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果物ナイフをきみは忘れたの


ドラマの星空が歌を歌うように

ベランダの一人の女を照らしている

それは街明かりなのかも知れない


次の日の公園で

ぼくは他の女とキスをし ....
白い天井を見つめている

黄金週間の夕暮れどき

一日のさいごの光を見つめている

壁にはパンプキンの絵画

胸にかぶさる世の戯れごと

天井のもう少しさきを見つめよう

少し向こうには

希望のふり ....
人ほどつくりつづけるいのちの存在はない
しかもそこには魔法の杖などなかったのだ
引き寄せの法則は結果のお話しだった
意識の持ち方のことではなかった
太陽や風や大地、有機物や無機物
あらゆるも ....
新緑はどうしようもなくさやかに

その繁を濃くしてゆく

往来の音が木々を揺らす風のようだ

どんな死に方になるだろう

どんな生き方を不動とするだろう

唇をよこに引っ張って上げてみる

往来の景色 ....
べたあっと広い横断歩道で信号待ちをしている人混みのなかにいた
曇り空だった
曇り空のひかりが広い横断歩道に溜まっていた
女子高生数人がぼくに笑顔で駆けよってきた
二十年まえなら吉川晃司や的場浩 ....
危険を知らせる音ではなかった
それは自然現象のように鳴っていたのだ
線路は続くよ、どこまでも、
永遠のふりをしてまねをして
線路は続くよ、どこまでも、
人間のつくった平行線だった
うしろからのどかな警 ....
花が肉のようだ
植物のさやかな匂いだ
ツツジよ
おまえはだれなんだ

会えない恋ごころ
会えば終わってしまう
ふられているようなもんだ
あざやかな足元の花よ
おまえの秘部ならば
口つけることもいとわな ....
着いてからでじゅうぶんだと甘く考えていた
ホテルは全日空のスイートしか空いてなかった
だから米子で車中泊することにした
中原中也の詩にあったのは米子
ここは鳥取の米子
山陰合同銀行のパーキン ....
恵まれない世界などない
恵まれない者がいるだけのお話しだ
人生は映画にたとえたい
監督はだれ
脚本はたれ
金集めはだれ
みんなじぶんの人生じぶんが主役だ
監督もできない
本も書けない
 ....
詩が歌っていることが
実際の出来事であったりはしない
詩はこころの事件なのだから
実際の出来事であることのほうが
少ないはずのものだから

いちの海がある
せんの海がある
正しいことが ....
生まれてこの方甘やかされて育てられてきたから
苦労という苦労をしたことがない
ややこしいことに巻き込まれることはあっても
いつもかならず着地だけはうまくゆく
だからひとの心だとか貧乏の辛さなど ....
夜通し愛しあった翌日は
朝のばたばたも過ぎると
あたまが少し痛くなって
欠伸にならない浅い息が
せなかに溜まりはじめる

煙草に吸い疲れた公園のベンチ
新緑の幽霊みたいな色を見やりながら ....
すこしグレーの染みた水色の空をバックに

街道の広い駐車場でのぼりがはためいている

風をコピーして光と影の紋様を見せてくれている

政治経済や環境や人心などの問題を

空やのぼりを見つめながら考えて ....
ツツジの花束を渡したことはない

あんなに清浄で芳しい花であるのに

街にはツツジがあふれているから

当たり前や普通のことに

リスペクトしてゆくのは難しいようだ

ツツジの花束を渡したことはない
 ....
ぼくたちはなんによって生きるのか
なぜピアノという楽器がいまもあるのか
歩きながらそんなことは考えまい
ぼくはきみを抱きしめていよう
きみにひとりじゃないことを
伝えるために暇つぶししていよ ....
夕日の終わるころ
僕はなにに影を落とすだろう
うらぶれた浜辺の賊らが踊りだせば
僕は楽しいことだけをしよう
おなじ波なんてあるのだろうか
波は波にちがいない
それだけでいいのではないか
ささやかな浜辺 ....
自然っていいことなんだろうか
歩きにくかったり臭かったりそれも自然だ
香水なんかほとんど人工的なものだ
ぼくらにとって自然をやさしくすることが
それはどうだったんだろうか
自然災害や環境破壊も
中心に ....
ぼくは泣いていた
川端康成の伊豆の踊り子にでてくる
それは涙ではなかった
もっと肉に近かった
もっと欲に近かった
藤沢周平の物語にでてくるそれは涙だった
育ての親と契ってしまった娘がいた
 ....
なにかを変えてゆくとき
そのなにかは終わり
そして変化したなにかが始まる
そのあわいには混乱や苦悩がある
きょうがそのようだ

