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もう旅はしたくない、と思った


サンクチュアリ
蓮のかおりがすこし漂っている


誰かがさしのべる手のひらは
あたえられる権利のように
まぶしく見える


でも ....
その日の朝はうすくかなしい匂いがしていた
すがすがしいの意味を考えていた
不安なような
もはや何もかもどうでもいいような
けれど水を飲まなければいけない気がして
うすぐらいキッチンで ....
わたしたち
沸点が似ているけれど
ほんとうに少しだけ
わたしの方が低いから
こんな陽気な日は先に
蒸発し始めるのです
耳の中がゆだちはじめると
あなたがまだ穏やかに器のなかにくつろい ....
雪が音を吸い
うたに意味だけがのこる
だから冬は
うたわない、と
歌手たちは言った


うたのなかのことば
ことばのなかのうた
かれらが一人
また一人
重い罪を負わされて ....
海底にある火力発電の炉が美しい
くらい水の奥から透過する火のゆらぎ


きみらは
新しい土地のように、町をあるく
若い者はみな都市にでてゆき
老人ばかりが残っていることを
恥ず ....
わたしたちは
ときおり修復のために
巡礼のような旅に出る
みちみち
ゆるやかに回復するからだ

からだの奥に
水も声もたましいも
灯らない場所がある

樹脂の血
樹脂の精 ....
イン・ザ・マネー


いい漁場にたどり着いた気分だ


ここにいると
遠くの人の焦りや志が
入り交じるのが見える


岸辺で昨日
本を読み終えた
航海術は体得するもの ....
みどりの中の
しずかな牧場で
たくさんの友だちと
新しい方程式を
解いていた
ひづめやくちびるで
数値の軌跡を
なでてあそぶ
そのなめらかなラインをたどると
彼の口のなかに入 ....
わたしにも速度がある
誰にでもあるというからには
あるに違いない


とても遅い


祖母たちの
三度目の転生にすら
追い抜かれる


巨樹のさかえた森の
最後のらく葉 ....
mizunomadokaさんの遙洋さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
棲息区域- 遙洋自由詩2*16-9-28
ある朝- 遙洋自由詩2*16-7-13
ファイン- 遙洋自由詩8*15-3-20
降雪のとき- 遙洋自由詩1*15-1-8
恒久過疎地域- 遙洋自由詩3*14-11-30
レプリカ- 遙洋自由詩2*14-11-11
- 遙洋自由詩2*14-10-30
うらない- 遙洋自由詩9*14-10-10
菌類の先端- 遙洋自由詩6*14-6-7

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