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群れからはずれた ひつじがいっぴき
光に打たれて たっている
かなしいでも
誇らしいでもなく
ひつじがひとり たっている
まるく くらい 影をおとして
ひかりがひつじを 打っている
 ....

からくて わたれない
いつだったかな
甘い水をくれたひとが
笑って
わたしはいちど干上がって
それから
きちんと塩からく満たされた
海は
あれから
ますます青いよ
そんなにあかるく
しないでほしい
闇たち
ちいさくなればなるほど
深くなって
もう底がわからない
はやくだれか
つめたくて死んでいる
闇たちの底、底
触ってあげないと
死に続け ....
そこだけ汚れたようなうす白い虹
びらびらと光る観覧車
遠くからかすかに水の匂い
得たものと失ったもの
欲しかったかどうかも もうわからないもの
ああふれたところから順に濁っていきます
 ....
塩と水と みじかい詩と
あとはすこし体温があれば
生きていける
たぶん
あなたがいなくても
一対の鉄塔が
街をはさんで見つめあっている
(病気のような時間帯)

頭痛もちの少女が
おぼえたての寂しさを抱きしめて
影をうつした空へ飛びおちていく
そうだなあ。壊すなら街が良いね。とくべつ硬いやつ、と、言ったとき、あなたはもうわたしを愛さないと決めていた。美しいは残酷だから、わたしたちは生きていける。もうずいぶん長いこと言葉に身を埋めて、はっ .... うその家は
嘘でできている
三叉路が三つもある
うその家

みんなはそこで
笑ってもいいし
笑わなくてもいい
キリスト像を切り刻んでも良いし
仏壇で眠ってもいい

あなたには ....
だが それは
扉から入ってくるとは限らない
ノックもしない

都会にもダイバーがたくさんいる
海べのようなプラットホームに
打ち寄せる通勤電車に

開けられた窓とか
流行のスナッ ....
みんなうたわなくなった
夜も 朝も 雨の日も
すっかりあかるくなった
鼠はいなくなった
もぐらはとっくに死にたえた
人びとは 健康であった

ギターもピアノも自動で鳴らされる
楽譜 ....
なにひとつ
ただしくはなかった
空白をうめるようにする
女のからだでは

ただしくはなかったかもしれない
すがるように言葉を編むこと
空を濁らせる 嘘を吐くこと
つめたい気持ちに線 ....
角度、模様、ゆれかた
1日ごとに忘れること
空をさす指にのる爪が
いちいちあたらしく光っている
赤や白や茶に落ちついた傷あとや
庭のれんがが古びていくこと
角がまるくなったノートを
 ....
真実ばかりの積み木は ゆっくりと嘘になる
やさしいばかりの囁きは やがて毒になる
嘘ばかりの言葉が 思い出のすべてになる


時間をかけて選んできたわたしの体が
あなたの嘘のおかげで
 ....
一滴のくらやみが 明るみに落ちたとき
わたしは黙っていてもわたしでした
愛などのことばも必要なしに

光を一粒あなたがとってみせたとき
はずかしく右往左往にばらけるわたしを
つぎはぎの ....
なにか忘れそうなきがしている
なにか
雪が降っている
空が濃く青い
皮膚が張っている
忘れそうな
あなたは昨日から
水色のズボン
なんだっけ
夜は冬の気持
水玉の靴下
泣きご ....
しびれるように今日は
明日を失い
昨日を失い
昼夜を失った

羊の目をもつ鳥が落ち
布を裂く音が縦に響き
誰かは誰かを失った

ぎりぎりの分別に
長くのばした爪を引っ掛けて
 ....
二月末には毎年わたしの誕生日がある。ことしは、実家にいるので、そして妹も帰ってくるというので(姉は仕事のため帰ってこられないのだという)、安心してホールケーキが買えるわねと母が笑った。
妊娠のためと ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない

うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
みてあのこまだ
舟なんかつくってる
とさされたゆびを
はじから折って編み込んでいく

