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粛々 と
夕日を見送る木々が
美しかった
雪道に宝石をまいた夕日は緩やかに山へ落ち
オレンジと黒の隙間に
もう一度青があることを知った
何度も
何度も
足を止め山をおりる夕方
目を細め
....
ひかりとかげ
ひかりとか げ
ひかりと かげ
ひかれ 私は蜥蜴
ひかれ げげげ
ひかれ かげで
銀色の緑が 芽吹く
しろい陶器のような世界
真綿にくるまれて ....
あなたとふたたび会えてうれしい
鼻先をあなたのももにうずめると
しあわせのゆりの匂いがして
こころがころころと弾むんだよ
あなたとふたたび会えてうれしい
アメージング グレイス
改心は ....
あなたのそういうところがあたしを寂しくさせるの
仕向けてくれなくても分かっているの
だから知らないふりをして
あたしを理解したりしないで
あたしを理解したり注意したり動かしたりしないで
ぜん ....
宇宙を模写する
思考を模写する
気持ちを模写する
他者を模写する
意識を模写する
無意識を模写する
刹那を模写する
呪文を模写する
それを貼り合わせて
....
雪は表面につもる
広い表面につもったり
たとえば枝のような
細い表面につもったり
雪、かわいらしいなと思う
それは雪ににている
朝おきたら
ぼくの広い表面にも
ぼくの細い表面にも
....
{引用=決して君には映らないのに
何故君は私に映るのだろう}
林檎の皮を剥こうとも君ほどの素顔はない
時の奥にみる廃虚のように
冬の底に横たわるマグマのように
不謹慎ながら、なんて君の炎 ....
僕は星が好きなんだ。とくに月が好き。
地球や太陽や月も星なんだよ。ときどき忘れちゃうこともあるけどね。
月。
満ちたり欠けたり。
細くなったり太ったり。
丸くなっ ....
「出てきてくれないと、さよならが言えません」なんて
君がいつもの優しい声で言うから
余計にここに閉じ籠ってしまいたくなった
「寒いでしょう、さあ」
ねえ、君はいつだって正しい
寒いよ
すごく ....
ぼくは高校卒業まで叔父叔母に育てられた
母さんはぼくと妹にいちども会いに来なかった
誕生日にはお金が送られてくると叔母は言っていた
叔母ぼく妹で買い物に出かけると
きまった店でよく服を買っ ....
空のうえは宇宙でしょうか
ぼくには空のしたしかありません
あらゆる哀しみと同苦したいのです
空のうえなどいらないから
あらゆる哀しみと同苦したいのです
天国なんかありません
地獄なんかも ....
からだや精神のからくりを
勉強したくて
ふたりは抱きあったのかも知れない
女は女のゲイだと言った
俺は男のレズだと言った
からだというのは歳を経てゆくと疲れやすくなるようだ
二十代のころ風 ....
三次会のあと
はなれがたくて
鉄路にふたりツレションをした
メリークリスマス、
メリークリスマス、ミスターローレンス、
アラスカの凍る林で
奇跡たちが
ガシガシと音を立ててい ....
上を望まず 控えめに
その身を飾る サザンカは
愛に溢れて 美しく
舞い散り落ちた 花びらも
一つ一つが それぞれの
愛する心を 忘れない
僕が林檎をかじっているこの世界は
銀色の象の胃袋の中にあって
銀色の象が星を喰う世界は
英語を話す蛇の海馬のあたりに浮かんでる
英語を話す蛇が
日本語を解読しようとする世界は
すべてが ....
実家に帰ると
母は今の母で
わたしが思っているお母さんとは違う
いろいろあったもんね
川の形だって水の流れで変わるんだもんね
でもわたしの頭のなかのお母さんはやっぱりいつも不幸で
あた ....
かつて心を置き去りにした土地で
足元を掬われないように前へ、前へ
敷き詰められた岩の隙間で浮かんでいるのは
汚れた発泡スチロールの欠片ばかり
忘れられたオモチャの残骸は
ひきつった笑顔を崩さないよう ....
最低ってのが一番下
当たり前だけどそうだけど
それを遥か下回ってる
矛盾してるけどそうだけど
でもそんなもんだろう
俺の安い働き安い言葉
だからそうなってんだろう
粗悪じみた 救済活動
明日 ....
夜空に星をぶちまけて
ただ
ぼくのすべてを
きみに知って欲しかったんだ
天使よ
思い切り
吹き鳴らせ
もう
きみには
届かないのだから
最後のファンファーレを
盛大に
雲が
太陽を隠しています
きっと
あの向こうには
壮大な楽しみがあります
だけど、それを
雲は
わたしに
見せてはくれません
こどもの頃
おとなが見せてくれなかった
テレビドラマを
思い出します ....
回転扉の向こうはサバンナだった。
「さぁ、はやく。」
何かに躊躇っているうちに
電解質と一緒に失われた
青という名の雷鳴。
「サバンナに広がるベッドには、 ....
ペットを飼うとはどういうことなのだろう
人間以外の生き物と一緒に住むということ
なぜ?
癒し?
嗜好?
ペットを飼うとはどういうことなのだろう
人は人によって癒されるべきではないのか
....
悲哀の音色と光の乱舞が
互いを完全に打ち消しあって
零れ落ちた沈黙に
回転木馬の夜がくる
めぐり、とまる
とまり、めぐる
繰り返されてきた物語はその結末 ....
わたしの中の真昼の闇
闇の中の狼の虹彩
虹彩の中のおまえの影
ふるえている
耐え切れない心を
掻き毟るための
1/4拍子を宿した指先
どうかわたしの爪を切っ ....
おなかが痛くて
おやすみしたという娘が
しょぼくれた眠い目を
こすりながらくれた
カカオ
バレンレーの日と
君が言ったから
誰がなんと言おうと
今日は
バレンレーの日
あた ....
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