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どっしりしたコート、赤いくちべに、空いてる電車、缶コーヒー。
師走、指をひらいて夜をあるく。ほとんどこわくないよって顔をして(あるいはほとんどなんにも知らないよって顔)。種、草、蔓、実、届く(届 ....
きみの眼が 夕映えて
あかく 冷えていく
ぼくは
せつない気持を刈り取って束ねながら
近づいてくる 死の
穏やかさを
度々 おもう
日々の傾き
わたしたちは
あかくなる木々にもおびえて
言葉のすき間に
場所をもとめた

磨りがらすのように
ざらついた気持で
いっさい誰のものにもならない
なにひとつ手にもたない ....
おはようと さよならと
犬の鳴きごえ 耳の色
右手のかたち 指のおと

この世界を忘れるために
規則ただしく生活をして
この世界を忘れるために
夢中で愛や夢をして
おはようと さよ ....
輪郭のない夜がわたしたちを丸ごと置き去り
白紙のうえで迎える今日
枕に触れ 頬に触れ 壁紙に触れ プラスチックに触れ
でもこの世界に触れることができない

淋しさがわたしの中にあるのか
 ....
冬がきて、わたしはむすめに、ハムの切り方や三つあみの仕方を教えるのだ。花や色の名前、鍵盤のおさえ方も。こまかいビーズや紐のきれはしで満ちていく部屋。冬はきて、みんな老いる。ほんとうに世界は存在しな .... 十匹めの
熊を抱いて眠る
波寄せて ひいていく
ながい一瞬に

あらゆるものを天秤にかけ
そして
壊しました

抱いたまま ゆきます
壊れながら
熊たちの なき声を
眠りに ....
烈々と熟した夢の桃に似た 滴る目線を振り払う夜

うす昏い部屋には蜘蛛が住んでいて あるはずのない夢等を喰う
鉢植かってすぐ枯らす
屋台の金魚すくっては死なせるみたいなりぼん型につくられて売ってある帯の醜さ!
提灯の影のいちばんうすいとこめがけて投げたみずふうせん
いつまでもごむのにおいが掌にのこっ ....
あなたの
爪をきってやるの
忘れていた

過去がひとつづきだと
まるで信じがたい
新品の朝

お湯はいつもどおり
湧くけれども
忘れながら
愛すと決めたのに
髪は伸びる ....
ため息はこぼれるまえにのみ込まれ
地下鉄の風はまぼろしを吸い込んでしまう
それはここにあるのに
なぜ世界をみようともしないの?
スープ皿のふちにしがみついている言葉
噛み砕いておいてはき ....
2番目の
ドアをあけると空だった
367番目のドアには
夜明けがはいってた
だんだんちからが抜けていく
この世界にいてもいいとわかったのは
だんだんわたしがいなくなってきたからだ

 ....
みんな炭酸
ぷちぷち空気にまざる
月曜にあけたサイダーが
木曜には甘い水になって
やすらかに
わたしたちは消えていく
みんな炭酸
春、また
海のない街で
想いで腫れた胸のうちはまだ
ことばにならない

ばらが枯れ あじさいが枯れ
百合が枯れ 菊の花が枯れ
それでもまた 蕾がふくらむ
風が行き 雨が落ち
 ....
夜は来て
わたしたちは眠った

愛と またべつの愛とのへだたりや
手が届きそうな不幸
甘いざわめきと
ぺかぺかの看板


星の位置がちがう、
と起き出した
あなたの
頬が氷 ....
さくらの花びらのみしりとひらくときの
衣擦れみたいなわずかな音をたべる春待ちたちはやさしい
わきあがるように生まれては こすれるみたいに消えていく

意味のないやさしさはごちそうだ
生温 ....
宝籤はもうすぐ二歳になる。相変わらず尻尾の先をわずかに白く染めているかわいい黒犬。でも、もう自分の手足を持てあましたようなちぐはぐな動きは消えてしまった。暑い日、賢い番犬よろしくブロックのうえに身 .... 朝は鞄の金具ががちゃがちゃ鳴ってやってくる
冬眠したい放し飼いの蝶蝶

いつのまにか朝をしなくてもよくなった
ただ露をながめ
ひやりを舐める
ついきのうまで往来を洗う私だったのが
い ....
出ていかなければならない
と知っている
部屋は
あなたとあなたでないものでできている
このまま朝は終わらずに
言葉もひとつも終わらずに
開かれなかった小説
届けられなかった手紙
呼ばれ ....
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら

わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった

朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
ひかりがあふれすぎて
窓が溶けている
高速道路のインター、
群れ、群れ、群れ、群れ

むこうのほうに少し風が吹いているのが見える。

川沿い、
はんたい側には
ささやかな川
流 ....
新宿でギターをひいている人の声が聞こえたらそれは生きていたくないっていう歌だったから早くそうすればいいと思う。雑踏がごくごく喉ならしながら意思を飲み込んでいくので喧噪が終わらないんだよ。データを集 .... 死にたい日に
いちばんすきな靴したを履いて
興味のないパーティーへでかける

足首に
ほそいロザリオをつけた男に抱かれたら
こころとからだがはぐれた

音が鳴っていて
とても静か ....
ケーキを食べたのは
ケーキを食べている女の子になりたかったから

ケーキが食べたかったわけじゃない
ケーキを食べている女の子になりたかった
錆ついた猫

道路の脇で死んでいる

朝も
夜も
冬も
春も
黒も
白も
雨も
夢も
涙も

なにものも
この猫を
侵略しない
目を閉じると
とても美しい一艘の舟があって
遠くまで来たことを知る

あなたを欲しがることと
あなたとの時間を欲することが
べつものであることも
もう知っている

舫われるべき岸辺に ....
ため息のなかで
耳鳴りのなかで
朦朧とした意識のなかで
ぼんやりといつもあなたが浮かんでいる
たとえば
犬とか猫でもよかったけれど
いまわたしたちは
人間どうしだね

ちょうどおなじ加減で
人間どうしだね
夜と似た静寂をまちわびている 恋情の背にふる初雪よ


夢の続きをなぞるように傾いて空白のつめたさに日がさす


からからの空気のなかにいきものが 二人そろって息を殺して
mizunomadokaさんのはるなさんおすすめリスト(62)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メモ- はるな散文(批評 ...318-12-29
ゆうばえ- はるな自由詩318-12-25
磨りがらす- はるな自由詩318-12-22
右手の、- はるな自由詩418-12-21
輪郭- はるな自由詩518-12-9
ただなか- はるな散文(批評 ...218-12-7
熊を抱いて眠る- はるな自由詩13+18-11-14
滴る- はるな短歌318-8-5
おまつり- はるな自由詩218-7-21
凡庸な- はるな自由詩518-7-13
ナプキンたち- はるな自由詩218-6-26
炭酸2- はるな自由詩518-6-21
炭酸- はるな自由詩618-6-21
- はるな自由詩1218-3-17
星の位置- はるな自由詩517-12-24
春待ち- はるな自由詩417-4-1
まなざしのこと- はるな散文(批評 ...514-8-7
朝の金具- はるな自由詩613-11-19
水をかためる- はるな自由詩1013-9-26
谷底- はるな自由詩812-7-27
- はるな自由詩412-7-27
はめごろし- はるな自由詩412-7-19
AM1:16- はるな自由詩312-5-31
はぐれる- はるな自由詩1012-5-24
イメージ- はるな自由詩411-5-20
- はるな自由詩211-3-27
美しい舟- はるな自由詩411-3-27
意識- はるな自由詩311-1-28
- はるな自由詩211-1-27
まちわびて- はるな短歌211-1-16

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