わたしはかなしかった
夜でも朝でも
ま昼にはいっそおそろしかった
からだじゅうに溜まった水が
 ....
あなたがむかし
わたしにつけた縄を
こんどはわたしが
あのひとに結びます

雪は屋根のうえでだらしなくなって
白がすこし疲れたようす

毎朝 沸騰する
わたしの身体を知らないでし ....
ひかりはやみとあらそいながら
ちいさな点を穿つのだ
愛の横でみたされながら
永遠にあしたは来なかった
きれいな線をひきながら
境目づいたからだのなかで
ひかりはやみと抱きあいながら
 ....
ここがどこかわからなくなってしまう
眠っていたわけでもないのに
あなたはわたしと太陽のあいだにたつので
そうか、いつも
ちょうどまぶしい
とにかく熊は
とてもつかれて
泳ぎはじめた川の途中で
夢をみることにした
川を渡りきる夢を
熊は

夕やみは
あ と言うまに夜へ伸びて
人びとを愛へ仕向けます
 ....
夜はごうごう
手足はしろく
わたしを売って
あなたを買おう

頭のないロボットが
あざやかなシュートを放つ
鍛えぬかれた一秒が
光ることなく埋葬された
雪は降らなくていい
長い詩もいらない
部屋には
湯沸かし器があればいい

わたしは臆病すぎるだろうか
ねえわたしたちは
なんて滑稽なかたちをしているのだろう
あなたはそれから日記を書かなくなって、たぶん唇はかわいている。
テレビは消音のまま点けっぱなしになっているから、部屋のなかの光と音のバランスは悪い。視覚的な喧噪と、それを拒否する沈黙。でもカーテ ....
あなたに何て言おうか
ずっと考えてた
あなたを愛してはいない
みていちょうが
こぼれるように
色づいている
愛しているといった
あなたの名前をしらない

いったこともない外国の街の名を知っている
冬は雨ばかり降るということも
あなたがそこでどんなふうに目を細めるかも

嘘をつかないあなたが ....
寝息もかたちを持つ生々しい夜に
生きていることははずかしかった
熱と湿りを帯びるからだが
その振動や重みが

やがて夜の裾がめくれはじめ
青と赤が互いを超える
はじまりとおわりを混ぜ ....
やがて水が
熱を帯び
傷んだ管のひびわれは
取り返しようもなく波打って
かつて海であった記憶をたぐる

かなしみはコンクリートをふちどって
どれだけ抱いても減らない全てに
途方にく ....
ゴースト(無月野青馬)さんのはるなさんおすすめリスト(111)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
群れからはずれた羊が一匹- はるな自由詩1115-1-17
青い- はるな自由詩414-10-13
かわいそう- はるな自由詩214-10-13
白い虹- はるな自由詩514-9-22
あとはすこし体温があれば- はるな自由詩614-8-21
鉄塔- はるな自由詩814-7-27
さるすべり- はるな散文(批評 ...414-7-25
うそのいえ- はるな自由詩614-7-17
ノック- はるな自由詩614-6-24
みんなうたわなくなった- はるな自由詩914-6-22
過去- はるな自由詩1214-6-1
すてき- はるな自由詩714-5-14
ゆっくりと嘘になる- はるな自由詩514-5-8
くらやみ- はるな自由詩914-5-1
冷蔵庫のケーキ- はるな自由詩914-4-24
分別- はるな自由詩614-2-28
ホールケーキ、2/22のこと- はるな散文(批評 ...314-2-26
スープ- はるな自由詩1114-2-26
破裂- はるな自由詩414-2-24
- はるな自由詩814-2-14
ひかりはやみと- はるな自由詩514-1-13
ちょうどまぶしい- はるな自由詩714-1-7
とにかく熊はとてもつかれて- はるな自由詩1113-12-27
テレビ- はるな自由詩913-12-21
湯沸かし器- はるな自由詩613-12-18
百年の鳥- はるな自由詩1113-12-6
いちょう- はるな自由詩413-12-5
すばらしい嘘- はるな自由詩613-12-4
絵筆- はるな自由詩913-12-1
やがて水が- はるな自由詩313-11-26

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