体ない気もする

雪の日の最初の一歩のようなものだよね

と微笑む君のキャンバスに
僕が描いていいものか
少し悩 ....
君は暮れ果てた記号の森ふかくで永遠と出逢うだろう


僕は知っている 泳ぐのを止めてしまった魚 そして地獄を
君は目を醒ますことなく星を抱いている 月光を 浴びながら


甘い偽 ....
雲海に月昇る

月はまるで僕等のようだ

月光が僕等に平等に降って

くまなくを満たしていた

僕等はキスを試みたけれど

太陽の下でも出来たこと

雲海に月昇る

月光が ....
わたしは消えてしまった光をのみこんでおちてゆくので
海へとかえってしまう
小さな夢が微笑みながらわたしのほうに歩いてきて
わたしは夢の続きへとはいっていかなくてはならない


(教 ....
宇宙の法則

地上の法則

からくりはきっとある

からくりがきっとある

からくりを探している

この世はからくりでできている

探してどうするのか

どうもしない、好奇 ....
 とくんとくんと 夜空から鼓動が耳に届いた
 とくんとくんと 光の花が咲いては散って
 とくんとくんと 私の胸に花が咲いた





 胸に植えられた花は 夏の思い出をいっぱい抱きし ....
 
 
(もううんざり!!)
 ほらほら、教室から飛び出した鳥、夢のなかの数学の授業で先生が言っていました、「死が我々の隣にないのであれば私たちは消えてしまうしかない!」って。――ねえ、先生、も ....
ふらふら揺れていた 掴まるところが無くなったのだろうか まるで風見鶏のようにとみこうみ





くるくる回っていた 目が回らないのだろうか まるでスケートのように四回転ジャンプ

 ....
通りをまっすぐ行ったところに置かれた忘れ物よりもむこう
右へ右へと使われなくなった線路を歩いていくと役目を終えて眠りについた人形がいます
そこには電車と同じで動かなくなった時にだけ優しくさ ....
夏の光を受けて 
蜘蛛の巣が
ガラス細工のようにきらめき
萎れた蜘蛛が
捕らわれた羽虫のように
ぶらさがっていた

コントレックスで
乾いた喉を潤し
灼けるような暑気に身をまかせ
 ....
今日も月が出ていない

夢の中で迷わないように
照らしてくれる
君がいない

ぼくの願いをいつも黙って聞いてくれる
無口な君だけど
そっとあの子に伝えてくれる
ほんとは気のいいやつな ....
この部屋の光の具合もあるだろうが 其の皮は重く

赤みは幾分黒ずんでいるように見受けられる

産毛のようなものが軸の窪みのあたりに白くうっすらと生えている

以上からしても 其の林檎は若々 ....
朝、晴れた日に空き缶を洗っていると
庭に群生する雑草の命の横溢に圧倒され
水遊びをしながら裸で駆け巡る稚児たちの嬌声に
私の心も浮き立ち
自らの空白を忘れてしまう

先程まで生きていた彼ら ....
やり直したいほど執着した過去なんて今まで特に思い付かない。
それなりに成功もして身の丈にあった幸せも手に入れてる。
不満を持つほど今の時代をよく知りもしないし。
やりたいこともやりたくないことも ....
小岩井祐子さんのおすすめリスト(50)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の- 吉岡ペペ ...自由詩1009-8-2
静かな人へ、- e.mei自由詩1509-7-28
まぼろしの通信- e.mei自由詩3209-7-27
なくことについて- 志賀羽音自由詩209-7-26
流星群- e.mei自由詩1409-7-25
漂白- within自由詩809-7-24
shiki- e.mei自由詩3509-7-22
雲海に月昇る- 吉岡ペペ ...自由詩809-7-22
まごころを君に、- e.mei自由詩2209-7-20
からくり- 吉岡ペペ ...自由詩409-7-19
花火の鼓動- 志賀羽音自由詩109-7-19
AIR- e.mei自由詩2009-7-19
優柔不断- 志賀羽音自由詩409-7-17
真夜中の魚- e.mei自由詩1809-7-16
初夏のコントレックス- within自由詩9*09-7-14
今日も月が出ていない- within自由詩10*09-7-9
真空林檎についての考察- within自由詩6*09-6-30
夏の陰- within自由詩7*09-6-24
[タイムマシン]- 東雲 李 ...自由詩1*09-3-29

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