向田邦子が通った喫茶店で
こってりと苦い珈琲を二杯のんだ
六十を過ぎた四 ....
遠い天体から

ひかりが届いている

それはぼくから見れば

永遠と

言ってしまいたくなる距離だった

そんなに離れていても

引力など働いているのだろうか




 ....
はっきりとした目的もないと

矢印が他人事のように見えてくることがある

この矢印はじぶんにとっての矢印なのか

ぼくはどこへゆこうとしているのか

矢印はなにも知らないだろう

そんなことぼくが決め ....
通勤の地下鉄

夜のうちに汚れの薄まったいつもの朝

家路を逆走する

生きとし生けるぼくたちは辿る

暇つぶしには程遠くて

たましいを携えて今日もゆく

あさってもあしたもきのうもおとといも

き ....
せいぎちょうをつくったぼくは
せいぎのめんばーをそこにしるした
いちばんはぼくだ
しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、ぜんいんでごにんだ

三十年まえのジャイアンが歌謡ショーをひらきそうな公園に秘密基 ....
珊瑚にも見えた
夜のいっかくに宇宙を膨らませたそれは
いきものたちの銀河だ

ぼくらはあんなとこにいるんだ

こんなところで

あんなとこの一員をやっているんだ

一秒も何億光年も ....
公共性のない才能と

正解を欲しがる幼稚性

そのどちらもが

渦になれないおまえら液体だ

いちからじゅうまで

そんなんじゃいやなら

おまえらの惨めさにおれは蓋などしない ....
機械的に家路を歩いてた

なんにも考えずに

帰巣本能でもあるまいし

歩道橋の向こうに

私を照らす光源があった

セピア色した夜に

私は突撃したのだけれど

それは本能でなく

機械的にした訳で ....
降りているのか
上がっているのか
分からなかった

肩を並べてなのか
今からすれ違うのか

降りているのか
上がっているのか
分からなかった

幻なのか
悲しみなのか

降 ....
人生よりも永い愛の跡

そんな愛し方で足りないのは

人間だからでしょうか

楽譜のような愛の跡

そんな愛し方で足りないのは

人間だからでしょうか


人生は短いのでしょうか

木や楽譜であったの ....
爽やかなしょんべんの匂い

あたりを見回すと

ツツジの群生しかなかった

あいつが俺のを飲んだのを

思い出してもいた

意味などさがす気もなくて

あいつが俺のを飲んだのを

植物的な愛の形を

 ....
あてどなく
そうあてどなく
ぼくはきみに聞いた町を通りを
喫茶を探すように歩いた

東京の商店街の
あの密着感がにがてだ
ぼくはよそものだと
目がおもくなる胸がくらくなる
足が空を蹴る

あてどなく
 ....
月乃助さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(306)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きみの誕生日- 吉岡ペペ ...自由詩610-5-5
天井のもう少しさきを- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...1010-5-4
存在の法- 吉岡ペペ ...自由詩310-5-4
夕暮れる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-5-3
曇り空のひかり- 吉岡ペペ ...自由詩710-5-3
踏切- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...710-5-2
五月への質問状- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-5-2
積木のタペストリ- 吉岡ペペ ...自由詩410-5-2
世界- 吉岡ペペ ...自由詩310-4-29
ほんとうのことを- 吉岡ペペ ...自由詩710-4-29
坊ちゃん- 吉岡ペペ ...自由詩10+10-4-27
まぶしい曇り空- 吉岡ペペ ...自由詩810-4-26
本日は晴天なり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...16+10-4-25
ツツジの花束- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...310-4-25
公園- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-25
浜辺の賊- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-24
こんなところにぼくらはいる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...710-4-24
泣いていいよ- 吉岡ペペ ...自由詩710-4-24
混乱や苦悩のあわい- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-4-23
遠い天体- 吉岡ペペ ...自由詩1410-4-22
矢印- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-4-22
家路- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-21
ぼくらの王国- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-21
いきものたちの銀河- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-20
太陽を浴びるふりをしろ- 吉岡ペペ ...自由詩810-4-20
セピア色の夜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-4-19
ジムノぺディ- 吉岡ペペ ...自由詩1310-4-19
愛の跡- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...410-4-18
爽やかなしょんべんの匂い- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-18
空を抜ける- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-18

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