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惑星をつなぐ鉄道の中継地
真空チューブが
弦のように延びている

定刻をすぎても宇宙嵐で
発車の目処はない

電気石で火をつけて
炭素を吸う

外壁で散るホログラムの桜


 ....
祖母の喫茶店では
スティックコーヒーを客に出す
食事のメニューは
近くのベトナム料理店のものだし
自慢の紅茶はどこか酸っぱい
ゲートボール日の店番は私
お客さんは足の悪い染吉さんだけ

 ....
外ではもう
クリスマスの鐘が鳴ってる

結婚したら新居を建てよう、と言われて
戸惑ってる

この世の中にあるもので
あなたの持ち物はあなただけよと
育てられて
まだそれを信じてる
 ....
一面の海。一面の空
波の飛沫のとどかない中空の城

折れた七節を
秘密の糸で縫って
生き返ったと
誇らしげなきみに
魂について説く

きみより多くを知る道理はあっても
深く ....
砂の降り積もる
廃墟手前の町

狂ったオオカミが
猫を育ててる

いつも舌を噛むから
血だらけで笑った

いよいよとなったら
この世をみんなお食べ
太陽から逃げ
砂漠に夜が満ちる

疲れて眠る黒髪を
オアシスの女たちが
優しく梳き解いていく

男たちは横になったまま
闇を見つめて
その音を聞く

唇に夜気がふれ
女たちの頬 ....
逆巻き川に架けられた橋は
何度も落とされて
現在は意匠もない

上る魚も流れのせいで
脂が落ちて旨くない

星の落下点からそう遠くない
この村は
深い霧が名物で
名うての狩人たちが ....
誰も住んでない荒れた庭の
梅の木の下にしゃがんで実を拾った
洗ってヘタをとって凍らせて
たっぷり一年梅づくしだった

味をしめた私たちは
今年も荒れた軒先に座って
梅の実が落ちるのを待っ ....
明日は嘘しかつかないぞと決めて
枕を抱いた
会社を休んで無人島に行った
波が話しかけてきて椰子の実をくれた
「人と話すのはひさしぶりなんだ」
生まれてから死ぬまでを考えれば
そんな日があっ ....
ミニバンをドライブインに停めた
好きなものを食べなさいと言った
電話してくるからと席を離れ
子供たちを捨てて逃げた

ドアを閉めると大きな音がした
ハンドルを握る手が震えた
もっと離れた ....
7

列車は一時間遅れで駅に着いた
駅員に辻馬車の手配を頼む

行き先を告げると
あのお屋敷にはもう誰も住んでおりませんが
と御者が問うので

私は構わないと頷き
門の所までで良い ....
ないものを
あることにする

あるものを
ないことにする

私たち姉妹は嘘つきだった

なんでも切れるナイフのように
いつも嘘を手に持っていた姉

風船のように嘘をつき続ける私
 ....
寺院で騒ぎがあったらしい
昨日から兄貴が帰ってこない

女を手引きするだけの簡単な仕事だと
銃を置いたまま出ていった

雨が上がった裏庭で
濡れた望遠鏡が星を落としてる

対岸を覗く ....
早すぎた春の収容所
鉄格子が霧雨に濡れている
彼らの髪を切るのが
仕事だった
私を分解していくと最小単位になる
例えば指先で
それは今も起こってる

人間の淡い輪郭

手をつなげば数千兆の電子が移動する
入り口にニトロを仕掛けた

砦の外は大嵐で
外海に押し寄せてる筈の
船影も見えない

幾千という人を殺めて
旗を掲げてきた

最後まで戦うべきなのか

閉ざした扉の掛け金

 ....
Happy Endの予感がして
ここで命が終わればいいのにと思った

だけど口では
このままときがとまればいいのにね、と
遠慮がちに言った
本の中で、死んだ者はここに流されてくる
happy-endもbad-endも等しく

作業員達は
本棚の黴びた本を種火にして
廃材に火をつけていった

本が体を温める

文字を読める ....
黒い芍薬
苺をつつく鴉たち
燃え草の茂みから南瓜が芽を出している

型枠だけ残した山村
川底の割れた舗装
空の色を変え、夏草を呼ぶように
降り始める雨
涙を見つけた
雨水と一緒に瓶に詰め
海に流した
ずっとそうしてきた
手紙のように

斜め向かいの窓を
望遠鏡でずっと見ていた
忘れぬように
逃げてしまわぬように

けれど
私が ....
防波堤に待雪草が咲いていた
みぞれまじりの波風の下
錆びた自転車をとめて
老人が釣り糸を垂れている

釣れなければいい
そんな素振りでリールを巻き
また投げる

そして海に沈んで ....
マルチバースのビッグバンが重なって
わたしたちは消える

一瞬だけ
消える先が見える

光が影になってる
それから、それから
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